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Trademark Appeal Case

引用商標の著名性判断

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成10年審判第17810号
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成5年10月22日に登録出願、指定役務については、出願当初は第41類「技芸・スポーツ及び知識の教授,運動施設の提供,娯楽施設の提供,録画済み磁気テープの貸与」とされていたところ、当審において、平成10年11月6日付けをもって手続補正書が提出され、第41類「娯楽施設の提供,録画済み磁気テープの貸与」に補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原審において、登録第1190756号商標、登録第1430643号商標、登録第1653380号商標、登録第2459690号商標、登録第2574382号商標及び登録第2262156号商標(以下、これらをあわせて「引用商標」という。)を引用し、証拠方法として甲第1号証ないし甲第29号証を提出する登録異議の申立てがあった結果、「本願商標は、本願商標登録出願前より、米国プロ野球の球団『New York Mets』の業務に係る役務及び商品であることを表示するものとして取引者、需要者の間に広く認識されている引用商標と称呼上類似する商標であるから、これをその指定役務に使用するときは、該役務が申立人又は同人と経済的又は組織的に何らかの関係にある者の業務に係る役務であるかの如く、役務の出所について混同を生じさせるおそれがあるものと判断するのが相当である。したがって、本願商標が商標法第4条第1項第15号に該当するとする本件登録異議の申立ては、理由があるものとすべきである。」旨を理由とする登録異議の決定があり、原査定は、その決定の理由によって、本願を拒絶したものである。

なお、上述の引用商標のうち、登録第1190756号商標は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、第21類「装身具、ボタン類、かばん類、袋物、宝玉及びその模造品、造花、化粧用具」を指定商品とするものであり、登録第1430643号商標は、別掲(3)のとおりの構成よりなり、第22類「はき物、かさ、つえ、これらの部品及び附属品」を指定商品とするものであり、登録第1653380号商標は、別掲(4)のとおりの構成よりなり、第30類「菓子、パン」を指定商品とするものであり、登録第2459690号商標は、別掲(5)のとおりの構成よりなり、第17類「被服、布製身回品、寝具類」を指定商品とするものであり、登録第2574382号商標は、別掲(6)のとおりの構成よりなり、第17類「被服、布製身回品、寝具類」を指定商品とするものであり、また、登録第2262156号商標は、別掲(7)のとおりの構成よりなり、第24類「おもちや、人形、娯楽用具、運動具、釣り具、楽器、演奏補助品、蓄音機、レコード、これらの部品及び附属品但し、釣り具を除く」を指定商品とするものである。

3 当審の判断

本願商標が商標法第4条第1項第15号に該当するというためには、本願の査定時にはもちろん、本願の出願時においても、本願商標が同号に該当しなければならないところ、そのためには、本願の出願の時点で、既に、引用商標が他人の業務に係る商品又は役務を表示するものとして取引者、需要者の間に広く知られるに至っていることを要すると解すべきである。

そこで、引用商標の著名性についてみてみるに、野茂英雄投手(移籍後の最初のシーズンが平成7年〔1995年〕)以来の相次ぐ日本人選手のアメリカ大リーグへの移籍及びその後の活躍などと相俟って、近年こそ、我が国でのアメリカ大リーグへの関心が高まり、原審説示の球団である「ニューヨークメッツ(New York Mets)」も広く知られるに至っているとしても、本願商標の登録出願時(平成5年10月22日)においては、原審で異議申立人が提出した資料においても、本願商標の登録出願時以前のものは新聞(登録出願時より前の日付のものに限る。)の記事程度(その扱いも必ずしも大きくない。)にとどまり、同球団が昭和44年及び昭和61年のワールドシリーズに優勝したこと、昭和49年に日米親善野球大会出場のために来日し、読売巨人軍等の日本のプロ野球球団と試合をおこなったことなど、野球の試合結果等の動向を伺い知ることはできても、これらをもって、引用商標が我が国の取引者、需要者の間に広く知られるに至っているとまではいうことができない。また、職権をもって調査するも、引用商標が本願の登録出願時に我が国の取引者、需要者の間に広く知られるに至っていると認めるに足る十分な資料を見出すことはできなかった。

そして、本願商標は、「ニューヨークメッツ(New York Mets)」という球団名自体を書してなるわけでも、また、野球のボールやニューヨークのビル街を連想させるが如き図形を伴うわけでもなく、単に、別掲(1)のとおり「METS」の文字を書してなるにとどまるもので、その指定役務に関しても、スポーツ又は運動の一種として野球も関係し得る「技芸・スポーツ及び知識の教授,運動施設の提供」が当審において削除されたことをも勘案するならば、少なくとも、本願の登録出願時においては、たとえ、本願商標をその補正後の指定役務に使用しても、米国プロ野球の球団である「ニューヨークメッツ」又は同球団と経済的又は組織的に何らかの関係にある者の業務に係る役務であるかの如く、役務の出所について混同を生ずるおそれがあるということはできない。

したがって、本願商標が商標法第4条第1項第15号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。

その他、本願について拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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