Trademark Appeal Case
図形化文字の称呼判断
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成7年審判第22761号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別紙に表示するとおりの構成よりなり、第20類「コルク製栓 プラスチック製栓プラスチック製ふた 木製栓 木製ふた」を指定商品として平成5年3月5日登録出願されたものである。
2 原査定の引用商標
原査定が商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用する商標登録第535335号にかかる商標(以下「引用商標」という。)は、「アイリス」の片仮名文字を横書きしてなり、昭和33年7月8日登録出願、第50類「紙、及び他類に属しないその製品」を指定商品として昭和34年4月9日設定登録、同54年5月23日、平成1年3月29日、同11年4月20日に商標権存続期間の更新登録がされたものである。
3 請求人の主張
(1)請求の趣旨
「原査定を取り消す。本願商標は、登録をすべきものとする。」との審決
(2)請求の理由
本願商標は、商標の構成中ハートの図形が非常に大きく、外観は勿論、称呼の判断においても、この図形の存在を無視して判断することはできない。本願商標に接する取引者、需要者は、顕著な特徴として存在するハートの図形に目をとられこれによって、本願商標に付された商品を他の商品と区別することは経験側上も認められる。
本願商標中に英字「IRIS」が存在していても、文字だけが独立して分断できる態様ではない。本願商標は、顕著な特徴として存在するハートの図形と一体化し、これから分断・抽出できる態様では文字は存在していない。つまり、本願商標において英字の「R」に相当する部分が、ハートの図形に完全に取り込まれ、ハートの図形を構成する輪郭線の延長上に存在している。そして、英字「IS」が、ハート図形の中央に配置され、第1文字「I」が、ハートを構成する輪郭線の「R」のある端とは逆の端に配置されている構成となっている。
したがって、本願商標は、これら図形と英文字が一体となって構成され、図形は図形、文字は文字で各々独立して判断できるものではなく、図形と文字とが一体化した特殊な商標で、ハートの図形に不可分一体に「IRIS」の文字が融合し、これからは、「ハートアイリス」とのみ称呼されるから「アイリス」の称呼を生ずる引用商標とは、非類似の商標である。
よって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
4 当審の判断
本願商標は、別紙に表示するとおり「IRIS」の欧文字を書し、第2文字の「R」の右下の斜線を下へ延ばし、「IS」の文字を囲むようにハート形状の図形を描いた線を、第1文字の「I」の上部に僅かに間隔を空けて引き下ろしてなるものであって、全体としてハート形状の輪郭図形の左半分を切り欠き、その切り欠き部より 「IRIS」の欧文字をはめ込んだ如き構成であるものと認められる。
本願商標は、上記の構成よりみて容易に「IRIS」の欧文字を表示したものと看取し得るものであるから、その文字構成に相応して「アイリス」の称呼を生ずるものと認められる。
他方、引用商標は、上記文字構成よりなるものであるから、その文字構成に相応して「アイリス」の称呼が生ずること明らかである。
そして、本願商標と引用商標を構成する「IRIS」の文字は、英語で「アヤメ属の植物」を意味する語であり、これを片仮名書きした「アイリス」の語は上記意味合いをもって我が国においても知られている外来語である(株式会社三省堂1981年11月10日発行「コンサイス外来語辞典」4頁参照)。そうすると、両商標は、「アヤメ属の植物」の観念において同一のものである。
また、両商標は、外観上は区別し得るものと認められる。
請求人は、図形と文字とが一体化した特殊な商標で、ハートの図形に不可分一体に「IRIS」の文字が融合し、これからは、「ハートアイリス」とのみ称呼されると主張するが、本願商標は、前記したとおりの構成であり、図形と文字とが一体化した商標であることを考慮して観察しても、「IRIS」の欧文字中の「R」の文字をハート形状にデザイン化したものであるとの印象を与えるに止まるものであるから、その構成文字「IRIS」に相応して「アイリス」の称呼を生ずるものであること前記認定のとおりであり、本願商標より「ハートアイリス」とのみ称呼されるとする請求人の主張は採用することができない。
したがって、本願商標と引用商標とは、外観上区別し得るものであるとしても、「アイリス」の称呼及び「アヤメ属の植物」の観念において同一のものであることから、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等において互いに紛れ易い商標であり、電話等を用いた口頭による取引においてはいずれも「アイリス」の同一の称呼をもってなされることも併せ考慮すると、全体として出所の混同を生ずるおそれのある類似する商標といわなければならない。
そして、本願商標の指定商品と引用商標の指定商品とは、同一又は類似するものである。
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、本願を拒絶した原査定は、取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
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