sokuhyo

Trademark Appeal Case

不使用取消の証拠性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成11年審判第30450号
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第2317299号商標の指定商品中、第24類「おもちゃ、人形、娯楽用具」については、その登録は取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

1.本件商標

本件登録第2317299号商標(以下、「本件商標」という。)は、「ピュー」及び「PIU」の文字を二段に横書きしてなり、第24類「運動具、釣り具、その他本類に属する商品」を指定商品として、昭和63年12月23日出願、平成3年6月28日に設定登録されたものである。

2.請求人の主張の要点

請求人は、結論同旨の審決を求め、(1)のとおり述べ、証拠方法として甲第1号証乃至同第2号証及び参考資料を提出するとともに、被請求人の答弁に対し、(2)以下の旨弁駁した。

(1)本件商標は、その指定商品中、「おもちゃ、人形、娯楽用具」については、商標権者、専用使用権者及び通常使用権者のいずれもが継続して3年以上日本国内において使用した事実がないから、商標法第50条第1項の規定により、当該指定商品についての登録を取り消すべきである。

(2)被請求人は、答弁書において、甲第1号証乃至同第4号証(乙第1号証乃至同第4号証の誤記であり、以下、乙第1号証乃至同第4号証に訂正する。)を提出し、本件商標が、請求に係る商品について過去3年以内に使用された旨主張しているが、乙第1号証乃至同第4号証をいくら精査しても、本件商標「ピュー」「PIU」を商品「おもちゃ、人形、娯楽用具」について過去3年以内に使用していることを確認できない。

乙第1号証は、本件商標の被請求人である商標権者とは異なる「イワタニライフアップ株式会社」という別会社の「会社案内」である。

被請求人は、この会社案内をもって、この別会社が、本件商標に関して通常使用権を有し、同社が、本件商標を商品「おもちゃ、人形、娯楽用具」に使用していると主張する意図のようである。

しかしながら、同社が、通常使用権を有しているか否かはともかく、

(a)「会社案内」という書類は、会社の概要、業務内容等が記述されているものであって、商標法第2条第3項第7号にいう「商品に関する広告」に該当する文書ではなく、「会社案内」中に商標部分が表示されているとしても、それが「商標の使用」とはいい難い。

しかも、乙第1号証の「会社案内」が、いつ頃印刷され、またいつ頒布されたのか全く不明である。

従って、本件商標を過去3年以内に使用したものか否かの確認のしようがない。

また、乙第1号証の「会社案内」によれば、上記会社が、その直営店舗「キッチンPiu八丁堀店」、「Piu下北沢店」で「生活雑貨、パーソナルギフト」を取扱っている旨の記述があるが、その中に、具体的に「おもちゃ、人形、娯楽用具」を販売しているとの記載はなく、「生活雑貨、パーソナルギフト」に如何なる商品が含まれているのか全く不明である。

さらに、この乙第1号証から、「Piu」(頭文字をロ一マ字の大文字「P」とし、これに続くロ一マ字を小文字「iu」としているが、本件商標「ピュー」「PIU」とは、称呼類似であり、実質的に本件商標と同一視することもできる。)あるいは「キッチンPiu」が、「イワタニライフアップ株式会社」の直営店舗名として看板(玄関表示)に表示されていることは理解できるとしても、登録商標は、その指定商品との関係において、具体的に使用されていなければ、「登録商標の使用」とはいえず、この看板には、具体的な商品が明示されておらず、また個々の商品にも本件商標が付されているとは思えないので、本件商標と商品との関係が不明である。

被請求人の考え方を採用すると、店舗内に置かれている物は、値札等も付いておらず、単に店内装飾用のもの(例えは壁に掛けた絵、観葉植物、フロアーマット等)であっても、全て「商標法上の商品」であるということになり、クリスマス時期に店内に飾られる「クリスマスツリー」も商品であるということになってしまい、これが不当なことはいうまでもない。

従って、乙第1号証は、本件商標「ピュー」「PIU」を、その指定商品中、「おもちゃ、人形、娯楽用具」について過去3年以内に使用していることを何ら立証するものではない。(b)乙第2号証は、乙第1号証の「会社案内」で述べられている店舗「キッチンPiu」の玄関及び店内を撮影した写真であるが、この写真がいつ撮影されたのか不明であり、かつ、当該写真中の玄関部分に「KITCHEN Piu」の表示がなされているものの、この表示中には、具体的な商品が明示されておらず、また店内におかれている物の中には、「おもちゃ、人形、娯楽用具」は見当たらない。

従って、この乙第2号証からも、本件商標「Piu」を、その指定商品中、「おもちゃ、人形、娯楽用具」について過去3年以内に使用しているものとは、到底認めることができない。

