結論テキスト
審判費用は被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 平成11年審判第35459号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第4110320号商標(以下、「本件商標」という。)は、「エキナセア」と「Echinacea」の文字とを二段に横書きしてなり、平成8年6月12日に登録出願、第32類「清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース,乳清飲料」を指定商品として、同10年2月6日に設定登録されたものである。
請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし同第13号証を提出している。
Echinaceaは、北アメリカに分布する多年草であって、古くからヘビの咬傷や化膿した傷の治療薬としてアメリカインディアンやアメリカの開拓者に尊重されていたものであり、今日ではその優れた抗菌効果により主に皮膚病の治療薬として利用されているほか、免疫力を増強させることから、ウィルス性感染症にも効果があるとされている。
Echinaceaは、また植物図鑑、ハーブ・薬草関係の書籍、植物療法の書籍、いわゆる健康食品関係の雑誌・新聞等に紹介され、その特性を利用した薬剤関係の特許出願もされている。
この事実に照らせば「Echinacea」は、世上既に広く知られた存在であるといえる。
また、近年健康への関心が高まるにつれ、いわゆる健康食品がブームになり、古くから体に良いとされていた薬草又はハーブを原材料とした多種多様な健康食品又は健康飲料が販売されるようになった。
特に、「Echinacea」は、厚生省の「ハーブに関する検討会」で米国側代表から、欧米健康食品市場に流通し、調査で売れ筋となった品目リストに掲載され、米国の健康食品の中でも注目を集める存在となっている。したがって、「Echinacea」の語の附された健康食品又は健康飲料に接する需要者及び取引者は、これをもって「Echinacea」を原材料とした健康食品等であると認識するであろうことは予測するに難くない。
してみれば、本件商標が指定商品中「Echinacea を原材料とした又は主成分とする清涼飲料等」に使用された場合には、商品の原材料及び品質を表示するにすぎないものであり、また、上記商品以外の商品に使用された場合には、商品の品質について誤認を生じるおそれがあることは明らかである。
審査において「エキナセア/Echinacea」商標及び「エキナシア」商標が拒絶されていることは、請求人の主張を裏づけるものである。
以上の如く、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号の規定に違反して登録されたものであるから、同法第46条第1項第1号の規定によりその登録は無効とされるべきである。
(1)本件商標は、前記のとおり「エキナセア」及び「Echinacea」の両文字よりなるところ、申立人の提出に係る証拠によれば、以下の事実が認められる。
「エキナセア(Echinacea)」は、北アメリカに分布する多年草であって(甲第1号証:昭和61年4月20日北隆館発行「原色世界植物大圖鑑」参照)、古くからヘビの咬傷や化膿した傷の治療薬としてアメリカのインディアンや開拓者に尊重されていたハーブであり。今日では、抗菌効果、免疫機構を向上させる効果などがあることから、浄血薬、扁桃炎、歯肉の炎症の治療薬、傷や潰瘍の治療薬、刺傷、咬傷の治療薬などに利用されている(甲第2号証:1990年5月20日小学館発行「ハーブ大全」参照)。
「エキナセア抽出物、抽出物の製造方法及びそれらを含む製剤」を発明の名称とする特許出願など、「エキナセア(Echinacea)」の特性を利用したと推認し得る特許出願がされている(甲第8号証:PATOLIS検索資料)。
平成9年7月15日(株)ヘルスビジネスマガジン社発行「ヘルスライフビジネス」に、「欧米ハーブ市場で人気の115成分提出」、「第2回『ハーブ検討会』でリスト提示」の見出しのもとに、厚生省の「ハーブに関する検討会」で、米国側代表から欧米健康食品市場で流通し、調査で売れ筋となった品目のリストを提示、として、該品目リストに「Echinacea(エキナシア)」の品名が掲載されている旨が記載されている。
以上の外、植物図鑑、ハーブ・薬草関係の書籍、アロマセラピー、植物療法関係の書籍、健康食品関係の雑誌・新聞などに「エキナセア(Echinacea)」が薬効のある植物として紹介されている。
以上の事実を総合すれば、本件商標の登録査定の時には、既に「エキナセア(Echinacea)」は、薬効のある植物として薬剤に利用され、また、その効果ゆえに欧米において健康食品に利用されていたものということができる。昨今のわが国における健康食品ブームといえる実状を考慮すれば、健康食品における上記欧米における事情はわが国においても異なるところはなかったものと推認することができる。
上記健康食品における事情からすれば、本件商標がその指定商品に使用された場合、これに接した取引者、需要者は、これをエキナセア(Echinacea)を利用した商品であることを表したものと理解し、自他商品の識別標識とは認識しないものと判断せざるを得ないから、本件商標は、その指定商品中、上記商品に使用するときは商品の品質、原材料を表示するに止まり、上記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生ずるおそれがあるものといわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反して登録されたものであるから、同法第46条第1項第1号に該当し、その登録を無効にすべきものである。
よって、審判費用については、商標法56条第1項、特許法第169条第2項、民事訴訟法第61条を適用して、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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