結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 平成11年審判第35570号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第3116316号商標(以下、「本件商標」という。)は、別掲に示すとおりの構成よりなり、平成4年7月17日に登録出願、第12類「自動車の部品および附属品」を指定商品として、同8年1月31日に設定登録されたものである。
請求人が本件商標の登録の無効理由に引用する登録第858428号商標(以下、「引用A商標」という。)は、別掲に示すとおりの構成よりなり、昭和43年4月1日に登録出願、第12類「自動車、その他本類に属する商品」を指定商品として、同45年5月29日に設定登録され、該登録に係る権利は、現に有効に存続しているものである。同じく、登録第2279237号商標(以下、「引用B商標」という。)は、「ディック」の文字を横書きしてなり、昭和62年11月13日に登録出願、第12類「輸送機械器具、その部品および附属品」を指定商品として、平成2年11月30日に設定登録され、その後、該登録に係る権利は、商標権の指定商品について書換登録の申請があった結果、「第6類、第9類、第12類、第19類、第22類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品」とする書換登録がなされ、現に有効に存続しているものである。同じく、登録第2312582号商標(以下、「引用C商標」という。)は、「DIC」の文字を横書きしてなり、昭和63年3月7日に登録出願、第12類「輸送機械器具、その他本類に属する商品」を指定商品として、平成3年6月28日に設定登録され、該登録に係る権利は、現に有効に存続しているものである。
請求人は、本件商標についての登録を無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求めると申し立て、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし同第3号証を提出した。
(1)本件商標は、「Dick/CEPEK」の文字より「ディックシーペック」及び「ディック」の称呼をも生じる商標である。
そうすると、本件商標は、引用各商標の称呼と同一の称呼を生じる商標となり、商標法第4条第1項第11号の規定に反し登録された商標となり、同法第46条第1項第1号の規定により無効とすべきものである。
(2)被請求人は、答弁書にて縷々述べているが、請求人の甲第1号証の引用A商標「DIC」は、昭和45年5月29日の登録であり、本件審判に関連する商標中で最先登録の商標である。且つ又、この商標の商標の称呼が生じる点は引用B商標並びに引用C商標が当時存在した連合商標制度の下、引用A商標と連合関係にあったことより明らかである。
請求人の本件審判事件とは別件の査定不服審判事件(平成11年審判第15143号)にて、本件商標「Dick/CEPEK」は、「ディックシーペック」の称呼を生じると共に「ディック」のみの称呼をも生じるが故に、請求人の出願商標「ディック U−パネル」は本件商標により拒絶査定となり査定不服審判に係属している。
本件商標「Dick/CEPEK」が、「ディック」のみの称呼をも生じる商標であるならば、請求人の最先登録の引用A商標「DIC」に類似し、商標法第4条第1項第11号の規定に反し登録された過誤登録商標となり、その登録無効は免れないものである。
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし同第4号証を提出した。
(1)引用B商標および引用C商標は、その夫々が引用A商標の連合商標として登録されているものであって、何れも「ディック」の称呼を生ずることは被請求人も認めるところである。
被請求人は、本件商標が引用A・B・C商標と称呼において非類似であるという事実を、乙第1号証ないし同第4号証を挙げて立証する。
(2)すなわち乙第1号証は、本件商標の出願審査段階において担当審査官殿から受けた拒絶理由通知書(写し)である。この拒絶理由通知書中で審査官殿は、本件商標と類似する先登録商標として、請求人が提出した甲第2号証に係る引用B商標(商公平2−23815号)を引用された。
なお前記拒絶理由通知書において審査官殿は、登録第1870062号商標(商公昭60−71420号)も引用された。この引用商標は、乙第2号証に示す如く、市川プレス工業株式会社が取得していた「DICK CEPEK/ディック セベック」の構成に係る商標であった。
前記拒絶理由通知書に対し出願人(被請求人)は、乙第3号証に示す如く意見書を提出し、本件商標と引用B商標とは、一般需要者をして商品出所の混同を生ぜしめる程に類似しているものでは到底あり得ない旨を主張した。なお、乙第2号証に示した引用登録商標に対しては、既に不使用取消し審判により該商標の取消しが確定している事実を意見具申した。
この意見書の提出を受けて審査官殿は、乙第4号証に示す如く、出願公告の決定の謄本(写し)において、「この出願は、出願公告すべきもの」と決定された。すなわち本件商標は、(ア)その出願審査の段階において、既に引用B商標を引用され、かつ(イ)本件商標と該引用B商標との称呼上の類似性が否定されたものである。
このように本件商標「Dick/CEPEK」が引用B商標「デイック」と称呼的に非類似であるからには、この引用B商標と連合商標になっている引用A商標「DIC」および引用C商標「DIC」とも、本件商標が称呼上非類似であることは極めて明らかである。
なお、乙第3号証に係る意見書中でも述べたところであるが、乙第2号証に係る登録第1870062号商標「DICK CEPEK/ディック セベック」(取消し確定)が存在していたにも拘らず、その後に引用B商標「ディック」が登録が許されたということは、取りも直さず本件商標が引用B商標とは類似しない、という事実の有力な証左である。
(3)以上に述べた如く、本件商標は出願審査の段階において引用B商標の引例を受けたが、これは既に克服済みであることが明らかである。しかも引用B商標および引用C商標は、引用A商標と相互に連合となっている関係にある。したがって、本件商標が引用B商標と称呼的に非類似である以上、引用A商標および引用C商標とも称呼的に非類似であることは明らかと云うべきである。
このように本件商標は、商標法第4条第1項第11号の規定に該当するものではなく、請求人の主張は全て根拠のないものである。
本件商標は、別掲に示すとおり「Dick」の文字を「CEPEK」の文字の左肩部に乗せた構成よりなるものであるところ、「Dick」と「CEPEK」の各文字は、その書体を異にしてはいるものの、全体としてまとまりよく表現されているといえる範疇のものであり、「Dick」又は「CEPEK」の文字部分のみをもって取引に資される場合があるとみるほどのものではないというのが相当である。加えて、本件商標は、被請求人(商標権者)である「ディック シーペック インコーポレイテッド」の略称を欧文字で表したものといえ、これが更に単に「ディック」(Dick)と略され、称呼されているとの格別の事情を有するものともみえないものである。
そうとすれば、本件商標は、その構成文字全体に相応して、「ディックシーペック」の称呼のみを生ずるものと判断するのが自然である。
他方、引用A商標は、別掲に示すとおり「DIC」の文字を表したものとの域を脱しない範囲の表示方法とみるのが相当であり、また、引用B商標は「ディック」の文字、引用C商標は「DIC」の文字よりなるものであるから、引用A・B・C商標は、いずれも構成各文字に相応して、「ディック」の称呼を生ずるものと認められる。
そこで、本件商標より生ずる「ディックシーペック」の称呼と引用A・B・C商標より生ずる「ディック」の称呼を比較すると、両称呼は「シーペック」の音の有無という顕著な差異を有するから、両者をそれぞれ一連に称呼した場合互いに相紛れるおそれはないものである。
また、本件商標と引用A・B・C商標は、観念において類似するとみるべき理由は見出せず、また、それぞれの構成よりして、外観においても互いに相紛れるおそれはないものである。
してみれば、本件商標と引用A・B・C商標とは、称呼、観念、外観のいずれの点においても類似しないものであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではない。
したがって、本件商標は、商標法第46条第1項第1号の規定により、その登録を無効とすることはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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