Trademark Appeal Case
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本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成10年審判第18586号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「Zero Discharge System」の欧文字を横書きしてなり、第7類「金属加工機械器具,鉱山機械器具,土木機械器具,荷役機械器具,化学機械器具,繊維機械具,食料加工用又は飲料加工用の機械器具,製材用・木工用又は合板用の機械器具,パルプ製造用・製紙用又は紙工用の機械器具,印刷用又は製本用の機械器具,包装用機械器具,プラスチック加工機械器具,半導体製造装置,ゴム製品製造機械器具,石材加工機械器具,動力機械器具(陸上の乗物用のものを除く。),陸上の乗物用の動力機械の部品,風水力機械器具,農業用機械器具,漁業用機械器具,ミシン,ガラス器製造機械,靴製造機械,製革機械,たばこ製造機械,機械式の接着テープディスペンサー,自動スタンプ打ち器,起動器,交流電動機及
び直流電動機(陸上の乗物用の交流電動機及び直流電動機(その部品を除く。)を除く。),交流発電機,直流発電機,機械式駐車装置,芝苅機,食器洗浄機,修繕用機械器具,電気式ワックス磨き機,電気洗濯機,電気掃除機,電機ブラシ,電気ミキサー,電動式カーテン引き装置,陶工用ろくろ,塗装機械器具,乗物用洗浄機,廃棄物圧縮装置,廃棄物破砕装置,機械要素(陸上の乗物用のものを除く。)」を指定商品として、平成9年2月13日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、近年の環境対策の気運の高まりを踏まえるならば、全体として『無放電システム』又は『廃液・排煙などの排出物を排出しないシステム』程度の意味合いを容易に想起させるにとどまるものであるから、これをその指定商品に使用したときは、需要者をして、何人かの業務に係る商品であるかを認識することができないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、その構成前記したとおり、「Zero Discharge System」の欧文字を書してなるところ、これを構成する冒頭、中間及び末尾の各文字部分は、それぞれ「無、皆無の」の意を有する「Zero(ゼロ)」、「放電する、放電」又は「(廃液などを)排出する、(煙・石油などを)排出する、排泄物」の意を有する「Discharge(ディスチャージ)」及び「機械装置、システム」の意を有する「System(システム)」のそれぞれ親しまれた英単語を組み合わせたものであって(いずれも、研究社発行「NEW COLLEGE 新英和中辞典」より)、全体として、「ゼロディスチャージシステム」と読まれるとともに、「無放電システム」又は「廃液・排煙などの排出物を排出しないシステム(装置)」ほどの意味合いを容易に看取させるものと認められる。
ところで、近年の地球環境保全・環境対策の気運の高まりの中で、例えば、通産(経済産業)大臣の諮問機関である産業構造審議会が2000年3月に発表した「21世紀経済産業政策ビジョン」の最終答申のなかには、今後の有望産業の一として、大気汚染防止・水処理分野・廃棄物処理等を中身とする環境産業があげられ、また、現在、産業廃棄物ゼロという新しい産業社会のあり方を探るために国連大学が推進しているプロジェクトにゼロ・エミッション計画があることが知られている(いずれも、自由国民社発行「現代用語の基礎知識2001年版」より)。
そして、製品の製造工程において水処理、廃棄物処理等が必要とされる企業や水処理、廃棄物処理等を研究する機関の中には、排水や廃棄物をゼロ(極小化)にするためのシステムを開発又は履行している者が多数存在し、それらのシステムを「ゼロディスチャージシステム」あるいは「ゼロディスチャージ」と称し、当業界において普通に使用している状況は、例えば、以下の(1)新聞記事及び(2)いわゆる、インターネット・ホームページ情報により、窺い知ることができる。
(1)新聞記事
(イ)日本製紙、廃棄物ゼロ目指す。来月から運動展開
(1997.3.3 日刊工業新聞19頁)
日本製紙(社長小林正夫氏)は廃棄物ゼロを目指す「ゼロディスチャージ運動」を四月からスタートする。九八年度末までに石炭灰などの廃棄物の最終処分量を、紙生産高に対して一%以下に削減するというもの。・・・日本製紙は九三年四月に社内の環境憲章を作成し、廃棄物については九七年度までに九一年度比四〇%削減するという目標を掲げた。この計画に沿って石炭灰のセメント原料への利用や包装材のリサイクルを進め、九五年度には約十五万絶乾トンまで低減した。今回のゼロディスチャージ運動に取り組むのは、地球環境保全に対する社会的要求がさらに高まっていることを考慮したもの。
