Trademark Appeal Case
地名と販売地の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成11年審判第4100号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「上高地」(標準文字による商標)の文字を横書きしてなり、第16類「紙類,文房具類(「昆虫採集用具を除く」)」を指定商品とし、平成9年5月7日登録出願されたものである。
2 原査定の理由
原査定は、「本願商標は、長野県の著名な観光地のひとつである『上高地』の文字を普通に用いられる方法で書してなるものであるから、これをその指定商品に使用しても、単に商品の産地・販売地を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定判断して、本願を拒絶したものである。
3 請求人の主張の要旨
本願の指定商品は、「紙類、文房具類」であり、「上高地」といわれる地域は「紙類、文房具類」の生産地としては知られてはいない。また、この地域は観光地であるから、この中の売店や土産屋で、「紙類、文房具類」に相当する商品を販売していることもある。しかしながら、これは商標法の想定する「産地、販売地」ではない。本願商標の拒絶理由の根拠条文である商標法第3条第1項第3号の趣旨は、当該商標が自他商品識別機能を有さないためか、当該商標が特定の人に独占させることが公益上妥当でないため登録を拒否するものである。この観点から本願商標「上高地」を検討すれば、自他商品識別機能を有しており、さらに公益上の理由も見あたらない。
4 当審の判断
本願商標は、「上高地」の文字を横書きしてなるところ、該文字は、長野県北西部の観光地として広く一般に知られているものである。また、多くの観光地においては「便せん、封筒、しおり、鉛筆、ボールペン、消しゴム、シール、定規、状差し、ステッカー、筆立て」等の本願指定商品に属する商品が、観光客目当ての土産品として販売され、それらにはその観光地の名称が表記される場合が少なくない。
そして、このような実情からすると、本願商標は、その指定商品について使用した場合、単に商品の販売地を表示するものと需要者に理解されるに止まり、自他商品の識別標識としての機能を有しないものと判断するのが相当である。
そうすると、本願商標は、その指定商品について、販売地を表示する標章のみからなる商標というべきである。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとしてその出願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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