結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 無効2000−35171(T2000−35171/J3) |
|---|---|
| 審判種別 | 無効 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第4296735号商標(以下、「本件商標」という。)は、「ジャングルジャングル」の片仮名文字と「JUNGLE JUNGLE」の欧文字を上下二段に書してなり、第3類「せっけん類,香料類,化粧品,歯磨き」を指定商品として平成10年7月23日に登録出願、同11年7月16日に設定登録されたものである。
請求人の引用する登録第4008656号の商標(以下、「引用商標」という。)は、「KENZO JUNGLE」の欧文字を横書きしてなり、第3類「せっけん類,香料類,化粧品,つけづめ,つけまつ毛,かつら装着用接着剤,つけまつ毛用接着剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,歯磨き,家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用漂白剤,つや出し剤,研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石,つや出し紙,つや出し布,靴クリーム,靴墨,塗料用剥離剤」を指定商品として平成7年9月27日に登録出願、同9年6月6日に設定登録されたものである。
請求人は、本件商標の登録は無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第8号証(枝番を含む。)を提出した。
(1)引用商標は、一連一体に「ケンゾージャングル」の称呼が生ずるものであるが、その構成中「KENZO」の文字部分は日本人デザイナーとして著名な「高田賢三」が設立したファッション・ハウスの名称として、さらにまた同氏が企画・制作した衣料品その他の製品の商標として著名である(甲第2号証及び甲第3号証)。
そして、1970年に開設したブティックの名称が「ジャングル・ジャップ」である。日本人を表す卑語である「ジャップ」の文字を含めたのは同氏が日本人であったことによるものであり、「ジャングル」の語は同氏の代名詞とも言えるのである。
(2)ところで、近年のファッションは被服に限らずアクセサリー、化粧品等をトータルコーディネートする傾向にあるから、「KENZO」ブランドもまた被服のみならず、本件商標の指定商品が属する分野においても著名である。現に、「KENZO」ブランドにより香水が販売されており、それには「KASHAYA de KENZO」、「KENZO DE KENZO」、「KENZO POUR HOMME」、「1’eau par Kenzo」、「parfum d’ete」などがある(甲第4号証ないし甲第8号証)。中でも「KENZO JUNGLE」についてみると、「KENZO」の部分は著名な屋号ないしブランド名と見られ、「JUNGLE」の部分が個別の商品商標として認識される。それゆえ、例えばインターネットのウェブサイト「ホッパードリーム」でも、その商品リストにおいて、ブランド欄に「ケンゾー」、商品名欄に「ジャングル」と記載されている(甲第7号証)。同じく「香りの宅配便スズキ」においても、「ケンゾー」と「ジャングル」の文字が別の欄に表示されているのは同様の認識を示すものである(甲第8号証)。
(3)その構成中「JUNGLE」の部分が個別の商品商標として認識されていることが明らかであるから、屋号ないしブランド名と言える「KENZO」とは独立して「ジャングル」の称呼・観念が生ずる。
一方、本件商標は、片仮名文字「ジャングルジャングル」と欧文字「JUNGLE JUNGLE」からなるもので、「ジャングル」と「JUNGLE」とをそれぞれ2回繰り返したに過ぎないものであるから、需要者の記憶に強く印象づけられている請求人の「ジャングル」と「JUNGLE」を容易に連想し、当該商品が請求人の商品と出所を同じくするかの如く混同が生じるおそれがある。
また、仮に本件商標と引用商標とが非類似であるとしても、引用商標及び「JUNGLE」「ジャングル」の著名性から出所の混同を生ずることに変わりはない。
(4)以上のように、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第11号又は同第15号に該当するものであるから、商標法第46条第1項の規定により無効とされるべきである。
被請求人は、結論同旨の審決を求める、と答弁し、その理由を要旨次のように述べ、乙第1号証ないし乙第9号証を提出した。
(1)商標法第4条第1項第11号について
(イ)本件商標と引用商標との称呼上の比較
本件商標は、その構成より「ジャングルジャングル」の称呼を生じる。
これに対して、引用商標は「KENZO JUNGLE」の欧文字を書してなり、該文字は同じ大きさ、同じ書体で外観上まとまりよく、また軽重の差なく一連に記載されている。さらに、これより生じる「ケンゾージャングル」の称呼も決して冗長ではなく、よどみなく一連に称呼し得る一体不可分ものである。従って、引用商標は、全体を2つの部分に分離して観察するような要素は何も存在せず、常に「ケンゾージャングル」の称呼を生じる。
そして、請求人の主張中、「高田賢三」氏が服飾デザイナーとして著名で、被服関係の分野で広く知られていることは被請求人において不知である。
また、本件商標の指定商品である「せっけん類,香料類,化粧品,歯磨き」の分野に於いて、我が国の取引者、需要者間において、「高田賢三」氏が広く認識され周知、著名であるとの主張は争う。更に、本件商標「ジャングルジャングル」又は「JUNGLE JUNGLE」が引用商標と商品の出所の混同を生じる事実は全くない。
なお、請求人は本件商標の指定商品が属する分野に於いて、「KENZO」又は「JUNGLE」が周知、著名である証拠として甲第4号証ないし甲第8号証を提出している。しかしながら、甲第4号証ないし甲第8号証は、いずれも本件商標の出願日以後の証拠に係るものである。
