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Trademark Appeal Case

「電子印鑑」の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成11年審判第1533号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「電子印鑑」の文字を横書きしてなり、平成8年4月9日に登録出願、指定商品については、平成10年10月5日付の手続補正書をもって、第16類「印章」と補正したものである。

2 原査定の理由

原査定は、「本願商標は、『デジタル署名』の意を認識させる『電子印鑑』の文字を普通に用いられる方法で書してなるものであるから、これをその指定商品中上記文字に関連する商品に使用するときは、単に商品の品質を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、「電子印鑑」の文字よりなるところ、該文字は「電子(形式)の印鑑」の意味合いを容易に想起させるものである。

しかして、本願指定商品と関連する電子認証の分野においては、例えば「電子印鑑システム」の語について、株式会社エスクメディア2000年10月4日初版発行「パソコン用語事典2001年版」595頁には、「パソコンで作成した文書に、画像データ化した印鑑を捺印できるソフトウェア。代表的なものにシャチハタの『パソコン決裁』がある。『パソコン決裁』では、印鑑のデータをドラッグ&ドロップするだけでExcelなどで作成したファイルに挿入できる。また、複数の印鑑を使い分けることもでき、認印のコピーを防ぐセキュリティ機能もある。」として、また、株式会社秀和システム2000年10月1日第2版発行「標準パソコン用語事典」348頁には、「パソコン上で押印を可能にした、アスキーネットワークテクノロジーとシャチハタ工業社によるシステム。セキュリティ機能も持つため、ネットワーク環境下での利用も可能。」として項目立てて紹介されている。

また、株式会社ジー・サーチの提供に係る「G−Searchの新聞情報データベース」をみるに、1996年(平成8年)10月21日付け朝日新聞東京夕刊17頁の「暗号のカギは2つの素数RSA方式」と題する記事中には、「〈デジタル署名〉通信相手を確認するためのもの・・・電子印鑑などとも呼ばれている。」との記載が、1999年(平成11年)1月7日付け朝日新聞名古屋朝刊10頁の「看板商品を捨てる(3)」と題する記事中には、「パソコンの画面上の書類に朱色のハンコをポン、通信回線で上司に送る−そんな電子印鑑ソフト『パソコン決裁』を印鑑メーカーのシャチハタ工業がつくった。・・・一本一万円前後。」との記載が認められる。

さらに、いわゆるインターネットにより情報を公開しているサイトをみると、例えば、http://www.hokubu.co.jp/hokubu/b_image1.htmlの北部通信工業株式会社の「電子印鑑・押すみつき」の商品説明中に、電子署名及び認証セキュリティーシステムに使用されるパソコン画面上に印影を押すために用いられる印章形ハードウェアキーを、「電子印鑑」と称して、「マウスで押印する製品と違って電子印鑑そのものに認証情報がセットされ・・・不在時には印鑑だけを保管することも出来ます。」との紹介が認められる。

してみれば、パソコン上での押印を可能とするソフトウェア(いわゆる電子印鑑システム)が販売されている事実、当該システムに用いられるハードウェアキーを「電子印鑑」と称している事実が認められる。

上記実情からして、「電子印鑑」の文字よりなる本願商標をその指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、あたかも「電子印鑑システムに用いられる商品」であるかの如く、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。

したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第16号に該当し、登録することができない。

よって、結論のとおり審決する。

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