結論テキスト
審判費用は被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 無効2000−35648(T2000−35648/J3) |
|---|---|
| 審判種別 | 無効 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第4244259号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲に示すとおりの構成よりなり、平成9年9月26日に登録出願され、第18類「皮革,かばん類,袋物,傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄,愛玩動物用被服類」を指定商品として、平成11年2月26日に設定の登録がされたものである。
請求人は、結論同旨の審決を求めると申立て、その理由を以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証乃至同第23号証を提出した。
(1)本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号及び同第19号の規定に該当し、同第46条第1項第1号により無効にされるべきものである。
(2)請求人は、米国で大ヒットし近年になって日本においても人気ブランドとなっている化粧品等の製造販売会社であり、請求人の営業内容及び商標は周知・著名である。
(3)請求人は「H2O PLUS」ブランドの下で、1989年に1号店を開設して米国の外、カナダ、アルゼンチン等にすでに展開している(甲第3号証)。この使用開始日については、米国商標登録公報において1989年7月5日とされていることからも明らかである(甲第4号証)。
また、商標「〜H2O+」からなる商標については米国特許公報において1995年8月23日から使用が開始されている(甲第5号証)。請求人の製造販売に係る商品は化粧品、せっけん類等である(甲第6号証)。これらの商品情報は、インターネット上の請求人のホームページにアクセスすることにより、日本はもとより全世界中の人々が入手可能であり(甲第7号証及び同第8号証)、これらの商品には、「H2O PLUS」及び「〜H2O+」からなる商標(以下、「使用商標」という。)が付されている(甲第9号証及び同第10号証)。
(4)請求人の使用商標が周知・著名であることを立証するために、本件商標の出願前及び出願後に米国・アルゼンチンにおいて発行された新聞・雑誌の掲載記事の例示として、甲第12号証を提出する。
なお、本件とは別件の異議決定書及び取消理由通知書においても、請求人の使用商標は、本件商標の出願時に外国において周知・著名であると認定されている(甲第13号証及び同第14号証)。
(5)日本において発行された雑誌及び日本における通信販売(甲第15号証及び同第16号証)、インターネットによる新聞記事情報(甲第17号証)、請求人のインターネット上に開設したホームページ(甲第18号証及び同第20号証)及び、請求人の取り扱いに係る日本語版商品カタログ(甲第19号証)に示すとおり、使用商標は、本件商標の出願前のみならず、本件商標の査定時(登録時)においても日本において周知・著名であったといわざるを得ない。
(6)使用商標と本件商標からはともに「エイチツーオープラス」の称呼が生じ、両商標は類似する。さらに、本件商標の指定商品は、請求人の業務に係る商品と密接な関係を有するかばん類、袋物等のファッション関連商品や日常生活用品を含むものであり、需要者層を共通にするものである。そうとすると、本件商標が商標権者によって使用されると、請求人と経済的又は組織的に何らかの関係がある者の業務に係る商品であると取引者・需要者は誤認・混同を起こす可能性があると認められる。したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
(7)請求人と本件商標の商標権者が他人であること、使用商標が本件商標の出願前に請求人の化粧品等を示す商標として米国のみならず、日本国内においても周知・著名であり、使用商標が本件商標と類似することは上記の通りである。また、本件商標は使用商標と同じ綴りのものを一連にして2段に表し、その下部に「エイチツーオープラス」及びふりがな又は請求人の商号の略称を表す文字を付加した構成よりなるものであるから、商標権者が、本件商標を採択したことは偶然の一致とは認め難いものである。さらに、上述のように、本件商標の指定商品は、請求人の業務に係る商品と密接な関係を有するかばん類、袋物等のファッション関連商品や日常生活用品を含むものであり、需要者層を共通にするものである。そうとすれば、本件商標は、需要者の間に広く認識されている使用商標と酷似の商標であって、商標権者の行為は使用商標がその指定商品について登録されていないことを奇貨として本件商標について商標登録を受けた一種の窃盗行為であり、本件商標は、使用商標に化体した信用にただ乗りしようとして採択されたものと考えられ、不正の目的があることは明らかである。したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号にも該当する。
被請求人は、何ら答弁するところがない。
請求人は、本件商標の登録が商標法第4条第1項第15号及び同第19号の各規定に該当するものであるとして、その登録の無効の理由を述べているので、まず、同法第4条第1項第19号該当の当否について検討する。
請求人の提示に係る甲各号証によれば、請求人は、1989年シカゴに第1号店を開設して以来自己の業務に係る「化粧品、せっけん類」について「H2O PLUS」及び「〜H2O+」の文字よりなる商標(使用商標)を使用したこと(甲第3号証,同第15号証)、インターネット上の請求人のホームページに使用商標を付した「化粧品」を掲載して外国向けに販売したこと(甲第7号証)、各種の旅行ガイドブック(1994年8月1日日本交通公社出版事業局発行「るるぶニューヨーク・オーランド」、1995年8月1日近畿日本ツーリスト発行「ハンディガイド12 ニューヨーク」、1997年9月16日株式会社集英社発行「MORE:TRAVEL GUIDE BOOK ニューヨーク7days」)に請求人の店舗及び使用商標を付した化粧品を紹介する記事が掲載されたこと(甲第15号証及び同第16号証)及び日本語による海外通信販売誌(「Cosmetic Times vol.10」’98年版(甲第16号証)に使用商標を付した化粧品を紹介する記事が掲載されたこと等が認められる。
以上によれば、使用商標は、請求人の製造販売に係る「化粧品」を表すものとして、本件商標の登録出願の当時より既に米国はもとより我が国においてその指定商品の分野における取引者、需要者間に広く認識されていたものとみるのが相当である。
しかして、本件商標は、別掲に示すとおり「〜H2O+」「H2O PLUS」及び「エイチツーオー プラス」の各文字を上下三段に表してなるところ、構成中、最下段の「エイチツーオー プラス」の文字は、上、中段の欧文字(記号を含む。)の自然的な読み方(称呼)を片仮名表記したにすぎないこと、そして、その構成中の上、中段に表された「〜H2O+」及び「H2O PLUS」の各文字は使用商標を構成する各文字すなわち請求人の製造販売に係る商品を表すものとして使用されている固有の商標と同一の構成であるから、このように欧文字、数字及び記号を取り混ぜた特異な構成のものが、偶然一致したとは到底認め難いところである。
また、本件商標の指定商品は、申立人の業務に係る商品と密接な関係を有するファッション関連用品を含むものであり、その取引者、需要者層を共通にする場合の多いものである。
そうとすれば、本件商標は、需要者の間に広く認識されている請求人に係る使用商標と酷似する商標であって、使用商標がその指定商品について商標登録されていないことを奇貨として本件商標について商標登録を受けたことを推認するのに十分であって、ほかにこの認定を覆すに足りる証拠はない。
したがって、本件商標は、他人の業務に係る商品を表示するものとして日本国内または外国における需要者の間に広く認識されている商標と同一または類似の商標であって、不正の目的(不正な利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他の不正な目的)をもって使用するものといわざる得ない。
してみれば、請求人の述べる他の無効理由の当否について判断するまでもなく、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当するものといわざるを得ないから、同第46条第1項の規定により、その登録を無効とすべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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