Trademark Appeal Case
TrueTypeの識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成10年審判第16130号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、後掲に示すとおり「TrueType」の欧文字を書してなり、第9類「録画済み光学ディスク,録画済みCD―ROMディスク,録画済みビデオディスク及びビデテープ,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント」を指定商品として、平成9年3月3日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は『トゥルータイプフォントの書体の文字を収録した商品』であることを認識させる『TrueType』の英文字を普通に用いられる方法で書してなるものであるから、これを本願の指定商品中、例えば『トゥルータイプフォントの書体の文字を収録した録画済みCD−ROM』等、上記文字に照応する商品に使用するときには、単に商品の品質、内容を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、前記したとおり「TrueType」の文字を書してなるものであるところ、該語(文字)は、例えば、「現代用語の基礎知識2001」によれば、「TrueType(トゥルータイプ)は、パソコン等の画面に表示したり、印刷に使うフォントのひとつで、輪郭線情報を記録したアウトラインフォントの代表的なものである。」旨記載され、また、インターネット提供「アスキーデジタル用語辞典」によれば、「TrueType(トゥルータイプ)は、アウトラインフォントフォーマットのひとつ。Apple社とMicrosoft社が開発した。大きなサイズでもギザギザ(ジャギー)のない美しい文字で画面表示や印刷ができる。MacintoshやWindowsが標準で採用している。日本語用は漢字TrueTypeと呼び、漢字Talk 7.1以降システムに付属している。・・・」旨記載されているように、情報・メディア関連の商品との関係においては、主に、パソコンで使用するフォント(文字態様)の種類名のひとつとして理解され、広く一般に使用されていることが認められる。
そして、この「TrueType(トゥルータイプ)」フォントは、前記に示すように、パソコンのOSに標準的に搭載されているほか、CD−ROM等の記録媒体に当該フォントを記憶させた商品が広く一般に販売・取引されていることは、以下の日本経済新聞各記事により充分窺われるところである。
★大日本スクリーン、ウィンドウズ用新フォント4種(1998.12.22)
【京都】大日本スクリーン製造はウィンドウズ用トゥルータイプフォント「千都フォントライブラリー」シリーズの新書体「ヒラギノ明朝体4・6・8」(一万九千八百円)など四種を発売した。・・・
★キヤノン、95対応フォントなどCD―ROMで発売(1996.05.02)
キヤノンは八日、「ウィンドウズ95版トゥルータイプ」に対応する五十七書体などを収めたCD―ROM「フォントギャラリートゥルータイプ デラックスCD2お買得パック」を発売する。・・・
★富士通、オリジナルフォント、パッケージソフトに(1995.10.18)
富士通はウィンドウズ対応の字体集「フォントシティ・トゥルータイプ・コレクション」を十一月二日に発売する。・・・CD―ROMのみで、標準価格は九千八百円。・・・
★日本IBM、最新OS日本語版を発売――使用メモリー5メガバイト。
(1995.2.17)
日本アイ・ビー・エムは十六日、パソコン用基本ソフト(OS)「OS/2」の最新版「OS/2Warp(ワープ)バージョン3日本語版」を発売した。・・・文字を滑らかに印字する「トゥルータイプ」フォント九書体も備えた。
ところで、本願の指定商品中の「録画済み光学ディスク、録画済みCD−ROM」には、例えば、辞書や書籍等の文字情報を記録した、いわゆる、電子出版物が含まれるものと解されるところ、これらは、主としてパソコンを介し使用されるものであって、そして、これら電子出版物の中には、表示用フォントとして「TrueType(トゥルータイプ)」を格納した商品が実際に販売されていることが、例えば、以下のいわゆるインターネットホームページ情報により認められる。
★CD−ROM版『新潮文庫の100冊』には、表示用のフォント(TrueType)を一書体バンドルする。電子出版物はどうあるべきかを考えていったときに、その回答の一つとし・・(www.voyager.co.jp/EBpress/field/s110.html)
★・・秀英体TrueTypeフォント」を大日本印刷からライセンスを受け,自社製品にバンドルすることとした。秀英体TrueTypeフォントのバンドルは新潮社の電子ブック「新潮文庫の100冊シリーズ」などに続くもの。同社では1月24日・・(www.zdnet.co.jp/macweek/9701/ga0128_expand.)
以上によれば、「TrueType(トゥルータイプ)」の文字(語)は、情報・メディア関連の業界において、パソコン等の画面に表示したり、印刷に使うフォントのひとつで、輪郭線情報を記録したアウトラインフォントの代表的なものであって、該フォントは、パソコンを介して使用する「文字情報を記録した光学ディスク・CD−ROM」等の商品に広く普及しつつあるというのが実情である。そして、「TrueType(トゥルータイプ)」の文字(語)は、この種商品の利用分野において、取引上普通に用いられ、かつ、一般に通用しているものとみるのが相当である。
そうとすれば、本願商標を、その指定商品中、例えば、「TrueType(トゥルータイプ)」の書体(フォント)による文字情報を記録したCD−ROM」について使用した場合、取引者・需要者は、これを商品の品質(機能)を表示したものとして理解するに止まり、自他商品の識別標識とは認識し得ないものというべきであり、かつ、前記商品以外の商品について使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。
してみれば、本願商標は商標法第3条第1項第3号および同法第4条第1項第16号に該当するものといわざるを得ないから、これを理由に本願を拒絶した原査定は、妥当であって取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。