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Trademark Appeal Case

防護標章の同一性判断

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成10年審判第1962号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願標章

本願標章は、別紙(1)に表示したとおりの構成からなり、平成4年9月30日に登録出願された平成4年商標登録願第269507号の分割出願とし、第35類「広告,経営の診断及び指導,市場調査,商品の販売に関する情報の提供,広告用具の貸与」を指定役務として平成7年10月18日に登録出願されたもの(平成7年商標登録願第107488号)であるが、その後、同8年3月1日付けで登録第1907025号商標の防護標章登録出願に変更されたものである。

そして、前記登録第1907025号商標(以下「本件登録商標」という。)は、別紙(2)に表示したとおりの構成からなり、昭和53年2月22日に登録出願、第11類「電気機械器具、電気通信機械器具、電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く)電気材料」を指定商品として昭和61年10月28日に設定登録され、その後、平成9年2月27日に商標権存続期間の更新登録がされ、現に有効に存続しているものである。

2 原査定の拒絶理由

原査定は、「本願標章は、防護標章登録出願に係る本件登録商標と構成態様を異にするので同一の標章に出願するものとは認められない。したがって、本願標章は商標法第64条の要件を具備しない。」として、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

請求人は、本願標章と本件登録商標はいずれも「C&C」の構成からなるものであって、「シーアンドシー」の同一の称呼を生ずるものであるから、外観上のデザインの基調を同じくする本願標章と本件登録商標は、商標法の各規定の解釈からみても経済政策的な観点からしても同一とみることができ、著名商標の保護が強化されている商標法からみて当然登録されるべきである旨主張し、証拠を提出している。

しかしながら、本件登録商標が請求人の業務に係る指定商品を表示するものとして需要暑間に広く認識されているとしても、本願標章が防護標章として登録を受けるためには、本件登録商標と同一でなければならないことは、商標法第64条の規定から明らかである。

けだし、防護標章の制度は、商品混同を生ずるおそれがあることを要件として、登録商標の禁止的効力をその指定商品の非類似商品にまで拡大させるものであるから、登録商標の標章と同一の標章、すなわち登録商標の標章そのものでない限り防護標章登録を受け得ないことは、制度の趣旨からして当然というべきである。ただし、この点について、商標法は、第70条第1項に「第64条における「登録商標」には、その登録商標に類似する商標であって、色彩を登録商標と同一にするものとすれば登録商標と同一の商標であると認められるものを含むものとする。」との規定を設けている。この規定は、要するに、標章の構成要素のうち色彩のみが登録商標と同一でないが色彩を登録商標と同一にするならば登録商標と同一となる標章は例外的に防護標章登録を受け得るものとしたものであるから、標章の構成要素のうち「文字、図形若しくは記号若しくはこれらの結合」については、それがいかに登録商標に酷似する標章であっても、登録商標と同一でない限り防護標章登録を受け得ないことは疑いの余地がない(東京高等裁判所平成元年7月27日言渡、平成元年(行ケ)第77号及び同第78号判決参照)。

これを本件についてみるに、本願標章は、別紙(1)に表示したとおり、ゴシック体で「C&C」の文字を大きく横書きし、その下部にこれより小さく「for Human Potential」の文字を横書きしてなるのに対し、本件登録商標は、別紙(2)に表示したとおり、肉太のゴシック体で「C&C」の文字を横書きしてなるものであるから、両者は、「C&C」の文字部分の文字の太さ及び形状を若干異にするのみならず、「for Human Potential」の文字の有無という外観上明らかな差異を有し、商標法第64条第1項にいう「同一の標章」とはいえないものである。

したがって、本願標章が商標法第64条に規定する要件を具備しないとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、これを取り消すべき限りでない。

なお、請求人が挙げる判決例は、防護標章登録出願に係る登録商標と使用に係る標章との同一性又は補正に係る商標の同一性について判断したものであって、防護標章登録を受けようとする標章と防護標章登録出願に係る登録商標との同一性について判断したものではなく、本件とは事実を異にするものであるから、本件の判断に影響を及ぼすものではない。

よって、結論のとおり審決する。

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