sokuhyo

Trademark Appeal Case

宗教団体名の出所混同

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2000−21101(T2000−21101/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1.本願商標

本願商標は、「東本願寺」の文字を縦書きしてなり、第3類「せっけん類,植物性天然香料,動物性天然香料,合成香料,調合香料,精油からなる食品香料,薫料,化粧品,歯磨き」、平成8年6月28日に商標登録出願されたものである。

2.原査定の拒絶の理由

本願商標は、京都市下京区烏丸七条在の「真宗大谷派」の通称を表すものと認識される「東本願寺」の文字を書してなるものですから、これをその指定商品に使用するときは、あたかも真宗大谷派の取扱いに係る商品であるか、あるいは同人と何らかの関係を有する者の取扱いに係る商品であるかの如く、商品の出所について誤認、混同を生ずるおそれがあり、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。

3.当審の判断

本願商標は、「東本願寺」の文字よりなるものであるところ、当該「東本願寺」の文字は、一般世人の間に、京都市下京区烏丸七条所在の「真宗大谷派」の通称として認識されているものと認められる。このことは、真宗大谷派(債権者)と請求人(出願人)の代表役員の地位にある大谷光細(債務者)との間の名称等使用禁止仮処分申請事件(昭和63年(ヨ)第1652号)の決定(昭和63年11月11日、東地民9)において、「『東本願寺』との部分は、・・・によれば、債権者の通称であって、しかも、その宗教法人としての正式名称以上に社会に通用している通称であることが明らかであり、・・・」とされていることからも認め得るものである。

そうとすれば、本願商標は、これに接する者により、真宗大谷派を表したものとして理解、認識されていたものとみるのが相当である。

また、宗教団体等は、葬祭用具、ふくさ、あるいは出版物等の種々の商品の取引に関係する場合の多いことが知られているところである。

してみれば、本願商標を請求人がその指定商品に使用する場合、現時点はもとより、本願の出願時において、真宗大谷派の取扱いに係る商品であるか、あるいは同人と何らかの関係を有する者の取扱いに係る商品であるかの如く、商品の出所について誤認、混同を生ずるおそれがあるものといわざるを得ない。

したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものであるから、その出願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すべき限りでない。

なお、請求人(出願人)は、前出名称等使用禁止仮処分申請事件の決定等が存すること、「浄土真宗東本願寺派」及び「浄土真宗東本願寺」の商標が登録を認められたことを根拠として、本願商標が充分な登録性を具有している旨主張するが、本件は、本願商標が一般世人の間に「真宗大谷派」の通称として認識されることにより、出所の混同を生じさせるおそれがあるか否かが商標法上問われているものであり、当事者間で「浄土真宗東本願寺派」の名称使用が許容されるか否かには直接的に左右されるものではなく、また、前記商標は、本願商標とその構成態様が相違し、事案を異にするものである。

よって、結論のとおり審決する。

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