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Trademark Appeal Case

著名商標の混同

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2000−14882(T2000−14882/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「WATERMAN」の文字を標準文字により横書きしてなり、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物(「靴合わせくぎ,靴くぎ, 靴の引き手,靴びょう,靴保護金具」を除く),仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く)」を指定商品として、平成11年9月8日に登録出願され、その後、指定商品については平成12年7月11日付手続補正書により「被服,履物(「靴合わせくぎ,靴くぎ,靴の引き手,靴びょう,靴保護金具」を除く),仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く)」と補正されたものである。

2 当審における拒絶の理由の要旨

本願商標は、標準文字にて「WATERMAN」の欧文字を書してなるところ、該文字がフランスの「ウオーターマン社」によって商品「万年筆」に使用され、本願商標の出願前より我が国において取引者、需要者間に広く認識されているものであることは、例えば、「男の一流品大図鑑'99年版」(株式会社講談社・1998年11月20日発行、151頁及び213頁)、「世界の一流品大図鑑'85年版」(株式会社講談社・1985年5月25日発行、251頁及び358頁)、「世界の一流品大図鑑'98年版」(株式会社講談社・1998年5月30日発行、270頁及び356頁)及び「文房具図鑑」(株式会社ステレオサウンド・昭和59年4月30日発行、65頁及び66頁)等より認められ、その状態は現在においても継続しているというのが相当である。してみれば、前記事実に加えて、企業における多角経営の進展や経営規模の拡大の傾向が著しい昨今の産業界の実情を勘案すれば、請求人が本願商標をその指定商品について使用するときは、これに接する取引者、需要者は、「ウオーターマン社」又は該者と何らかの関連を有する者の業務に係る商品であるかの如く、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。したがつて、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。

3 請求人の意見の要旨

(1)現在の日本国内において「万年筆」と聞いてすぐさま且つ明確に「ウオーターマン社」を連想する人はごく稀であり、通常、「万年筆といえばウオーターマン社」と連想されることは、まずないと言うことができ、逆に「ウオーターマン」を耳にした場合に直ちに「万年筆のウオーターマン社」を想起する者も少ないと言える。

(2)当該「ウオーターマン社」の商品(万年筆)が掲載されているとして挙げられている上記の各図鑑は、広い範囲で出回っている訳ではなく、高級品指向の一部の者しか目にしないものと思われる。従って、この「ウオーターマン社」の商標は、現在の日本国内においては、広く知れ渡っていると言うことはできないとみるのが至当である。

(3)「企業における多角経営の進展や営業規模の拡大の傾向が著しい昨今の産業界の実情を勘案すれば...」とのことだが、一般的にそのようなことが言えたとしても、それがそのまま全ての企業に当てはまるという訳ではない。即ち、長年に亘って万年筆のみを扱ってきていると考えられる「ウオーターマン社」については、多角経営の如き徴候を認めることができない。従って、本件の場合に、「請求人(出願人)が本件商標をその指定商品について使用するときは、これに接する取引者、需要者は『ウオーターマン社』又は該者と何ら関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。」とするのは誤りである。

(4)現在の日本国内においてはウオーターマン社より著名と考えられる万年筆メーカーである「パーカー社」、「株式会社パイロット」、「セーラー万年筆株式会社」の各社の社名に関し、同社らと関係のない第三者により登録を受けている例が、本願と同じ第25類に関連する区分では4件あり、更に、第25類以外で、「WATERMAN」の登録が、ウオーターマン社以外の名義でなされている例が2件もある。

以上の理由により、今回の認定には承服できない。

4 当審の判断

(1)平成13年3月9日付けで通知した前記2の拒絶理由は、妥当なものと認められる。

請求人の意見は次の理由で採用できない。

(ア)請求人の意見(1)及び(2)について

請求人は、拒絶の理由中に掲げた各図鑑は、広い範囲で出回っている訳ではなく、高級品指向の一部の者しか目にしないとして、「ウオーターマン」を耳にした場合に直ちに「万年筆のウオーターマン社」を想起する者も少ない旨述べているが、該図鑑は、これをもって広く知れわたらせるものではなく、永年にわたって世界的な一流品として知られているものを収集して掲載されているものであり、一部の者しか目にしないものであったとしても、特に昨今の高級ブランド志向の傾向を勘案した場合、永年にわたって世界的な一流品として扱われているものであれば、我が国においても取引者、需要者間に広く認識されているとみるのが相当である。

(イ)請求人の意見(3)及び(4)について

請求人は、「ウオーターマン社」について多角経営の如き徴候を認めることができない旨述べているが、「ウオーターマン社」自信が現在、他業界に進出していないとしても、「ウオーターマン社」が属する万年筆を扱う業界においても、例えばセーラー万年筆株式会社が、産業用ロボット事業に参入している等の事実からすれば、請求人が本願商標をその指定商品について使用するときは、これに接する取引者、需要者は、「ウオーターマン社」又は同人と何らかの関連を有する者の業務に係る商品であるかの如く、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるといわざるを得えない。

更に、請求人は過去の登録例を挙げて種々述べているが、過去に登録された事例があるとしても、それらの商標が出所の混同をきたすおそれはないと考え得る事情の存在が立証されている訳でもなく、そのような登録例があるというだけでは、本願商標についての前記した判断を左右することにはならない。

(2)したがって、本願商標は商標法第4条第1項第15号に該当するものであるから、本願商標は、登録すべきものとすることはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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