(4)また、乙第3号証乃至同第4号証の包装袋及び包装紙についても、「KITCHEN Piu」の表示が認められるものの、具体的な商品との関係が全く不明であり、また、誰が使用しているのかもわからず、「おもちゃ、人形、娯楽用具」についての使用を何ら立証するものではない。

(5)ところで、本件商標とは別に、請求人は、被請求人が所有する同じ第24類「運動具、釣り具、その他本類に属する商品」を指定商品とし、ローマ字で「Piu」と書してなる登録第2355107号商標についても、同様に、その指定商品の一部、すなわち、「おもちゃ、人形、娯楽用具」についての不使用による登録の取消しを求めて、本件審判請求と同時に審判平11−30449号として、審判請求を行った。この登録第2355107号商標「Piu」は、本件商標「ピュー」「PIU」の連合商標として登録されたものである。

そして、本件審判請求において被請求人が提出している各証拠(乙第1号証乃至同第4号証)は、この審判平11−30449号において、被請求人が提出した証拠(乙第1号証乃至同第4号証)と全く同一である。

しかるに、この審判平11−30449号の審判については、平成12年5月30日付けで別紙審決書(参考資料1)のとおりの審決が出されている。

即ち、審決を要約すると、

「(1)乙第1号証の会社案内には、本件取消請求に係る指定商品は、何ら掲載されていないから、これをもって使用の事実を認めることはできない。

(2)乙第2号証の写真は、店舗の看板や店内の展示商品が撮影されているが、本件取消請求に係る指定商品は何ら見出せない。

(3)乙第3号証の包装紙に貼付した宛名ラベルは、いかなる商品を包装し、取引したか不明で、これにより本件商標を取消請求に係る指定商品について使用していた事実を認めることができない。

(4)乙(甲)第4号証の包装紙も、これのみでは「おもちゃ、人形、娯楽用具」を取り扱った事実を立証できない。

なお、クリスマス時期に店内において飾られるクリスマスツリーが「商標法上の商品」でないことはいうまでもない。

従って、被請求人提出の証拠を総合しても、本件商標が、その指定商品中の取消請求に係る「おもちゃ、人形、娯楽用具」について、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において使用された事実を認めることができないので、本件商標は、その指定商品中、「おもちゃ、人形、娯楽用具」についての登録を取り消すべきである。」というものである。

翻って、被請求人が、商標の使用を立証せんとする証拠が、上記審決に係る審判と全く同一の本件審判請求において、異なる判断がなされるべき理由は、全く見当らない。

以上述べたところから明らかなとおり、被請求人が提出した証拠、乙第1号証乃至同第4号証は、いずれも商標権者又はそれ以外の使用権者が、本件商標「ピュー」「PIU」を、その指定商品中、「おもちゃ、人形、娯楽用具」について過去3年以内に使用していることを何ら立証するものではなく、「おもちゃ、人形、娯楽用具」についての不使用は明々白々であるから、上記審判平11−30449号の審決をも参照のうえ、請求の趣旨のとおりの審決を求める。

3.被請求人の主張の要点

被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求め、概略次のように述べ、証拠方法として乙第1号証乃至同第4号証を提出した。

請求人は、被請求人が、本件商標を、その指定商品中、「おもちゃ、人形、娯楽用具」に継続して3年以上日本国内において使用していないから、当該指定商品についての登録を取消すべきだと主張しているが、本件商標は、請求に係る商品について、3年以内に日本国内で使用している。

即ち、各証拠に示すとおり、本件商標「Piu」を、店の看板として、あるいは、包装紙、包装用袋に使用している。

包装用袋に貼付された宛名ラベルには、平成11年6月1日に使用されたことが、明確に記されている。

また、乙第1号証に示すとおり、「キッチンPiu」の店舗では、生活雑貨、ギフト用品を販売しており、これらの中に、指定商品「おもちゃ、人形、娯楽用具」が含まれている。

さらに、各証拠には、表示されていないが、クリスマスの時期には、店内にクリスマスツリーが飾られており、このことも、本件商標の使用に該当する。

上記の事実から、本件商標が、3年以内に使用されていることは、明白である。

よって、答弁の趣旨のとおりの審決を求める。

4.当審の判断

商標法第50条による商標登録の取消審判の請求があったときは、同条第2項の規定により、被請求人において、その請求に係る指定商品について当該商標を使用していることを証明し、または、使用していないことについて正当な理由があることを明らかにしない限り、その登録の取消しを免れない。

しかるところ、被請求人は、本件商標を指定商品について使用していると主張し、乙第1号証乃至同第4号証を提出したものの、請求人による上記2.(2)以下の弁駁に対し、何ら答弁していない。

そして、同人の提出に係る全証拠を徴するに、本件商標を請求に係る商品に使用している事実は、何ら立証されていない。

してみれば、本件商標は、商標権者等によって、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、取消請求に係る指定商品について使用されていなかったものと認めざるを得ない。

したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、これを取り消すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。