結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 無効2000−35394(T2000−35394/J3) |
|---|---|
| 審判種別 | 無効 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第4378474号商標(以下、「本件商標」という。)は、「REPLENISH C」と「レプレニッシュ C」の文字を二段に併記してなり、平成11年6月11日に登録出願、第3類「肌用化粧品,その他の化粧品」を指定商品として、同12年4月21日に設定登録されたものである。
2.請求人の引用商標
請求人が本件商標の登録無効の理由に引用する登録第2709603号商標(以下、「引用商標」という。)は、「Replenishing Gel」の文字を横書きしてなり、平成3年6月4日に登録出願、第4類「ジェル状のせっけん、ジェル状の歯みがき、ジェル状の化粧品」を指定商品として、同7年8月31日に設定登録されたものである。
3.請求人の主張
請求人は、「本件商標の登録は、これを無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求める。」と申し立て、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第14号証(枝番号含む。)を提出している。
(1)請求人は、被請求人から、同人が所有する本件商標に基づいて、請求人の関係会社であるカルテラボラトリーズ株式会社が化粧品について使用している商標「REPLENISH MASK」の使用の中止を求める通告を受けている(甲第1号証)。
したがって、請求人は、本件審判を請求することについて、利害関係を有する。
(2)本件商標は、「REPLENISH C」と「レプレニッシュ C」の文字よりなるところ、「REPLENISH」の文字は、本来は「リプレニッシユ」と発音すべき語とされている。
しかるところ、我が国においては、例えば「リポート」と発音すべき「REPORT」を「レポート」、「リシ一バー」と発音すべき「RECEIVER」を「レシーバー」、「リシート」と発音すべき「RECEIPT」を,「レシート」のように、英語の語頭部の「RE」の綴りの部分を「レ」とも発音している例が少なくないのが実情である。
以上の事情に照らすと、本件商標における「レプレニッシユ」も、上段に表されている「REPLENISH」の発音ないしは読みを片仮名で表記したものと看取されるとみるのが相当である。
してみれば、「REPLENISH」と「レプレニッシユ」は、密接不可分の関係に立つものといえるから、「レプレニッシユ」も、「REPLENISH」が看取させる意味と同一の意味を看取させるものというべきである。
そこで、「REPLENISH」の文字についてみるに、この文字は「補給(補充)する」の意味の英語であって、この文字及びこれに通ずる「リプレニッシュ」の文字並びにこれと実質的には同様の意味を看取させるものというべき「リプリニツシユメント」、「Replenishing」の文字は、皮膚に水分や栄養分を補給(補充)する化粧品(モイスチュアクリーム、モイスチュアローション、エモリエントクリームといった)の品質(「皮膚に水分や栄養分を補給(補充)する」という)を表示するものとして、化粧品業界において使用されている(甲第6号証ないし甲第11号証)。
一方、本件商標は、「肌用化粧品,その他の化粧品」を指定商品とするものであるから、これに「皮膚に水分や栄養分を補給(補充)する化粧品」が含まれていることは明らかである。
してみれば、「REPLENISH」及び「レプレニッシユ」の文字と、商品の記号あるいは符号を表したものとしてしか理解されず、自他商品の識別標識として機能し得ないローマ字の一字である「C」の文字よりなる本件商標が、その指定商品に含まれている「皮膚に水分や栄養分を補給(補充)する化粧品」について使用されたとき、これに接する取引者、需要者は、これをその商品の品質を表示しているものと把握するに止まるとみるのが相当である。
そうすると、本件商標が、その指定商品中の「皮膚に水分や栄養分を補給(補充)する化粧品」以外の化粧品について使用されたときは、その品質を誤認させるおそれがあるといわざるを得ない。
ちなみに、請求人において調査したところ、「REPLENISH」及び
「リプレニッシユ」の文字よりなる商標は、自他商品の識別力を有しないものとして拒絶されている(甲第12号証の1及び2)。
また、特許庁がなした平成8年審判第1359号審決は、「REPLENISHING」及び「REPLENISH」の語を、「モイスチャークリーム、エモリエントクリーム、栄養クリーム」との関係においては、その品質を表示するものであると認定している(甲第13号証)。
したがって、本件商標は商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号の規定に違反して登録されたものである。
(3)本件商標は、「REPLENISH C」及び「レプレニッシュC」の文字よりなるところ、これにあって「C」の文字は、商品の記号あるいは符号としてありふれて使用されているローマ字の一字にすぎないものであるから、本件商標にあって自他商品の識別標識として機能するのは「REPLENISH」及びこれの発音を表したものとみるべき「レプレニツシュ」の文字というべきである。
しかして、「REPLENISH」は、「補給(補充)する」の意味の英語であるから、本件商標は、「補給(補充)する」の観念を生ずるものといわざるを得ない。
一方、引用商標は、「Replenishing Gel」の文字よりなるところ、これにあって「Gel」の文字は、その指定商品の物性がジェル状のもの(“膠化体”あるいは“コロイド溶液がゼリー状に固化したもの”という)であることを表示したものに止まるものであるから、引用商標にあって自他商品の識別標識として機能するのは、「Replenishing」の文字というべきである。
しかるところ、英語の動詞に「ing」が付加された場合、これがその動詞の現在分詞を形成することは、一般に知られている。
