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Trademark Appeal Case

「POLO」の著名性と混同

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成4年審判第19044号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「POLO BICYCLE」の欧文字よりなり、第17類「被服(運動用特殊被服を除く)、布製身回品(他の類に属するものを除く)、寝具類(寝台を除く)」を指定商品とし、平成2年11年30日に商標登録出願されたものである。

2 原審における査定の理由

この商標登録出願に係る商標は、出願人とは他人であるアメリカのトップデザイナー、ラルフ・ローレンのデザインに係る紳士服、ネクタイ等を表示する標識として本願出願時には既に著名に至っていた「POLO」の文字を含んでなるものであるから、このような商標をその指定商品について使用するときは、その商品が上記他人と何らかの関係がある商品であるかのごとく、その出所について混同を生じさせるおそれがあるものと認める。したがって、この商標登録出願に係る商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。

3 請求人の主張

当該商品の業界において「POLO」「ポロ」の文字は、商品「ポロ・コート」「ポロ・シャツ」等で使用されており、特に「POLO」「ポロ」の文字のみの場合は、「ポロ・シャツ」を意味するものであることは例示するまでもなく顕著な事実である。従前より商品名の略称として認識され、各業者が普通一般に使用している「POLO」「ポロ」の文字が、一業者の商品を表すものとして認識されるようなことは有り得ないことである。このような業界における「POLO」「ポロ」の文字についての認識及び使用の事実を勘案するに、「POLO」の文字を含んだ商標を付した商品が、直ちにそれがアメリカのトップデザイナー、ラルフ・ローレンのデザインに係る商品と関係があるが如き出所の混同を生じるとは到底考えられないところである。

よって、本願商標は、服飾業界における「POLO」の文字の使用の状況及び上記デザイナーのデザインに係る商品の標識等を勘案するに、商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。

4 当審の判断

(1)「POLO」「ポロ」の著名性について

「男の一流品大図鑑」(昭和53年7月20日株式会社講談社発行)、及び、「舶来ブランド事典’84ザ・ブランド」(同58年9月28日サンケイマーケティング発行)によれば、以下の事実が認められる。

ラルフ・ローレンは、1967年ネクタイメーカーのボー・ボランメル社にデザイナーとして入社、幅広ネクタイをデザインし、圧倒的に若者に支持され、世界に広がった。翌1968年独立し、社名を「ポロ・ファッションズ」(以下、「ポロ社」という。)とし、ネクタイ、スーツ、シャツ、セーター、靴、カバンなどのデザインをはじめ、トータルな展開を図ってきた。1971年には婦人服のデザインにも進出した。服飾業界の名誉ある賞、「コティ賞」を1970年と1973年の2回受賞したのをはじめ、数々の賞を受賞した。1974年の映画「華麗なるギャッツビー」で主演したロバート・レッドフォードの衣装デザインを担当したことから、アメリカを代表するデザイナーとしての地位を確立した。

その頃から、我が国においても、ラルフ・ローレンの名前は服飾業界等において広く知られるようになり、そのデザインに係る商品には「POLO」の文字とともに「by RALPH LAUREN」の文字及び馬に乗ったポロ競技のプレーヤーの図形の各商標が用いられ、これらの商標は「ポロ」と略称されている。

そして、「海外ファッション・ブランド総覧1980年版」(昭和55年3月株式会社洋品界発行)、及び、「ライセンス・ビジネスの多角的戦略’85」(同59年9月ボイス情報株式会社発行)の「ポロ」あるいは「ポロ・バイ・ラルフ・ローレン」の項の記述、及び、同63年10月29日付日経流通新聞の記事によれば、我が国においては、西武百貨店が昭和51年にポロ社から使用許諾を受け、同52年からラルフ・ローレンのデザインに係る紳士服、紳士靴、サングラス等、同53年から婦人服の輸入、製造、販売を開始したことが認められる。

また、ラルフ・ローレンに係る紳士服、紳士用品については、「dansen男子専科」(1971年7月株式会社スタイル社発行)、前出「男の一流品大図鑑」、「世界の一流品大図鑑’79年版」(昭和54年5月株式会社講談社発行)、別冊チャネラー「ファッション・ブランド年鑑’80年版」(同54年9月株式会社チャネラー発行)、「男の一流品大図鑑’81年版」(同55年11月株式会社講談社発行)、「世界の一流品大図鑑’80年版」(同55年5月株式会社講談社発行)、「MEN’S CLUB 1980,12」(同55年12月婦人画報社発行)、「世界の一流品大図鑑’81年版」(同56年5月株式会社講談社発行)、前出「舶来ブランド事典’84ザ・ブランド」、「流行ブランド図鑑」(同60年5月株式会社講談社発行)に、眼鏡については、前出「世界の一流品大図鑑’80年版」、「世界の一流品大図鑑’81年版」、「男の一流品大図鑑’81年版」に、「POLO」、「ポロ」、「Polo」、「ポロ(アメリカ)」、「ポロ/ラルフ・ローレン(アメリカ)」等の商標の下に紹介されていることが認められる。

他に、これを覆すに足りる証拠はない。

なお、ラルフ・ローレンの「POLO」、「ポロ」、「Polo」の商標について、上記認定事実とほぼ同様の事実を認定した東京高等裁判所の判決(平成2年(行ケ)183号、平成3年7月11日判決言渡)がある。

以上の事実を総合すれば、引用商標は、我が国においては、遅くても昭和55年頃までにはラルフ・ローレンのデザインに係る商品を表示するものとして引用商標が取引者、需要者の間に広く認識されるに至っていたものと認められ、その状態は現在においても継続しているというのが相当である。

(2)本願商標は、前記構成から成るものであるところ、全体として既成の観念を示すものとして一般に広く認識されているものとも言い難いものである。

この点について、請求人は、「本願商標は、ポロ競技の馬の代わりに自転車を使用した実在の競技『BICYCLE POLO』の文字を入れ代えたもので、上記の観念を直観しうる範囲のものであり、全くの造語ではない。従って、本願商標は『POLO』の文字を抽出して判断されるべき物でないことは明らかであり、この点からもラルフ・ローレンのデザインに係る商品と関係があるが如き出所の混同を生じるものとは到底考えられない。」旨主張しているが、本願商標は、請求人の主張する実在の競技名とは異なり、直ちに当該競技を認識するものとは認められないから、請求人のこの主張は採用することができない。

そうすると、本願商標をその指定商品に使用する場合には、前記実情からして、これに接する取引者、需要者は、その構成中の「POLO」、「ポロ」の文字に注目し、前記周知になっているラルフ・ローレンに係る引用商標を連想、想起し、ラルフ・ローレン、若しくは、ザ ポロ/ローレンカンパニーリミテッドパートナーシップ、又は、これらと組織的・経済的に何らかの関係がある者の業務に係る商品であるかのようにその商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものといわざるを得ない。

(3)したがって、本願商標を商標法第4条第1項第15号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は妥当なものであって、取り消すべき限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

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