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Trademark Appeal Case

「XX」の発音と称呼類似

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成10年審判第35490号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4086753号の指定商品中「配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気式ワックス磨き機,電気掃除機,電気ブザー,磁心,抵抗線,電極」についての登録を無効とする。
その余の指定商品についての審判請求は成り立たない。
審判費用は、その2分の1を請求人の負担とし、2分の1を被請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4086753号商標(以下「本件商標」という。)は、「BOX」と「ボクス」の文字を二段に併記してなり、平成6年8月10日登録出願、第9類「配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,眼鏡,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気式ワックス磨き機,電気掃除機,電気ブザー,磁心,抵抗線,電極,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,計算尺」を指定商品として、平成9年11月28日に登録されたものである。

2 引用商標

請求人が本件商標の登録無効の理由に引用する登録第2095436号商標(以下「引用商標」という。)は、「BOXX」の文字よりなり、昭和61年3月31日登録出願、第11類「民生用電気機械器具、その他本類に属する商品」を指定商品として、昭和63年11月30日に登録、現に有効に存続するものである。

3 請求人の主張

請求人は、「本件商標の登録を無効とする。審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求め、その理由を次のように述べ、証拠方法として、甲第1ないし第14号証を提出した。

本件商標はカタカナ文字部分から「ボクス」の称呼を生ずるものである。

また、そのローマ字部分「BOX」は英語の入門時に習う基本単語であり、英語を習ったことのない人でも知っている極めて簡単な語であって、わが国では一般的に「ボックス」又は「ボクス」と発音されている。

ところで、称呼「ボックス」と「ボクス」は、第一音の「ボ」に促音を伴うか否かの違いであるが、実際の発音においては殆ど差違はなく、単に表記の相違にすぎないとみるべきほどの僅差であり、これを聴別することは非常に困難である。したがって、引用商標から生ずる称呼「ボックス」及び「ボクス」は、いずれも最も自然な称呼と認定することが妥当であるとすべきである。

一方、引用商標「BOXX」から生ずる最も自然な称呼もまた「ボックス」又は「ボクス」であることは明らかである。請求人の知る限り、「xx」で終わる英語の単語は無いが、「x」で終わる単語は例外なく「(発音記号の)ks(クス)」と発音される(甲第4号証)。また、米国最大の総合石油会社 Exxon Co.の著名な商標である「エクソン」の綴りは「Exxon」であり、「xx」は「(発音記号)ks」と発音されている(甲第5号証)(ちなみに、この場合には「xx」の後に母音が続くため、該部分の発音は「クソ」となることを申し添える。)。さらに、過去の審決においても商標「ZAXXON」より生ずる称呼は「ザクソン」であると認定されている(甲第6号証)。すなわち、「xx」の発音は、「x」と同じく「(発音記号の)ks」と発音され、後に母音の続かない引用商標の「xx」が「クス」と発音されることは疑う余地がない。したがって、引用商標から「ボックス」又は「ボクス」の称呼が生ずることは明らかである。

したがって、本件商標及び引用商標の称呼は共に「ボックス」又は「ボクス」であるとすべきであるから、両者は称呼上類似する商標であるとすべきである。

以上述べたごとく、本件商標は、先願・先登録の引用商標に明らかに類似するものであり、かつ、その指定商品において抵触するものであって、商標法第4条第1項第11号に違反して認められたものであるから、その登録は同法第46条第1項の規定に基づいて無効とすべきである。

4 被請求人の答弁

被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として乙第1ないし第4号証を提出した。

本件商標と引用商標は、その構成前記したとおりであって、その外観は一見して異なるから、称呼、観念の類否につき、以下比較検討する。

本件商標は、「BOX」と「ボクス」の2段構成で(乙第1号証)、「BOX」を「ボクス」と読ませるべく「ボクス」の片仮名が併記されているから、これより「ボクス」の称呼を生ずること自然である。

他方、引用商標は「BOXX」の欧文字構成であるが、「BOXX」なる英単語は辞書にも記載のない造語であること(乙第2及び第3号証)からして、これより生ずる称呼はアルファベット読みに「ビーオーエックスエックス」が自然と思われる。

例えば、「ABCD」とか「WXYZ」のアルファベット4字から生ずる自然な称呼は「エービーシーデー」、「ダブリューエックスワイゼット」であって、引用商標の「BOXX」もこれらとその構成の軌を一にするから「ビーオーエックスエックス」のみの称呼を生じ、他の別なる称呼は一切生じないとされるべきである。

このように、引用商標の「BOXX」が辞書にも記載のない造語である以上、これはアルファベット読みに「ピーオーエックスエックス」とのみ称され取引に資されるから、この称呼に限定されるのである。

