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Trademark Appeal Case

自動車関連商品の類似性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成10年審判第12088号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1.本願商標

本願商標は、「SCRAMBLE」「スクランブル」の文字を上下二段に書してなり、第12類「自動車並びにその部品及び附属品,自動車用のエンジン,その他の陸上の乗物用の動力機械器具,自動車用のサスペンション,その他の陸上の乗物用の緩衝器,ばね,陸上の乗物用の軸,軸受け,軸継ぎ手,ベアリング,陸上の乗物用の動力伝導装置,陸上の乗物用の制動装置,陸上の乗物用の交流電動機又は直流電動機,乗物用盗難警報器」を指定商品として、平成7年2月21日に登録出願されたものである。そして、指定商品については、同10年5月12日付け提出の手続補正書をもって、第12類「自動車並びにその部品及び附属品」と補正されたものである。

2.原査定で引用した商標

原査定において、本願商標の拒絶の理由に引用した登録第4140054号商標(以下「引用商標」という。)は、「スクランブル」の文字を書してなり、第9類「理化学機械器具,測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,眼鏡,ロケット,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気式ワックス磨き機,電気掃除機,電気ブザー,消防艇,消防車,自動車用シガーライター,磁心,抵抗線,電極,犬笛」を指定商品として、平成6年12月22日登録出願、同10年4月24日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

3.請求人の主張要旨

(1)商品「自動車」と商品「消防車」が非類似である理由

商品の販売流通経路の相違について述べるに、商品「自動車」は、請求人等の自動車製造会社によって種々の自動車が製造され、その製造された自動車は、全国各地に存在する自動車を取り扱う販売会社を通じて、最終消費者である一般需要者に販売される仕組みの商品である。

一方、商品「消防車」の場合は、その販売流通経路、需要者は自動車とは著しく異なるものである。即ち、商品「消防車」はその機能として車両に架装する消防用設備が最も重要な部分であって商品「消防車」の商品価値を決める要因となること、更に、消防用ポンプ等消防設備の核となる部分は、請求人等の自動車製造会社が開発及び製造することが困難であることから、消防ポンプ製造者が手掛けており、そして商品「消防車」は請求人のような自動車製造会社が製造する車体に、消防ポンプ製造者が消防設備を架装することにより完成商品となり、流通経路にのるものである。

(ア)生産部門

商品「自動車」は、自動車製造会社が生産するのに対し、商品「消防車」は、自動車製造会社が車体を消防用ポンプメーカーに供給し、消防用ポンプメーカーが消防車として完成させるものであるから、生産者は一致しない。

(イ)販売部門

商品「自動車」の場合、原則的には、各製造会社が販売代理店契約を締結する自動車販売会社が販売を請け負い、製造部門と販売部門とが分離しているのが一般的である。一方、商品「消防車」の場合は、上述の通り、消防ポンプメーカーが製造と販売とを行っているのが一般的であるから、商品「自動車」と商品「消防車」との販売部門が一致することはない。

(ウ)用途

商品「消防車」の場合、「消火」という用途に尽きるものであるが、商品「自動車」の場合、その用途は、所有者により様々あり得るものの、少なくとも経験則から「消火」の用途は考えられないから、両者の用途は一致しない。

(エ)需要者

商品「消防車」の需要者は、地方自治体等に限定されているが、商品「自動車」の需要者は国民一般を対象とするため、理論上重複することはない。しかしながら、上述のとおり、販売流通経路が著しく異なるため、実体的には両者間には商品出所の混同が生じる接点はない。

(オ)原材料(構成品)

商品「消防車」は、その機能から「消防用ポンプ」が、商品「消防車」としての価値を与える不可欠な部分であり、通常の「自動車」とは機能において異なる別商品として扱われるものであるから、商品の存在を意義付ける原材料(構成品)は−致しない。

(カ)完成品と部品

商品「消防車」の場合、車体は商品「自動車」である。しかしながら、商品「消防車」の場合、本質的機能を司る部分は消火設備であって、車体ではないから、商品「自動車」と商品「消防車」とは、完成品と部品との関係にない。

(2)商品「自動車の部品及び附属品」と商品「自動車用シガーライター」が非類似である理由

(ア)機能の相違

「自動車用シガーライター」とは、通電したニクロム線が発熱する事で煙草を点火させる装置のことで、主に自動車のインパネの下方部に取り付けられているものである。そもそも、シガーライターは、ハンドル・ホイールといった通常の自動車機能部品とは異なり、自動車必須の構成部品ではなく、また、自動車の本来的機能である「輸送」に貢献若しくは寄与するものではない。むしろ、喫煙用ライターに代替し得るものである。また、「自動車用シガーライター」の如く、「自動車用」との用途限定表示があることを理由に、当該商品は「自動車部品に類似する」との判断は早計であり、個々の商品の本質的機能・用途に着眼して判断すべきである。

(イ)「自動車用シガーライター」の製造シェア

我が国において、自動車用シガーライターの製造シェアは、東海理化電機製作所株式会社、スタンレー電気株式会社並びにナイルス部品株式会社の3社のみから構成されている。また、「自動車用シガーライター」は、取りたてて高度の技術躍進が期待出来ないばかりか、その新商品を期待されている市場でもなく、当該3社以外の製造者が参入する余地は極めて想定し難く、かかる自動車用シガーライターに関する市場の状況からすると、「自動車の部品及び附属品」の製造者が「自動車用シガーライター」を製造することは市場の実態にそぐわず、考えにくいと判断できる。つまり、このような状況下では、製造者の一致は起こり得ないと言わざるを得ないから、「自動車の部品及び附属品」と「自動車用シガーライター」とは一般的な出所混同は生ぜず、また、そのおそれもない互いに非類似の商品である。

