Trademark Appeal Case
防護標章の周知性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成10年審判第17085号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本願標章
本願標章は、「ディック」の片仮名文字を横書きしてなり、第14類「貴金属,貴金属製食器類,貴金属製のくるみ割り器・こしょう入れ・砂糖入れ・塩振出し容器・卵立て・ナプキンホルダー・ナプキンリング・盆及びようじ入れ,貴金属製の花瓶及び水盤,貴金属製針箱,貴金属製宝石箱,貴金属製のろうそく消し及びろうそく立て,貴金属製のがま口及び財布,貴金属製靴飾り,貴金属製コンパクト,貴金属製喫煙用具,身飾品(「カフスボタン」を除く。),カフスボタン,宝玉及びその模造品,宝玉の原石,時計,記念カップ,記念たて,キーホルダー」を指定商品とし、商標登録第875097号商標(以下「原登録商標」という。)の防護標章として、平成9年3月26日登録出願されたものである。
第2 原登録商標
原登録商標は、本願標章と同一の構成よりなり、昭和43年5月9日登録出願、第3類「顔料、その他本類に属する商品」を指定商品とし、昭和45年10月6日設定登録、昭和56年12月25日、平成2年11月26日、同12年4月25日商標権存続期間の更新登録、指定商品については平成12年7月5日第1類「陶磁器用釉薬」、第2類「染料,顔料,塗料,印刷インキ(「謄写版用インキ」を除く。)」、第3類「塗料用剥離剤,靴墨,靴クリーム,つや出し剤」、第4類「靴油,保革油」に書換登録がされているものである。
第3 原査定の拒絶の理由
この防護標章登録出願に係る登録第875097号商標は、自己の業務に係る指定商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものとは認められない。したがって、この防護標章登録出願に係る標章は、商標法第64条の要件を具備しない。
第4 請求人の主張の要点
1 請求の趣旨
原査定を取り消す、本願標章は、登録すべきものとする旨の審決
2 請求の理由
本願標章出願に係る原登録商標「ディック」は、請求人の会社名称「大日本インキ化学工業株式会社」の英文社名表示「DAINIPPON INK AND CHEMICALS,INCORPORATED」の頭文字「DIC」から生ずる称呼「ディック」が会社名として需要者の間に親しまれ使用されてきたものであり、請求人会社の略称として需要者の間に広く認識されている。
原登録商標「ディック」は、遅くとも昭和43年5月9日の登録出願時には、請求人の各種商品を表示する商標として「ディック〇〇〇」(例えば、グラビアインキに使用の「ディックセーフ」、包装用フレキインキに使用の「ディックヒート」)等の使用方法を含めて使用を開始し、以来永年継続して使用してきているものであり、永年継続使用の結果、周知の標章となっている。
したがって、他人が本願標章をその指定商品に使用した場合には、出所の誤認混同を生ずる虞がある。
以上、本願防護標章出願に係る「ディック」標章は、その周知著名性に鑑み、商標法第64条に規定する防護標章出願の要件を具備している。
3 証拠方法
請求人は、意見書に記載のとおり甲第1号証ないし同第9号証、請求書記載のとおり甲第1号証ないし同第11号証を提出した。
第5 当審の判断
当審及び原審査において原登録商標の著名性を立証する証拠として提出された書証をみると、原審査の甲第3号証ないし同第9号証(「Week Diary 1998」、「グラビアインキ事業部総合カタログ」、「応顔事業部カタログ」、新聞広告、雑誌広告、「会社概要」、「会社案内」)に表示されている標章は、ほとんどがデザイン化した「DIC」の文字又は「ディック・エンジニアリング・プラスチックス」等他の標章であり、当審の甲第1号証ないし同第11号証(「信濃毎日新聞」、「野田経済」、「創」、「中部経済新聞」、「実業の日本」、「ダイヤモンド」)に表示されている標章は、デザイン化した「DIC」の文字を大きく表示し、該「C」の文字の開口部に小さく「ディック」と片仮名文字が書された結合標章であって、「ディック」の文字が単独で使用されているものではない。
そうすると、請求人の提出した証拠によっては、原登録商標「ディック」が取引者、需要者の間に広く認識されているとする事実を認めることはできない。その他前記認定を覆すに足りる証拠は発見することができない。
したがって、本願標章は、他人が本願指定商品に使用しても、請求人若しくは同人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものである。
以上のとおり、本願標章は商標法第64条に規定する要件を具備しないものであるから、本願を拒絶した原査定は、取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
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