結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 平成11年審判第30648号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第1678525号商標(以下「本件商標」という)は、「マイルストーン」の文字を書してなり、昭和56年6月30日に登録出願され、第21類「装身具、ボタン類、かばん類、袋物、宝玉およびその模造品、造花、化粧用具」を指定商品として、昭和59年4月20日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
請求人は、「本件商標の登録は、その指定商品中『バンド類、かばん類、袋物、化粧用具』についての登録を取消す、審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求め、その理由を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び同2号証を提出している。
請求人の調査によれば、本件商標は、指定商品中「バンド類、かばん類、袋物、化粧用具」につき継続して3年以上日本国内において使用されていないのみならず、本件商標を使用していないことについて何等正当な理由が存することも認められない。
加之、本件商標について専用使用権の設定又は通常使用権許諾の登録もないのであるから、使用権者による使用ということも問題にならないので、ここに請求人は商標法第50条第1項の規定に基づき本件商標の登録取消審判を請求する。
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として、登録商標の使用説明書及び乙第1号証ないし同6号証(枝番も含む。)を提出している。
(1)平成11年5月28日付けの審判請求書によれば、請求人は、商標法第50条第1項の規定により本件商標の指定商品中「バンド類、かばん類、袋物、化粧用具」についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求めている。
(2)しかしながら、本件商標は、本件審判の予告登録日である平成11年6月23日前3年以内に日本国内において、添付する登録商標の使用説明書の通り、本件商標の通常使用権者(商標の登録原簿には未登録)が、本件審判の請求に係る指定商品中の商品について使用した事実があるから、本件審判の請求には理由がなく、商標法第50条第2項の規定により、その請求は成り立たないものである。以下、その理由を詳しく説明する。
(3)被請求人は、主として衣服を中心に身飾関連品を取り扱っており、ファッションの街、東京・原宿(正式な町名は神宮前)に本店を構えている(乙第1号証)。
一方、被請求人の関連会社である株式会社メッセージは、衣服を中心に身飾関連品の店舗を経営しており(乙第2号証)、本件商標の通常使用権者として、その取り扱う商品に使用していた(商標の登録原簿には未登録、以下、株式会社メッセージを使用権者という)。使用権者が経営する店舗は、東京・原宿の竹下通りにある店名を「LIP HIP」と称する店舗(乙第3号証)や最先端を行くと言われている東京渋谷のファッションビル「109」に店名「LastSceneGirl」の他に若者に人気のある丸井やパルコに店舗を展開している。
(4)登録商標の使用説明書にあるように、商標の使用場所として記載してある「LIP HIP」と称する店舗は、上述する東京・原宿の竹下通りにある店を言い、乙第3号証の写真(1)は、原宿駅側から竹下通りの入口近くを撮影したものであり、原宿駅側から向かってほぼ中程右側に、写真(2)にあるように「LIP HIP」の看板がある店がその店舗(店長は長吉 司、住所は渋谷区神宮前1−16−7)である。
(5)この使用説明書に示す商品「リュック」は、使用権者が「LIP HIP店」において、指定商品「かばん類、袋物」に含まれるものとして平成9年5月の夏物セール品として販売した。
即ち、平成9年4月23日に株式会社パンプキン(以下、依頼先という)にリップ店用として、「リュック」のスケッチを描き、また、使用ブランド「マイルストーン」や価格、納期、数量などの事項を記載した注文書(乙第4号証の1)を渡し、予定通り同年5月10日に依頼先から使用権者の株式会社メッセージに納入された。
そして、その納品書を兼ねる同日付けの請求書には、整理番号NO.30540で宛先「Lip Hip」として、数量50個が記載されている(乙第4号証の2)。