(ロ)栗田工業、排水の再生利用プラント、栃木県の開発センターに新設。
(1997.5.30 日経産業新聞12頁)
栗田工業は栃木県野木町に建設する事業開発センターに、排水のリサイクルプラントを新設する。・・・排水のリサイクルプラントは「ゼロディスチャージシステム」と呼ばれ、不純物が混じった工場排水などを再利用が可能な高純度凝縮水に変換して回収する。原則として工場からは排水を一切出さないシステムで、水質汚濁への規制が強化されるなか、企業からのニーズが高まっている。
(ハ)熊本工技センター、緒方工業と共同でめっき洗浄排水再利用システム技術を確立(2000.6.27 日刊工業新聞21頁)
【熊本】熊本県工業技術センターは緒方工業(熊本市上熊本2の9の9)と共同で、めっき洗浄排水を再利用するシステム技術を確立した。回転型膜分離技術を応用し、洗浄排水の50%を回収することに成功した。し尿処理などで導入されている回転型膜分離技術をめっき洗浄排水処理に応用したのは「全国でも初めて」(材料開発部)の試み。
この技術は「ゼロディスチャージシステム」と呼ばれ、・・・
(2)インターネット・ホームページ情報
(イ)2000年計画 持続可能なゼロディスチャージ・エミッション社会を構築するために何が求められるのか...(interex2.kuee.kyoto-u.ac.jp/Malaysia/plan2000ja.html−京都大学HP)
(ロ)...廃棄物ゼロを目指して−ゼロディスチャージ運動−平成9年2月28日...(www.npaper.co.jp/main/news/news_1997_0228.html −日本製紙株式会社HP)
(ハ)...更にその処理プロセスで発生する産業廃棄物の減量化を図るための、新しい「ゼロディスチャージシステム...
(www.jasmec.go.jp/project/9-21.html−中小企業総合事業団HP)
(ニ)トピックス...水のゼロディスチャージシステム,事業開発センターには、太陽光発電システムをはじめとする環境面に配慮した様...
(www.kurita.co.jp/env/topics/main.htm−栗田工業株式会社HP)
(ホ)...(3)廃棄物ゼロを目指して...「ゼロディスチャージ運動」...これから持続可能な発展を図っていくためには、「資源...
(snet.sntt.or.jp/eco/1505.h−社団法人未踏科学技術協会HP)
(へ)技術情報誌2000/3 No.4 通巻108号. ☆クローズド化への一歩「膜分離技術」,☆めっき洗浄排水等の新規ゼロディスチャージシステムの開発... (www.kmt-iri.go.jp/kankou/jyohoshi/1999/no4/99no4mokuji.html−熊本工業技術センターHP)
以上によれば、水処理、廃棄物処理に関わる業界及び関連技術に関わる研究機関等においては、「ゼロディスチャージシステム」の文字を「排水や廃棄物をゼロ(極小化)にすること、またはそのシステム(装置)」を意味する語、すなわち、いわゆる産業用語の一として普通に使用し、かつ、通用しているものと認められる。
そして、本願商標の指定商品中には、製品の製造工程において排水、廃棄物等の発生が予測される作業に使用される機械や工作機械、或いは、廃棄物の加工、処理を目的、用途とする装置である廃棄物圧縮装置、廃棄物粉砕装置が含まれるものと認められる。
そうとすると、「Zero Discharge System」の文字よりなる本願商標をその指定商品について使用した場合、これに接する取引者、需要者は、前記事情よりして、「排水や廃棄物をゼロ(極小化)にすること、またはその機械装置」の意味合い、すなわち、当該商品の品質、機能特性を表示し、あるいは、その品質を標榜するものと理解するに止まり、それをもって当該商品の出所を識別するための標識として認識するとみるのは極めて困難であるといわなければならない。
してみれば、本願商標は、需要者をして何人かの業務に係る商品であるのかを認識することができないものというべきであるから、これと同旨の理由をもって本願商標を商標法第3条第1項第6号に該当するものとして本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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