したがって、両者から生ずる「ボクス」と「ビーオーエックスエックス」とは、称呼における類似関係は皆無といえる。

さらに、本件商標中の「BOX」は「箱」を意味する平易な英単語として知られているのに対し、引用商標は造語であるから、両者は観念上も別異であること明らかである。

請求人は、「X」で終わる単語は例外なく「(発音記号の)ks(クス)」と発音されるとか「エクソン」の綴りは「Exxon」であり、「xx」は「(発音記号)ks」と発音されていること、審決においても商標「ZAXXON」より生ずる称呼は「ザクソン」であると述べている。

しかし、前記した如く、「BOXX」は既存の英単語でないこと及び「Exxon」や「ZAXXON」とは構成態様が顕著に異なることからして何ら参考には足らないのである。

さらに、本件商標は設定登録時において、請求人からほぼ同じ内容にて異議申立を受けたが、「登録を維持する。」との決定がなされており(乙第4号証)、該決定はまさに正当である。。

以上のとおり、本件商標は引用商標と外観、観念及び称呼のいずれにおいても彼此混同誤認を生ずるおそれはないから、商標法第4条第1項第11号には該当せず、同法第46条第1項の規定に基づき、無効にされるべきものではない。

5 当審の判断

本件商標と引用商標との類否について判断するに、本件商標は、その構成前記のとおり、「BOX」の欧文字と「ボクス」の仮名文字よりなるところ、その仮名文字部分に相応して「ボクス」の称呼を生ずること明らかであり、さらに、その欧文字部分は「箱」を意味する英語として、これに由来する外来語の「ボックス」とともに、日常語化するほど一般によく知られているところでもあるから、「ボックス」の称呼もなお自然に生ずるというのが相当である。したがって、本件商標は、「ボクス」又は「ボックス」の称呼をもって取引に資されるものである。

他方、引用商標は、前記したとおり、「BOXX」の文字よりなるものであるが、該文字は、特定の読みをもって親しまれた外国語を表したものとはみられないことから、これが称呼される場合、わが国において最も普及、浸透している英語読みで称呼されるものとみるのが自然である。

そうすると、該文字中語頭からの3文字「BOX」は、前述のとおり、「箱」を意味する英語として一般によく知られるから、その読みをもって「ボックス」と称呼されるものであり、また、語尾の「X」は、一般に「クス」と読まれるものである。ところで、「X」の文字を2字くり返し「XX」で終わる語の例は親しまれた英単語にはないが、他の文字に目を転ずれば、例えば「add(アッド)」「staff(スタッフ)」「egg(エッグ)」「bell(ベル)」「compass(コンパス)」等のように、語尾部の2字が同一文字よりなる語の例は多く、その場合、それぞれの語尾音は、1字で終わる場合の音と同じに発音されているのが通例であり、また、その多くは、前の母音が短くなるか前音が促音化する傾向がみられ、このことは、わが国における英語の普及度、理解力からみて取引者、需要者は充分認識しているものと認められる。

そうとすれば、「BOXX」の文字よりなる引用商標に接する取引者、需要者は、その語尾部「XX」を「X」1字と同様に「クス」と発音し、その全体を「ボックス」と発音する場合があるといわなければならない。

したがって、引用商標からは、その構成各文字をアルファベット読みした「ビーオーエックスエックス」の称呼が生ずることは否定しないが、その称呼はやや冗長でもあるから、簡易迅速を旨とする取引の実際においては、これを英語読み風に発音した、より簡潔な「ボックス」の称呼をもって取引に資する場合も決して少なくないものと判断するのが相当である。

してみれば、本件商標と引用商標とは、いずれも「ボックス」の称呼を生ずるものであって、その称呼において共通する類似の商標といわなければならない。

つぎに、指定商品の類否について判断するに、本件商標の指定商品中の「配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気式ワックス磨き機,電気掃除機,電気ブザー,磁心,抵抗線,電極」は、引用商標の指定商品「民生用電気機械器具、その他本類に属する商品」に包含されるものである。

したがって、本件商標は、その指定商品中の「配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気式ワックス磨き機,電気掃除機,電気ブザー,磁心,抵抗線,電極」については、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであり、この限りにおいて、同法第46条第1項の規定により無効とすべきである。

しかしながら、本件商標の指定商品中「配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気式ワックス磨き機,電気掃除機,電気ブザー,磁心,抵抗線,電極」を除く残余の商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似のものとはいえないから、これとの関係においては、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものとはいい得ず、この限りにおいては、その登録を無効とすることはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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