Trademark Appeal Case
「御用達」の品質表示該当性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成10年審判第20486号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本願商標
本願商標は、「大本山永平寺御用達豆腐」の漢字を縦書きしてなり、第29類「豆腐,胡麻どうふ」を指定商品として、平成8年12月16日登録出願されたものである。
第2 原査定の拒絶の理由の要点
本願商標は、福井県にある曹洞宗大本山永平寺の許可を得て納めている豆腐の意を認識させる「大本山永平寺御用達豆腐」の文字を書してなるものであるから、指定商品に使用しても、商品の品質を表示するものである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
第3 請求人の主張の要点
1 請求の趣旨
原査定を取り消す、本願商標は、登録すべきものとする旨の審決
2 請求の理由
(1)本願商標「大本山永平寺御用達豆腐」は、全体として大本山永平寺と特別の人的関係にある御用商人が取り扱う豆腐あるいは胡麻豆腐というイメージを醸し出す。
すなわち、本願商標「大本山永平寺御用達豆腐」が付された「豆腐」「胡麻豆腐」には、大本山永平寺と特別の人的関係にある業者が製造した安心できる商品であるとの品質保証がなされている。その意味で、本願商標は、品質機能がある。
したがって、本願商標は、特定の業者によって提供された商品であることを示す出所表示機能のある商標であり、商標法第3条第1項第3号に規定する品質表示に該当しない。
(2)商標法第3条第1項第3号にいう「商品の品質」とは、使用目的に適合する商品の質的特性であって、社会通念上当該商品が一般に備えていると需要者に認知されている共通の資質を意味する(東京高裁昭和39年(行ケ)138号昭和40年4月27日判決)。
しかして、本願商標は、需要者の社会通念上、その指定商品との関係において観念される商品一般が有する共通の品質、効能、形状等をいうものとは全く無関係であって、それは、大本山永平寺と本件請求人(出願人)との特別な人的関係がある事実を表示している。
してみれば、本願商標は、商品の品質を表示した標章のみからなる商標に該当しない。
却って、「大本山永平寺御用達豆腐」と適法に允可を受けた本件請求人は、全く允可を受けていない競業者が本願商標と同一又は類似の商標を使用する不正競争行為から保護されるべきであり、競業秩序を確立して不正競争を防止しようとする商標法の趣旨に適合する。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当しない。
第4 当審の判断
1 本願商標の識別性について
(1)本願商標は、「大本山永平寺御用達豆腐」の漢字を縦書きしてなるところ、その構成中、前半部の「大本山永平寺」の文字は、福井県にある曹洞宗の大本山永平寺を、中間部の「御用達」の文字は、「許可を得て納めている、御用商人」を、後半部の「豆腐」の文字は、本願指定商品の関係では、商品の普通名称である「豆腐」を認識させるものである。
そうすると、上記各文字を「大本山永平寺御用達豆腐」と一連に表示した本願商標は、全体として「大本山永平寺の許可を得て、同寺に納めている豆腐製造業者が造った豆腐」の意味合いを生ずるものであって、本願商標をその指定商品「豆腐,胡麻どうふ」に使用するときは、「大本山永平寺の許可を得て、同寺に納めている豆腐製造業者が造った豆腐と同じ豆腐」であること、すなわち、商品「豆腐」の品質を表示したものとみるのが相当である。
そして、請求人も請求書において『本願商標「大本山永平寺御用達豆腐」が付された「豆腐」「胡麻豆腐」には、大本山永平寺と特別の人的関係にある業者が製造した安心できる商品であるとの品質保証がなされている』と記載しており、請求人においても、本願商標が、その内容に照らして、その指定商品「豆腐,胡麻どうふ」の品質を表示したものであることを自認しているところである。本願商標が商品の品質表示に該当しないとする請求人の主張は、理由がない。
(2)請求人は、「大本山永平寺御用達豆腐」と適法に允可を受けた本件請求人は、全く允可を受けていない競業者が本願商標と同一又は類似の商標を使用する不正競争行為から保護されるべきであると主張する。
しかしながら、登録出願された商標が、商標法第3条第1項各号に掲げる商標に該当するときは、商標登録を受けることができないものであり、本願商標は、前示のとおり商品の品質を表示したものであり、商標法第3条第1項第3号に該当するから、請求人の主張する事由をもって、拒絶の理由を免れることはできない。
(3)請求人が本願商標を登録すべきものとして挙示する審決等の例は、本件と事案を異にするものであるから、本件には適切な例とはならない。
2 結語
以上のとおりであり、本願商標は商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、本願を拒絶した原査定は、取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
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