別紙の登録商標の使用説明書に示す写真は、使用権者の担当者岡が保管していた見本を撮影したものであり、本件商標及びその欧文字「Milestone」の文字が白抜きの表示により、商品の「リュック」に明瞭に付されている。
なお、この答弁書に添付した写真は、使用権者の総務担当の長沼奈津子が平成11年8月27日に撮影したものである。
(6)乙第4号証の3に示す平成9年5月15日付け請求書は、使用権者の経理が毎月15日締めであるためであり、これによれば、依頼先は、当月締め分として、同年5月10日(N0.30540)に商品「リュック」を納入したことが分かり、これ以外に「Lip Hip」店用の商品を3回納入したことが判明する。
また、この5月15日付け依頼先の請求は、乙第4号証の4及び乙第4号証の5に示す使用権者の「LIP HIP」と題する手形支払と現金支払に分けた帳簿における取引先名「パンプキン」の記載から明確である。
乙第4号証の6及び乙第4号証の7は、使用権者の平成9年6月と7月の振込先のデータ内容確認(東京三菱銀行の振込済みデータ)であり、依頼先の株式会社パンプキンには2回に分けて東京三菱銀行の青山支店から振込んでいる。振込み金額が異なるのは、同社と継続した取引のためである。
なお、詳しいデータが必要な場合は、使用権者の財務担当である羽根の説明書などを提出する用意がある。
このように乙第4号証の1〜7に係る証拠は、使用権者がその商品「リュック」につき、平成9年5月に本件商標を使用した事実を裏付ける資料である。
(7)乙第5号証の1は、上述する「リュック」の依頼と同時に依頼先の株式会社パンプキン宛に注文した「ポシェット」の注文書である。この商品「ポシェット」は、納期の平成9年5月10日に間に合わず、2日遅れの同年5月12日に納入された。その請求書が乙第5号証の2であり、整理番号NO.30614で納入されている。
そして、乙第4号証の3に示す同年5月分の請求書に記載されており、上述する乙第4号証の4〜7において、その請求代金は支払い済みであることが明らかである。
この「ポシェット」は、スケッチに示すように、本件商標及びその欧文字「Milestone」の文字を表示してあるが、その注文数が15個と少なかったため、現在その商品は、使用権者である株式会社メッセージの手元に存在しないが、乙第4号証の4〜7などから本件商標を平成9年5月に商品「ポシェット」に使用したことは明らかである。
(8)なお、請求人は、審判請求書において、「本件商標について専用使用権の設定又は通常使用許諾の登録もないものであるから、使用権者による使用ということも問題にならない」と主張されているが、通常使用権者による登録商標の使用については事実上の使用許諾があればよくその登録は不必要であり、この請求人の主張は理解し難いものである。
(9)このように本件商標は、本件審判の予告登録日である平成11年6月23日前3年以内である平成9年5月10日に日本国内において、通常使用権者である株式会社メッセージが、本件審判の請求に係る商品「リュック」について少なくとも使用していた事実があるから、本件審判の請求には理由がなく商標法第50条第2項の規定により、その請求は成り立たないものである。
被請求人提出に係る各乙号証をみるに、先ず、通常使用権は、商標権者が他人にその商標権について使用の許諾をすることにより発生するものであり、商標登録原簿に登録されることが効力を生ずる要件とはなっていないところ、株式会社メッセージが本件商標の通常使用権者であることの被請求人の主張、及び乙第1号証及び同2号証の有限会社ワイコーポレーションと株式会社メッセージの現在事項全部証明書によれば、有限会社ワイコーポレーションの取締役の持田光明は、株式会社メッセージの代表取締役でもあり、株式会社メッセージは、有限会社ワイコーポレーションの関連会社と認められ、本件商標の通常使用権者であるというのが相当である。
そして、乙1号証ないし同6号証を総合勘案すれば、本件商標は、通常使用権者により、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において本件商標と社会通念上同一と認められる商標を、請求に係る指定商品中の「リュック」、「ポシェット」について通常使用権者により使用されていたものと認めることができる。
なお、請求人は、被請求人の答弁に対し何ら弁駁するところがない。
したがって、本件商標の指定商品中、請求に係る商品についての登録は、商標法第50条の規定により取消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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