(3)以上のように、「消防車」並びに「自動車用シガーライター」は、一般の自動車と比較すると、用途・機能が非常に異なり、また、それぞれの購入者の客層・販売経路等が全く違うものであることから、両商品間には互いに混同を生じるおそれは全くないものである。

4.当審の判断

(1)商標の類否について

本願商標と引用商標の構成は、それぞれ前記のとおりであるから、その構成文字に相応して、共に「スクランブル」の称呼を生じ、これをもって取引に資されるものであるから、両商標は称呼を同じくする類似の商標と認められる。

(2)指定商品の類否について

(ア)昭和35年3月8日通商産業省令第13号による商標法施行規則第3条は、「商標法施行令(昭和35年政令第19号)第1条の規定による商品の区分に属すべき商品は、別表のとおりとする。」と定めているところであり、当該別表によると、「消防車」は、該商品の区分第12類の「輸送機械器具」に属する「自動車」の範ちゅうに入るものとして例示されている。また、「自動車用シガーライター」は前記別表に例示はされていないが、同じく、「自動車の部品及び附属品」の範ちゅうに入るものと解され、取り扱われているものである。さらに、当該別表は、その後、ニース協定の規定に基づく国際分類の採用により、平成3年10月31日通商産業省令第70号をもって改正された結果、「自動車並びにその部品及び附属品」は、第12類に属する商品として例示され、「消防車」及び「自動車用シガーライター」は第9類に属する商品として各々例示されることとなった。

そして、国際分類の下であっても、「政令で定める商品及び役務の区分」と商品及び役務の類似範囲とは別のものであること明らかである(商標法第6条第3項)。

(イ)商品の区分に基づいた「類似商品審査基準(特許庁商標課編集、社団法人発明協会昭和36年10月1日発行)」において「消防車」は、「自動車」の概念に含まれるものとして、必ずしも貨物、あるいは人間を輸送することをその主たる用途、機能としない特殊な車両である散水車、図書館車等を含む他の前記省令に例示されている各種自動車と類似するとしている。また、「自動車用シガーライター」は、平成4年3月23日に改訂された「類似商品・役務審査基準」おいて、法令の定める商品の区分上、第12類の「自動車の部品および附属品」に属するものでないとしても、商品の概念上、この範ちゅうに入り、それらは相互に類似するとしている。このことは、現在の国際分類採用下においても変更はない。

(ウ)ところで、産業上の諸統計の作成に使用されるほか、各企業、業界における商品コードの基準としても利用されている「日本標準商品分類(総務庁編集、財団法人全国統 平成8年9月第3版発行)」(以下「日本標準商品分類」という。)によれば、その序章に記載の如く、商品の用途、機能、材料、成因を基準として類似するものごとに集約し、中分類番号を基本コードとしており、「中分類47−自動車及び二輪自動車(原動機付き自転車を含む。)」中の、「47 1 完成自動車(四輪及び六輪自動車)」に、乗用自動車を始め、消防自動車、救急車、タンク車、じんかい車を含む特殊用途車が同一分類中に分類されているところである。また、「47 8 部品及び附属品」に、ワイパ・アーム・ブレード及びリンク機構、ホーン及びブザー類等の商品と共にシガー・ライターが同一分類中に分類されている。

してみると、「日本標準商品分類」の中分類中に分類されている商品が、必ずしも前記類似商品審査基準と同一にする、いわゆる、類似(範囲)商品の掲載を目的としているものではないとはいえ、前記のとおり、商品の用途、機能、材料、成因を基準として類似するものごとに集約して、現状の取引業界等の商品の生産、流通の実態に合わせるべく作成していることからすれば、「日本標準商品分類」においても、本願商標の指定商品中の「自動車並びにこれらの部品及び附属品」と、引用商標の指定商品中の「消防車、自動車用シガーライター」とは、その概念を同じくし、その範ちゅうに属する商品であるとする点において、前記類似商品審査基準と同じくするといえるものである。

(エ)そして、本願商標の指定商品中の「自動車」と引用商標の指定商品中の「消防車」とは、ガソリン・電気・ガスなどの動力機関を利用した、道路上を動く車という点において、散水車、救急車、バス等と同様であり、また、「消防車」が他の自動車と共に同一の自動車販売業者によって販売されている事実があること、及び消防車を含む自動車の主要な部品と認められるシャシーが同一の自動車製造業者によって製造販売されている事実があること等を考慮すれば、消防車と他の自動車とは、その製造業者、これらを取り扱うディーラー等の取引業者、及び消防車とともに救急車、乗用車を購入するところの地方自治体、民間企業等の需要者を同じくすることのある類似の商品であるといわざるを得ないものである。

(オ)また、本願商標の指定商品中の「自動車の部品及び附属品」と引用商標の指定商品中の「自動車用シガーライター」とは、自動車の部品ごとの用途及び機能において異なるとしても、いずれも自動車を構成する要素(部品)であるという点において同じくするものであり、該「自動車の部品及び附属品」と「自動車用シガーライター」とが同一の業者によって製造あるいは販売されている事実があるところから、その製造業者、取引業者及び需要者等を同一にする場合があるとみるべきであって、両者は類似の商品であるというのが相当である。

(3)結局、本願商標と引用商標とは、商標において類似し、また、上記認定のとおり、本願商標の指定商品中には引用商標の指定商品と類似する商品を含むものといわざるを得ない。

したがって、本願商標は商標法第4条第1項第11号に該当するとして拒絶した原査定は妥当であって、取り消すべき限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

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