Trademark Appeal Case
著名性及び称呼の類否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2000−90923(T2000−90923/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4386862号商標(以下「本件商標」という。)は、平成11年7月26日に登録出願され、別掲に示すとおりの構成よりなり、第24類及び第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成12年5月26日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
本件商標は、登録異議申立人(以下、「申立人」という。)の著名な商号の略称を含む商標であり、申立人の承諾を得ていないものであるから、商標法第4条第1項第8号に該当する。
また、本件商標は、平成7年4月19日に登録出願(優先権主張1994年11月11日、イタリア共和国)され、別掲に示すとおりの構成よりなり、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成11年2月19日に設定登録された登録第4242154号商標(以下「引用商標」という。)と類似の商標であり、指定商品も同一又は類似のものである。
さらに、引用商標は、申立人の業務に係る商品「自動二輪車」等を表示するものとして取引者・需要者の間に広く認識されているものであるところ、本件商標は、これを一部に有するものであるから、本件商標を指定商品に使用した場合は、申立人の業務に係る商品と出所について混同を生ずるおそれがあり、かつ、商標権者は、本件商標を使用することにより、引用商標の出所表示機能を希釈化し、その名声を毀損させるおそれがあるから、商標法第4条第1項第11号、同第15号及び同第19号に該当する。
したがって、本件商標の登録は取り消されるべきである。
3 当審の判断
申立人の異議申立理由及び提出に係る甲各号証並びに商標権者の取消理由に対する意見書及び提出に係る乙各号証を総合勘案し検討するに、申立人は、イタリアの自動二輪車(以下、「オートバイ」という。)のメーカーであり、申立人の生産に係るオートバイ「DUCATI」が1998年のスーパーバイク世界選手権に優勝したことが認められるが、これに関する記事(報道)は販売部数の多い読売新聞又は朝日新聞に2回程、優勝選手名が小さな記事で紹介されているのみで、その車種(車名)は掲載されていない。また、該オートバイについては「ワールドMCガイド1 ドゥカティ改訂版(平成6年6月1日初版、平成12年8月31日第3版、株式会社ネコ・パブリッシング発行)」、及び「日本と世界のオートバイカタログ‘99年版(成美堂出版発行)」に掲載されていることが認められるものの、これ以外に広告、宣伝又は記事で紹介されている日本の雑誌又は新聞等の証拠は見出すことができない。さらに、申立人が提出した「商標(DUCATI)の国際的名声を証明するための宣誓供述書(翻訳)」によれば、過去数年の該商標を有する製品の販売高又は販売促進のための広告費等が記載されているが、これらを証明する書類は提出されていないものである。
以上の点からすると、申立人の商号(略称を含む。)、引用商標(「DUCATI」)及び引用商標を付したオートバイが本件商標の出願日前に我が国の一般の需要者の間に広く認識され、著名性を獲得していたものとは認め難いところである。
しかして、本件商標は、前記したとおり大きく描かれた図形と「ANTONIO DUCATI」の欧文字よりなるものであって、その構成は上部に表された図形とその下部に同書、同大に一連に書された該欧文字がバランスよく表示されているものであり、該欧文字より生ずると認められる称呼も語呂よく「アントニオドゥカティ」と一気に称呼し得るといえるものである。加えて、商標権者より提出のあった意見書に添付された証拠によれば、商標権者は本件商標登録を受けるにつきイタリア国ミラノ在住のデザイナーと認められる「ANTONIO DUCATI」(アントニオドゥカティ)氏より承諾を受けていることを認めることができる。
そうとすると、本件商標は、他人の名称の著名な略称を含む商標に該当するものとは認められず、また、本件商標と引用商標とは、別掲に示すとおりの構成よりなるところ、前記したとおり「アントニオドゥカティ」の称呼を生ずる本件商標と「ドゥカティ」の称呼を生ずる引用商標は称呼上、相紛れるおそれのない商標といえるものであり、かつ、その構成よりして外観及び観念においても類似するものとはいえず、両者は、商標において類似しないものと認めるのが相当である。そして、本件商標を指定商品に使用した場合、前記した実情より申立人を想起させるものではなく、その商品が申立人又は申立人と関係のある者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれのないものといわなければならない。
さらに、本件商標は、上記のとおりであるから、引用商標の出所表示機能を希釈化させたり、又は申立人の名声を毀損させるなど不正の目的をもって出願されたものとは認められない。
してみれば、本件商標は、商標法第4条第1項第8号、同第11号、同第15号及び同第19号に違反して登録されたものでない。
したがって、本件商標は、商標法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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