そうすると、その綴りの末尾部を「ing」とする「Replenishing」も、「補給(補充)する」の意味の英語「Replenish」 の現在分詞と理解される場合も決して少なくないとみるのが相当である。
してみれば、「Replenishing」は、「補給(補充)している」の意味を看取させる場合もまた、少なくないというべきである。
そうすると、引用商標は、「補給(補充)している」の観念を生ずるものといわざるを得ない。
しかして、「補給(補充)する」の観念と「補給(補充)している」の観念は、時制を異にするものとはいえ、「補給(補充)する」という行為を表すものである点においては共通であるから、互いに紛らわしいものというべきである。
そうすると、本件商標と引用商標は、その観念において紛らわしい類似のものといわざるを得ない。
また、本件商標の指定商品は、引用商標の指定商品中の「ジェル状の化粧品」を含むものである。
してみれば、本件商標は、引用商標と類似のものであって、引用商標の指定商品と同一の商品(ジェル状の化粧品)または類似の商品について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
4.被請求人の主張
被請求人は、何ら答弁していない。
5.当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号について
本件商標は「REPLENISH C」と「レプレニッシュ C」の文字を二段に併記した構成よりなるところ、構成中の「REPLENISH」の文字は「〜を再び満たす、〜に補充[補給]する。」の意味合いを有する英語であることは認め得るとしても(甲第4号証)、我が国において日常的に親しまれた英語とは認め難いものである。
さらに、請求人の提出した甲第6号証ないし甲第11号証をみるに、「REPLENISH」の文字を使用している証左は、「REPLENISH&HYDRATE FINE TUNING SOLUTI」(甲第6号証)、「Replenish ingyour damaged tresses and brighten it to a healthy shine」(甲第11号証)のように記述された中で「REPLENISH」の文字を使用しているのは僅か2例にすぎない。また、「リプレニッシュ」(甲第7号証及び甲第8号証)及び「リプリニッシュメント」(甲第9号証)の文字を使用していることは認め得るとしても、「レプレニッシュ」の文字を使用している証左はない。
しかして、その証左はいずれも、インターネットのホームページに掲載された僅かな使用例にすぎないから、本件商標を構成する「REPLENISH」又は「レプレニッシュ」の文字が商品の品質を表示するものとして普通に使用されている事実として認めるには不十分であるというべきである。
また、甲第12号証の1ないし甲第14号証の証左は、事案を異にするものであり、必ずしも本件の判断に影響を及ぼすものではない。
この点において、請求人は、本件商標における「レプレニッシユ」の文字は、上段に表されている「REPLENISH」の発音ないしは読みを片仮名で表記したものと看取されるものであり、「REPLENISH」と「レプレニッシユ」は、密接不可分の関係に立つものといえるから、「レプレニッシユ」も、「REPLENISH」が看取させる意味と同一の意味を看取させるものである旨主張しているが、前記したとおり、本件商標を構成する「REPLENISH」の文字部分が品質を表示するものと認められない以上「リプレニッシュ」の文字の使用をもって、本件商標は、商品の品質を表示するものと認識されるとは言い難いものである。
そうとすれば、本件商標は、その指定商品のいずれの商品についても、その商品の品質・用途・効能等を普通に用いられる方法で表示するものとして取引者・需要者の間に認識されているものとは認められない。また、本件商標がその指定商品について使用された場合、商品の品質について誤認を生ずるおそれがあるものとも認められない。
(2)商標法第4条第1項第11号について
先ず、引用商標の観念についてみるに、引用商標は「Replenishing Gel」の文字よりなるところ、構成中の「Replenishing」の文字が、「REPLENISH」の文字の現在分詞であるとしても、前記したとおり、「REPLENISH」の語が我が国において日常的に親しまれていないという事情よりすれば、これに接する取引者・需要者をして、特定の意味合いを直ちに想起するとはいい難く、全体として特定の観念を生じ得ない一連の造語よりなるものと認識、理解される判断するのが相当である。
してみれば、本件商標と引用商標とは、観念において比較することができない。
次に、称呼についてみるに、本件商標は「REPLENISH C」と「レプレニッシュ C」の文字を二段に併記してなるものであるから、「レ(リ)プレニッシュシー」又は「レ(リ)プレニッシュ」の称呼を生ずるのに対し、引用商標は、前記したとおり、全体として一連の造語よりなるものであるから、「リプレニシングジェル」の一連の称呼のみを生ずるものと判断するのが相当である。そして、本件商標より生ずる称呼と引用商標より生ずる称呼とは、明らかに聴別し得るものである。
さらに、両商標は、それぞれの構成よりみて外観上も区別し得るものである。
してみれば、本件商標と引用商標とは、その観念、称呼及び外観のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわざるを得ない。
(3)以上のとおり、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号及び同第11号のいずれにも違反して登録されたものということはできないから、その登録は、商標法第46条第1項の規定により無効とすべきではない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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