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Trademark Appeal Case

商標使用の同一性判断

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2000−30520(T2000−30520/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

商標登録第3292318号に係る商標(以下、「本件商標」という。)は、「ASTRE」の欧文字と「アステア」の片仮名文字を二段に横書きしてなり、平成6年12月19日登録出願、第12類「自動車の部品及び附属品」を指定商品として平成9年4月25日に設定登録がされたものである。

第2 請求人の主張の要点

1 請求の趣旨

商標登録第3292318号に係る商標の指定商品「自動車の部品及び附属品」についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする旨の審決

2 請求の理由

本件商標は、その指定商品「自動車の部品及び附属品」について、継続して3年以上、日本国内において使用した事実が存しなから、本件商標の登録は、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。

3 弁駁

(1)本件商標は、英文字「ASTRE」と片仮名文字「アステア」を上下に併記した構成を有する。しかし、乙第1号証によれば、ホイールに付した標章(以下「使用標章」という。)は「ASTRE Tー1000」であり、本件商標と同一とは言えない。

使用標章において「T」と「1000」との間にハイフン「ー」を配置しており、使用標章の構成としては前部の「ASTRE T」と後部の「100」を結合したものと考えられる。その後部の「1000」の数字については一般論としては製造番号ないしシリーズ型式と理解される余地はあるものの、他の数字(「2000」や「3000」)が使用されていることをうかがわせる証拠はなく、型式番号等の数字であると認める余地はない。

(2)使用商標は「ASTRE T」と数字「1000」を結合した構成を有し、本件商標と社会生活条の観点からみて、実質的同一であるとは認めがたい。称呼においては、本件商標は「アステア」のみの称呼が生じ、使用標章は「アステアティー」又は「アステアティーセン」の称呼が生じ、称呼上も実質的に同一とは言えない。

(3)したがって、被請求人は、本件商標を継続して3年以上日本国内において使用した事実は認められない。

4 証拠方法

請求人は、審判請求書に記載のとおり甲第1号証及び同第2号証を提出した。

第3 被請求人の答弁の要点

1 答弁の趣旨

結論掲記の審決

2 答弁の理由

(1)被請求人は、本件商標をその指定商品中「自動車のホイール」について平成7年4月2日以降使用した実績がある。

すなわち、1997年の「WEDS(GRAND’97CATALOG)」の第37頁(乙第1号証の2)には、「ASTRE Tー1000」として本件商標の使用状況が示されている。このカタログは1997年2月1日に発行、次年度(1999年)のカタログが発行されるまでの間、店頭又は需要者間において利用されていた。

(2)本件商標は、自動車用ホイールについて継続して3年以上日本国内において使用した事実がある。したがって、請求人の主張は、事実無根である。

3 証拠方法

被請求人は、答弁書に記載のとおり乙第1号証及び同第2号証(枝番号を含む。)を提出した。

第4 当審の判断

1 本件商標の使用の有無

(1)本件商標は、「ASTRE」の欧文字と「アステア」の片仮名文字を二段に横書きしてなり、「自動車の部品及び附属品」を指定商品とするものである。

(2)被請求人提出の乙第1号証の2(「WEDS(GRAND’97CATALOG)」株式会社ウェッズ1997年2月1日発行、第37頁)によれば、上部に大きく「ASTRE Tー1000」の文字と小さく「アステアTー1000」の文字(「アステアTー1000」の文字は「ASTRE Tー1000」の文字に比較して約1/7の大きさに表示されている。)とを上下二段に横書きし、下部左には、自動車用ホイールの中央部に「ASTRE Tー1000」の文字が表示(以下、これらの使用されている商標をあわせて「本件使用商標」という。)され、下部右には、「ASTRE Tー1000(アステアTー1000)JWL適合品」の表題の下に、当該自動車用ホイールの適応車種名が記載されている事実が認められる。

上記事実よりすると、請求人(商標権者)は、本件審判の請求の登録(平成12年6月14日)前3年以内に、本件商標と社会通念上同一のものと認められる商標を商品「自動車用ホイール」について使用していたものと認められる。

(3)請求人は、『本件商標は、英文字「ASTRE」と片仮名文字「アステア」を上下に併記した構成を有する。しかし、「使用標章」は「ASTRE Tー1000」であり、本件商標と同一とは言えない』旨主張する。

しかしながら、登録商標に変更を加えた使用商標は、その変更が登録商標の識別性に影響を与えず、かつ、商標の同一性を損なわない場合には、当該登録商標と社会通念上同一と認められる商標の使用というべきである。

これを本件についてみるに、本件商標は、前記のとおり「ASTRE」の欧文字と「アステア」の片仮名文字を二段に横書きしてなるものである。

他方、本件使用商標は、前示認定したとおり「ASTRE Tー1000」の文字と「アステアTー1000」の文字とを上下二段に横書きした表示、「ASTRE Tー1000」の文字の表示、「ASTRE Tー1000(アステアTー1000)」の文字の表示であるところ、その構成中の「Tー1000」の文字部分は、商品の規格、形式、品番等を表示するための記号として機械部品等を取り扱う業界において一般に採択、使用されているローマ字の1字と数字の組み合わせたものであると認識されるものであり、自他商品の識別機能がないか又は弱いものであるから、本件使用商標の識別機能を有する部分は、「ASTRE」「アステア」の文字部分にあるとみるのが相当である。

そうすると、本件使用商標は、これらの文字が上下二段に横書きに表示又は横一列に表示されているものであるから、その使用の構成、態様は本件商標の識別性に影響を与えず、かつ、商標の同一性を損なわない変更であり、本件商標と社会通念上同一と認められる商標の使用である。請求人の主張は理由がない。

(4)したがって、本件商標は、被請求人(商標権者)により本件審判の請求の登録前3年以内に本件審判請求に係る指定商品に含まれる商品「自動車用ホイール」について使用されていたものである。

2 結語

以上のとおりであり、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すべき限りでない。

よって、本件審判請求は、成り立たないものとし、審判費用の負担について商標法第56条第1項、特許法第169条第2項、民事訴訟法第61条を適用して結論のとおり審決する。

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