結論テキスト
審判費用は被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 平成11年審判第35733号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第4225200号商標(以下「本件商標」という。)は、「AirBus」の文字(標準文字)を書してなり、平成9年9月11日に登録出願、第9類「電気通信機械器具、電子応用機械器具及びその部品」を指定商品として、同10年12月25日に設定登録されたものである。
請求人は、本件商標の登録を無効にする。審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次のとおり述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし同第24号証を提出した。
本件商標は、商標法第4条第1項第15号、同第19号及び同第8号の規定に違反して登録されたものであるから,同法第46条の規定により無効とされるべきものである。
(1)本件商標が商標法第4条第1項第15号の規定に違反して登録された理由について、
請求人は甲第2号証ないし同第6号証として示す登録商標を所有する者であって、甲第2号証の1として示す登録第1806621号商標は、円輪郭と円弧からなる幾何的図形と「AirBus」の欧文字からなり、第12類「航空機、その部品」を指定商品とし、昭和56年8月19日出願、同60年9月27日登録されたものである。甲第3号証の1として示す登録第2720573号商標は「AirBus」の欧文字からなり、第12類「航空機、その部品及び附属品」を指定商品とし、昭和62年7月22日出願、平成9年4月18日登録されたものである。
しかして、請求人「ダイムラークライスラー エアロスペース エアバス ゲゼルシャフトミット ベシュレンクテル ハフツング」(旧名称「ダイムラーベンツ エーロスペース エアバス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクチル ハフツング)が「エアバス・インダストリー」(「AIRBUS INDUSTRIE」はヨーロッパ各国の協同で設立された会社であり、「エアバス社」とも言われている。)の構成員であること及びエアバス・インダストリーの商標登録を受け得る者(登録名義人)であることが甲第7号証の2及び同第11号証の2によっても明らかなところである。
そして、航空機についての商標「AirBus」が我が国の他、アメリカ、イギリス、ドイツ、オーストラリア等35ケ国以上の多数国にその登録がされている(平成7年3月現在で「AIRBUS」の商標登録出願がされいる国のリストが甲第11号証の13ないし同号証の17である)ところであり、航空機についての商標「AirBus」は、例えば「ボーイング社」の「BOEING」、「ロッキード社」の「LOCKHEED」の如く、「エアバス・インダストリー社」の航空機についての全世界における著名な商標となっているところであり、このことは甲第7号証ないし同第10号証、甲第12号証ないし同第17号証、同第18号証の2、同第22号証及び同第23号証によっても明らかである。
一方、航空機が生産される場合に電気通信機械器具及び電子応用機械器具が必要不可欠の商品(機器)であることはいうまでもないところであって、航空機は電気通信機械器具及び電子応用機械器具と極めて密接な関係にあることは明らかである。
したがって、航空機について使用された結果、全世界に著名になっている登録商標「AirBus」と同一の構成に係る本件商標「AirBus」は、これを当該商標権者がその指定商品「電気通信機械器具及び電子応用機械器具」に使用するときは、その商品が恰もエアバス・インダストリーの構成員である請求人又はエアバス・インダストリ一社の業務に係る商品であるかの如く、その出所について混同を生じさせるおそれがあるものである。してみると、本件商標の登録は商標法第4条第1項第15号の規定に違反してなされたものであるから、取り消されるべきものである。
(2)本件商標が商標法第4条第1項第19号の規定に違反して登録された理由について、
本件商標は、前述のとおり、エアバス・インダストリー(AIRBUS INDUSTRIE)の業務に係る航空機を表示するものとして全世界の需要者の間に広く認識されている商標「AirBus」と同一の商標であるから、これを本件商標の商標権者が自己の業務に係る商品「電気通信機械器具及び電子応用機械器具」(航空機と密接な関係にある)に使用しようとして採択したことは他人の商標の著名性を自己の利益に利用しようとしたもので、いわゆるフリーライドであって、不正な目的によるものといわざるをえない。
したがって、本件商標の登録は商標法第4条第1項第19号の規定に違反してなされたものであるから、取り消されるべきものである。
(3)本件商標が商標法第4条第1項第8号の規定に違反して登録された理由について、
請求人が「AIRBUS INDUSTRIE」(エアバス・インダストリ一社)の構成員であることは前述したとおりで、甲第7号証の2(下段に記述されている)によっても明らかなところであり、「AIRBUS INDUSTRIE」なる名称が「BOEING」(ボーイング社)や「LOCKHEED」(ロッキード社)と共に全世界に著名であることは改めて述べるまでもないが、この名称は甲第7号証ないし同第10号証に説明され、また甲第12号証ないし同第23号証に表示されているように使用され、これと並行して「AIRBUS」又は「エアバス」の文字がその略称をあらわすものとしても使用され、これも亦全世界の人々に広く知られているところである。
しかして、本件商標「AirBus」が「エアバス」の称呼を生ずるものであることは明らかであり、これは「AIRBUS INDUSTRIE」(エアバス・インダストリー)の略称をあらわす「AIRBUS」から生ずる「エアバス」の称呼に合致するものであるから、本件商標は他人の名称の著名な略称を表すものといわざるをえないものであって、その他人の承諾を得ていないものである。したがって、本件商標は商標法第4条第1項第8号の規定に違反してなされたものでもあるから、取り消されるべきものである。
被請求人は、2に対し何等答弁していない。
本件商標「AirBus」の文字は、「エアバス・インダストリー社」の業務に係る航空機を表すものとして使用されており、同社の製造する航空機は、わが国をはじめ、世界各国の航空会社によって、採用されている事実が認められる。
ところで、航空機「AirBus」の開発にあたっては、1969年の独仏政府による共同開発プロジェクト計画の契約に端を発し、その後、オランダ、スペイン、英国等がプロジェクトに次々と参加を表明し、その都度わが国においても話題となり、注目されている。
そして、本件審判の請求人である「ダイムラークライスラー エアロスペース エアバス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング」は、上記プロジェクトに当初から参加し、「エアバス・インダストリー社」の構成員である(甲第11号証の2)でばかりでなく、「AirBus」の商標、商号は、同社に由来するものであり、商品「航空機」について、わが国の外、米国、英国等35カ国以上の国々に商標登録出願がなされている(甲第11号証の13ないし17)。また、同社は、「エアバス・インダストリー社」に該商標の排他的使用権を付与している(甲第11号証の3)。
してみると、「AirBus」は、「エアバス・インダストリー社」の製造に係る航空機を表すものとして、取引者・需要者間において、広く認識されているものと認められる。
他方、本件商標は、「AirBus」の文字よりなるものであって、その指定商品は、航空機製造において何らかの関係を有する第9類に属する「電気通信機械器具、電子応用機械器具およびその部品」を指定するものであるから、本件商標をその指定商品に使用した場合、取引者、需要者は、該商品が請求人、若しくは、請求人と何らかの関係を有する者の取扱いに係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものといわなければならない。
したがって、本件商標については、その余の無効事由につき判断するまでもなく、商標法第4条第1項第15号の規定に違反して登録されたものであるから、同法第46条第1項の規定により、その登録を無効とすべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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