Trademark Appeal Case
部品ライブラリの識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成11年審判第6464号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、願書に記載の商標登録を受けようとする商標(標準文字による商標)のとおり「部品ライブラリ」の文字を横書きしてなり、第9類に属する商品を指定商品とし、平成9年6月13日に登録出願、その後指定商品については、原審における同10年11月11日付手続補正書をもって、第9類「電子計算機用プログラム及び電子計算機用データを記憶させた記録媒体」と補正しているものである。
2 原査定及び当審における拒絶の理由
(1)原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、指定商品を減縮補正しているが、補正後の指定商品との関係においても、なお、全体として『標準化された部品』を認識させるから、これをその指定商品に使用するときには、単に商品の品質・材料を表示するにすぎず、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断して本願を拒絶したものである。
(2)当審における拒絶の理由
この商標登録出願に係る商標(以下「本願商標」という。)は、「部品ライブラリ」の文字を書してなるところ、その構成中の「ライブラリ」の文字は、本願の指定商品を取り扱うコンピュータソフトウエア関連の業界においては、プログラムを構成する種々の断片的なプログラム(例えば、画面に文字を出す機能、キーボードから1文字入力する機能、といった具合に主に機能単位)をたくさん集めて、選んで使えるようにひとまとまりに纏めたものというような概念として、一般的に用いられている語であり、また、このとき、「部品」の文字についても、その断片的なプログラムを意味し又は指称する語として用いられている事実が認められる。
そして、特に建築や電子回路の設計を行うCADシステムとの関連においては、電子部品や建築部品等のデータを格納し、コンピュータ画面上で設計を行うためのプログラムを「部品ライブラリ」と称し、これをCD−ROM等の記録媒体に格納したもの、あるいは、インターネットを通じたダウンロードにより、有償・無償で取引者・需要者に提供されている事実が、下記の情報技術に関連する新聞記事データベース情報及びインターネット情報における記載又は表示により認められる。
してみれば、本願商標をその指定商品中の「CAD用の電子計算機用プログラム及びCAD用の電子計算機用データを記憶させた記録媒体」に使用した場合、これに接する取引者・需要者は、前記事情よりして、該商品の品質(機能)を表示したものと理解するに止まり、自他商品の識別標識とは認識し得ないものとみるのが相当である。また、これを前記商品以外の商品について使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。
請求人は、本願商標と同一称呼を生ずる他の出願(商願平9-129201及び同
9-12702)が本願の指定商品を含む商品を指定し登録されている旨主張しているが、これら商標は、「Buhin Library」の文字又は「Buhin Library」の文字と図形よりなるものであって、何れも、本願商標とは構成態様を異にし、必ずしも本件事案の登録の可否を判断する基準とするのは適切でないから、「部品ライブラリ」の文字の使用事実に基づいて具体的に認定した上記判断を左右するものではない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
記
1.日刊工業新聞記事抜粋
(1)2000.4.25 日刊工業新聞 17頁
ウエブ・ツー・キャドジャパンは、CAD部品ライブラリーの無償提供に乗り出した。・・・同社がスタートしたのはCAD部品ライブラリーのフリーソフト「パワー・パーツ・・・すでに、CD―ROMだけでなく、インターネット(http://www.web2cad.co.jp)によるデータの提供も行っており、今後もデータ数や部品メーカー数、配布枚数の拡大を図っていく方針。
(2)2000.4.11 日刊工業新聞 15頁
日立造船情報システムは、主力の3次元金型製造向けCAD/CAMシステム「スペース―E」の機能アップに乗り出すと発表した。第1弾として金型設計製造システム「モールド」と、構造解析システム「アシスト」を追加、7月から発売する。・・「モールド」は主要メーカーの部品ライブラリーを搭載・・・。
(3)2000.2.24 日刊工業新聞 15頁
富士通とマイクロソフトは、製造業の設計・開発部門の情報化を支援する「ナレッジ・ポータル・ソリューション」を3月から販売すると発表した。・・・ナレッジ・ポータル・ソリューションは、富士通が4月から提供する予定のインターネットによる部品ライブラリ「サイバーパーツ」、マイクロソフトのサーバ管理ソフト「バックオフィス・サーバー・ファミリ」などで構成する。・・・
(4)1997.8.1 日刊工業新聞 11頁
松下電子工業と松下電器産業は電子部品実装の際に必要な電子部品ライブラリーの作成時間を四分の一に短縮できる電子部品記述仕様を公開する。・・・
(5)1996.4.4 日刊工業新聞 10頁
日本ヒューレット・パッカードは、パソコン上で稼働する高周波回路設計用のEDAソフトウエア「シリーズIV/PC」を発売した。・・・回路図、線形・非線形回路シミュレーター、部品ライブラリー、解析結果表示などの機能を一つのツール上に統合しているため、移動体通信端末などの商用無線機器の設計エンジニアの生産性を向上できる。
(6)1996.2.27 日刊工業新聞 10頁
創和設計は、ウインドウズ3・1以上で稼働するプリント配線板の設計見積りソフト「アシストセイバー」を四月中旬に発売する。・・・百五十種、七百個の部品ライブラリーを標準装備している。
(7)1995.7.3 日刊工業新聞 13頁
セイコー電子工業は、二次元CADで行っている金型の構造設計が三次元CADのソリッドモデラーでできる金型設計支援ソフトを商品化、発売した。・・・次期バージョンでは、二次元対応の穴開け加工データ作成ソフトを新ソフトと連動させる。部品ライブラリーも増やす。
2.インターネットホームページ情報
(1)http://rd.vector.co.jp/soft/dos/business/se019484.html
LIB2CE 部品ライブラリ CEファイルコンバータ
●MS-DOS●汎用●フリーソフト
回路図エディタCEのライブラリの内容を実際の記号で知ろうとすると、従来はCEを起動して一つ一つGetするしかありませんでした。LIB2CEはこの作業を自動で行うものです。処理対象の部品ライブラリに含まれる部品を CEVer.xの1600×1200の図面に整列させます。
(2)http://nmc.nikkeibp.co.jp/kiji/ts536e.html
富士通,CAD「ICAD/MX-AD」の新版を発売 部品ライブラリやシミュレーション機能を強化
富士通は,2次元/3次元の混在設計を可能にするCAD「ICAD/MX-AD」の新版であるバージョン30レベル13を発売した。出荷は5月中旬で,価格はいままで通り168万円。主な機能強化点は,3次元部分ではワイヤフレーム機能の強化とワイヤに面を張るといったサーフェス機能の強化,2次元部分では図面に可変のパラメータを埋め込めるパラメトリック設計機能と部品ライブラリ。部品パラメトリックのオプション価格は10万円,部品ライブラリは15万円。
3 当審の判断
当審において、請求人(出願人)に対し、改めて示した上記2(2)の拒絶の理由、すなわち、当審において、改めて証拠調べを行った結果、本願商標をなお、商標法第3条第1項第3項及び同法第4条第1項第16号に該当すべきものとする拒絶の理由に対し、請求人からは所定の期間を経過するも何らの応答もなかった。
そして、上記拒絶の理由は、妥当なものであって、本願商標は、この理由により拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。