結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 無効2000−35212(T2000−35212/J3) |
|---|---|
| 審判種別 | 無効 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第4115945号商標(以下、「本件商標」という。)は、別掲に表示したとおり、やや図案化した「MINIVAN」の欧文字を書してなり、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,運動用特殊衣服,運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。)」を指定商品として、平成8年5月29日に出願され、同10年2月20日に設定登録されたものである。
請求人が、本件商標を商標法第4条第1項11号に該当するものとして、その登録無効の理由に引用する登録商標(以下、「引用各商標」という。)はつぎのとおりである。
(1)平成4年2月7日に出願され、別掲に表示したとおり、「MINIMAN」の欧文字を書してなり、第17類「被服(運動用特殊被服を除く)布製身回品(他の類に属するものを除く)寝具類(寝台を除く)」を指定商品として、同6年5月31日に設定登録された登録第2668408号商標(以下、「引用商標A」という。)
(2)平成6年1月19日に出願され、別掲に表示したとおり、「MINIMAN」の欧文字を書してなり、第25類「履物,被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同9年1月31日に設定登録された登録第3254269号商標(以下、「引用商標B」という。)
(3)平成5年12月17日に出願され、別掲に表示したとおり、「MINIMAN」の欧文字を書してなり、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同9年1月31日に設定登録された登録第3254268号商標(以下、「引用商標C」という。)
(4)平成7年1月6日に出願され、別掲に表示したとおり、「ミニマン」の片仮名文字を書してなり、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同9年12月19日に設定登録された登録第4094373号商標(以下、「引用商標D」という。)
請求人は、本件商標の登録は、これを無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第8号証を提出している。
(1)理由の要点
本件商標は、別掲に表示したとおりの外観からなり、そこから「ミニバン」の称呼が生ずる。また、引用各商標はそれぞれ別掲に表示したとおりの外観からなり、そこから「ミニマン」の称呼を生ずるものである。したがって、本件商標と引用各商標とは、外観・称呼において類似する商標であり、また、指定商品も互いに抵触するものである。
(2)無効事由
本件商標は、以下の理由から明らかなように、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、同法第46条第1項第1号によって無効にすべきものである。
(3)無効原因
上記の引用各商標は、請求人であるジャック ジョネ エス アーが、フランスをはじめとする欧米、アジア各国で、カジュアルウェアを中心とする衣類、靴等に長年使用している商標であり、請求人の商品であることを表示するものとして広く知られており、日本においても雑誌等に広告され、知られているものである(甲第4号証ないし甲第6号証)。
引用各商標はそれぞれ上記のような構成からなり、そこから「ミニマン」の称呼、そして「小さな人・男」ほどの観念がそれぞれ生ずる商標である。
一方、本件商標は、特徴のある書体で書かれたアルファベット「MINIVAN」の外観からなる構成であり、そこから「ミニバン」の称呼を生じ、またそこから特定の意味観念は生じない商標である。
以上のことから、本件商標と引用各商標の類否判断をするにおいて、外観においては、引用商標A及びBのと本件商標とは、ともに前半部の「MINI」の文字を共通にし、また後半部においても、アルファベットの「M」を「V」に変えたに過ぎず、全体として観察した場合、非常に紛らわしいものとなる。
つぎに、称呼においては、本件商標から生ずる称呼「ミニバン」と引用各商標から生ずる「ミニマン」は、共に4音の簡潔な音構成からなる商標である。そして、両商標における共通の語頭部、すなわち「ミニ」の部分は、語頭部であるから識別上重要な要素を占め、また強く印象される部分であり、また発音される時には語頭から一気に強く発音されることから、通常強く聴覚される部分である。
また、本件商標から生ずる称呼「ミニバン」における語頭部に続く「バ」の音部分は、両唇音の有声破裂音[b]と母音[a]の綴音である一方、引用各商標から生ずる称呼「ミニマン」における語頭部に続く「マ」の音部分は、両唇音の有声・鼻音[m]と母音[a]の綴音であるから、両者は共に母音[a]を同じくするものであり、また子音においても調音点を同じくするものである。
