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Trademark Appeal Case

「プライマリ」の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成10年審判第6912号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「プライマリ」の文字を横書きしてなり、第9類「電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気掃除機,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,電池,電線及びケーブル,配電用又は制御用の機械器具」を指定商品として、平成8年8月9日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、『一次』を意味する英語『primary』に通ずる『プライマリ』の文字を書してなるから、これをその指定商品中『一次記憶装置(primary storage),一次電池(primary cell),一次継電器(primary relay),一次巻線(primary winding),一次電力ケーブル(primary power cable)』等の前記文字に照応する商品に使用するときは、単に商品の品質を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,電池,電線及びケーブル,配電用又は制御用の機械器具に使用するときは商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は「プライマリ」の文字を書してなるが、これは我が国でも親しまれた英語の「primary」の語に通じるものと容易に認識し得るところ、英語の「primary」の語に、たとえ、「首位の」、「第一次の」、「第一位の」、「主要な」、「最初の」、「初期の」、「小学校の」、「初歩の」、「構成要素的な」等の意味があるとしても、「小学館ランダムハウス英和大辞典第二版(発行所 株式会社小学館)」によれば、「〔電気〕一次の〈回路・コイル・巻き・電流・電子など〉:the〜current〔coil〕一次電流〔コイル〕」の記載があり、また、「研究社新英和大辞典第5版(発行所 株式会社研究社)」によれば、「〔電気〕一次の:a〜current一次電流。」の記載がある(請求人提出の甲第1号証の辞書にも、ほぼ同様の記載がある。)ことからすれば、本願の指定商品と密接な関係を有する電気の分野においては、「一次の」の語義をもって使用される語とされていることが認められる。

そして、本願の指定商品を取り扱う専門分野をみた場合においても、例えば、「マグローヒル科学技術用語大辞典改訂第3版(発行所 株式会社日刊工業新聞社)」によれば、電源から電力を受け取り、電磁誘導により二次回路に伝達する結合コイルあるいは回路の集合体の一つである「一次回路」を「primary circuit」と、計算機の主内部記憶装置である「一次記憶装置」を「primary storage」と、一連の動作の初めの動作をつくり出す継電器である「一次継電器」を「primary relay」と、誘導コイルまたは変圧器の入力コイルである「一次コイル」を「primary coil」と、単層あるいは多層構造の一次電池である「一次電池」を「primary battery」と、外部の電力源を主スイッチと計量装置に接続する電力ケーブルである「一次電力ケーブル」を「primary power cable」と、信号源や電源から信号エネルギーまたは交流電力を受け取る変圧器巻線である「一次巻線」を「primary winding」と称する旨が記載されている。さらに、このほか、「英和コンピュータ用語大辞典第2版(発行所 日外アソシエーツ株式会社)」にも、「一次記憶装置」を「primary storage」と、「JIS工業用語大辞典第4版(発行所 (財)日本規格協会)」にも、「一次電池」を「primary battery」と、「一次巻線」を「primary winding」と、「英和独露電気術語大辞典(改訂3版)(発行所 株式会社オーム社)」にも、「一次電池」を「primary battery」又は「primary cell」と、「一次回路」を「primary circuit」と、「一次コイル」を「primary coil」と、「一次継電器」を「primary relay」と、また、「商品大辞典(発行所 東洋経済新報社)」にも、「1次電池」を「primary cell」又は「primary battery」と称する旨の記載があるところである。

してみれば、英語の「primary」の語に通じる本願商標を、その指定商品中、いずれも「primary〜」と称される「一次回路」、「一次記憶装置」、「一次継電器」、「一次コイル」、「一次電池」、「一次電力ケーブル」及び「一次巻線」に使用したときは、取引者又は需要者をして、それが「一次回路」、「一次記憶装置」、「一次継電器」、「一次コイル」、「一次電池」、「一次電力ケーブル」又は「一次巻線」としての上述の如き商品の品質を認識するにとどまり、自他商品の識別標識としては機能し得ないとみるを相当とする。また、これを、その指定商品中、一次回路以外の回路、一次記憶装置以外の記憶装置、一次継電器以外の継電器、一次コイル以外のコイル、一次電池以外の電池、一次電力ケーブル以外の電力ケーブル及び一次巻線以外の巻線に使用したときは、恰も前述の「一次回路」等の「一次〜」の商品であるかの如く、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるものと認める。

したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であり、これを取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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