従って、甲第4号証ないし甲第8号証は、本件商標が属する指定商品の分野に於いて、「KENZO」又は「JUNGLE」ブランドの著名性を立証する証拠資料とはなり得ないものである。
よって、引用商標からは常に「ケンゾージャングル」の称呼が生じ、「ジャングル」の称呼を生じない。
本件商標の称呼「ジャングルジャングル」と引用商標の称呼「ケンゾージャングル」とを比較すると、両商標は後半部に於いて「ジャングル」の各音を共通にするとはいえ、識別上最も重要な要素を占める語頭部に於いて「ジャングル」と「ケンゾー」との差異を有するものである。
従って、その相違が、本件商標と引用商標の全体の称呼に与える影響は極めて大きく、両商標を一連に称呼した場合、その語韻語調が明らかに相違し、互いに相紛れるおそれのない、非類似の商標である。
また、仮に引用商標から「ジャングル」の称呼が生じるとしても、引用商標と本件商標とは非類似の商標である。
そこで、本件商標の称呼「ジャングルジャングル」と引用商標の称呼「ジャングル」とを比較すると、本願商標は8音で構成されているのに対し、引用商標は4音で構成され、両商標は構成音数に顕著な差異を有するものである。この相違が本願商標と引用商標に与える影響は極めて大きく、その音構成、音数の差等により、それぞれ一連に称呼するも明確に聴別し得る非類似の商標である。
また、本件商標「ジャングルジャングル」と引用商標「ジャングル」が称呼において非類似の商標であることは、審決例及び審査例からも明白である(乙第1号証ないし乙第9号証)。
(ロ)本件商標と引用商標との外観上の比較
本件商標は、片仮名文字と欧文字を二段に書してなるものであるから、欧文字のみよりなる引用商標とは外観上明確に区別し得る。
従って、本件商標と引用商標とは外観上、非類似の商標であることは明白である。
(ハ)本件商標と引用商標との観念上の比較
本件商標と引用商標は共に特定の観念を有しない造語である。
従って、本件商標と引用商標とは観念においても全く異なる非類似の商標である。
(2)商標法第4条第1項第10号について
本件商標と引用商標とは、非類似の商標であるとともに、引用商標及びその構成部分が本件商標の登録出願時において既に周知著名であった事実は全く立証されていない。
従って、本件商標は商標法第4条第1項第10号に該当しない。
(3)商標法第4条第1項第15号について
本件商標と引用商標とは、非類似の商標であって、他に商品の出所の混同を生ずるものとすべき格別の事情も見出し得ないものである。従って、本件商標と引用商標が商品の出所の混同を生じないことは明白であり、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、「ジャングルジャングル」、「JUNGLE JUNGLE」の文字よりなるところ、その構成は、「ジャングル」、「JUNGLE」の文字を繰り返し表示されたものと想起される場合があるとしても、全体の文字は同じ大きさ、同じ書体で外観上まとまりよく、一連に表示されているばかりでなく、これより生じる「ジャングルジャングル」の称呼も淀みなく滑らかに称呼し得るものであるから、これに接する取引者、需要者をして、一連の造語よりなるものと認識、理解しその構成文字に相応し「ジャングルジャングル」の称呼のみを生じるものというのが相当である。
これに対して、引用商標は「KENZO JUNGLE」の文字よりなるところ、該文字は同じ大きさ、同じ書体で外観上まとまりよく、軽重の差なく一連に表示されているばかりでなく、これを、殊更、分離観察してみなければならない特別の理由も見あたらないから、「ケンゾージャングル」の称呼のみを生ずるものと判断するのが相当である。
そうとすれば、本件商標より生ずる「ジャングルジャングル」の称呼と引用商標より生ずる「ケンゾージャングル」の称呼とは、前半部において「ジャングル」と「ケンゾー」の音の差異を有するものであるから、明らかに聴別し得るものである。
また、本件商標と引用商標とは、外観において区別し得る差異を有するものであり、両商標は、いずれも特定の意味を有しない造語よりなるもの理解されるものであるから、観念においては比較することはできない。
してみれば、本件商標と引用商標とは、その称呼、外観、観念のいづれにおいても非類似の商標といわざるを得ない。
(2)商標法第4条第1項第10号について
本件商標と引用商標とは、前記したとおり、非類似の商標であり、本件商標と類似する標章が使用され周知著名であるとする証左はない。
(3)商標法第4条第1項第15号について
請求人の提出した甲第2号証及び甲第3号証をみるに、高田賢三は、服飾デザイナーであり、請求人はその略称と認め得る「KENZO」(やや図案化してなる。)の文字よりなる標章を被服関係の商品に使用していることが認められる。また、甲第4号証及び甲第5号証をみるに、請求人は「KENZOJUNGLE」若しくは「ケンゾージャングル」の文字よりなる標章を商品「香水」に使用している事実は認められる。
さらに、甲第7号証及び甲第8号証をみるに、商品の注文一覧表の「ブランド」の項に「ケンゾー」、「商品名」の項に「ジャングル」の文字を使用している事実は認め得るとしても、その使用時期、販売量、広告宣伝の実情等明らかにしていないから、この使用のみをもって「JUNGLE」若しくは「ジャングル」が本件商標の登録出願時には、広く知られ周知著名に至っていたものと認めることはできない。
してみれば、被請求人が本件商標をその指定商品に使用しても、その商品が請求人又は同人と何らかの関係がある者の業務に係る商品であるかのように商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第11号及び同第15に違反して登録されたものでないから、商標法第46条第1項の規定により、その登録を無効とすることはできない。
よつて、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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