したがって、このような子音と母音よりなる「バ」と「マ」の音は全体として極めて相共通した性質を有する音である。
さらに、この「バ」又は「マ」の音部分は、強く発音され、強く印象される語頭部に続く部分であるから、そのような強い音を持つ語頭の音に比べると、全体的印象(音感)が薄くなる部分であり、また両商標は語尾部においては、共通の称呼「ン」を生ずるものである。
そうすると、共に4音という短い音構成からなる両商標をそれぞれ一連に称呼するときは、強く聴覚される共通の語頭部「ミニ」と共通の語尾部「ン」の間に介在して比較的聴取し難い第3音における「バ」と「マ」の微差は全体の等しい語韻語調の中に埋没し、その結果全体として音感が非常に類似し、その印象も同じものとなるから、両商標それぞれを時と所を異にして、一連に称呼する場合には、語調、語感が極めて類似したものとなり、これに接する取引者・需要者は、近似した音として聞き誤るおそれがあるものといわざるを得ない。
このことは、過去の審決例よりも明らかである(甲第7号証ないし甲第8号証)。
してみれば、本件商標は、外観及び称呼において引用各商標と類似するものであって、かつ、指定商品も同一の指定商品を含むものであるから、本件商標は商標法第4条第1項第11号の規定に違反してなされたものであり、無効にすべきものである。
被請求人は、本件審判請求に対して、何ら答弁するところがない。
(1)本件商標は、その構成別掲に表示したとおり「MINIVAN」の欧文字を書してなり、一方、引用各商標は、その構成別掲に表示したとおり、「MINIMAN」の欧文字(引用商標AないしC)及び「ミニマン」の片仮名文字(引用商標D)を書してなるところ、両者の構成前半の「MINI」又は「ミニ」の文字(語)は「小さい、小型の」、そして、本件商標の構成後半の「VAN」の文字(語)は「後部を荷台にした箱形の自動車」、及び引用各商標の構成後半の「MAN」又は「マン」の文字(語)は「人間、男性」等の意味をそれぞれ有する外来語として通常の知識を有する者であれば係る意味を理解できるものである。
してみると、本件商標の構成文字全体からは「小型のバンタイプの自動車」ほどの観念を生じるさせるものであり、仮に、指定商品との関係において「VAN」の文字(語)が特定の意味合いを想起しないとしても、「MINI」「VAN」の両文字(語)を組み合わせ一連に表現させたものと容易に理解させるものである。一方、引用各商標は、「MINI」「MAN」又は「ミニ」「マン」の各々語を組み合わせたものと容易に理解させるものであって、構成文字全体からは「小さな人(男)」ほどの観念が生じるものと認められるものであるから、両者は観念上の混同を生じる余地のないこと明かである。
(2)つぎに、外観の点についてみるに、両者は共に欧文字7字により構成されてなり、その構成各文字は上述したように係る意味をもって「MINI」と「MAN」又は「MINI」と「VAN」とにそれぞれ分かち看取し把握されるものである。
してみれば、平易な英語である各文字の綴りを記憶し難いものとはいえないところであって、両者の構成文字を取引の指標とする場合においては、その意味からの連想作用よりして前後半に分かち全体の綴り文字を記憶、印象するものであり、構成後半部における「M」と「V」の綴り字の差異は十分に識別できるものであるから、両者は、時と所を異にしても相紛れるおそれのない外観上非類似の商標というべきである。
(3)さらに、称呼の点についてみるに、本件商標は、その構成文字よりして「ミニバン」と称呼され、一方、引用各商標は、その構成文字よりして「ミニマン」と称呼されるものであり、両称呼は第3音において、有声両唇破裂音の〔b〕と母音〔a〕とを結合した音である「バ」、有声両唇通鼻音〔m〕と母音〔a〕とを結合した音である「マ」の音に差異を有しているものである。
そして、両音は、帯有する母音と子音における調音点を共通にするとしても、「ミニバン」の称呼における「バ」の音は濁音として強い響きをもつ音であり、他の構成音「ミニ」「ン」と比して強く発音され明瞭に聴取されるものである。一方、「ミニマン」の称呼は全体として抑揚なく平滑に発音されるものというのが自然であるから、第3音における音質及び強弱の差異が共に短い4音構成からなる全体としての称呼に及ぼす影響は大きく、両称呼をそれぞれ一連に称呼しても聴感著しく相違し、互いに聴別できるものというのが相当である。
(4)このほか、本件商標と引用各商標とを類似のものとすべき事由は見出せない。
してみれば、本件商標と引用各商標とは、上述のとおり、その外観、観念及び称呼のいずれにおいても相紛れることのない非類似の商標といわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものでないから、同法第46条第1項の規定により登録を無効とすることはできない。
なお、請求人は審決例を挙げ両商標が類似すること明かである旨述べているが、これら事例をもって、前記の判断を左右するものとは認め難いから、その主張は採用できない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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