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Trademark Appeal Case

商標使用の客観的証拠

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2000−30026(T2000−30026/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第1608285号商標(以下「本件商標」という。)は、「Longchamp」及び「ロンシャン」の文字を2段に書してなり、第19類「台所用品、日用品」を指定商品として、昭和54年5月15日登録出願、同58年8月30日に設定登録、その後、商標権の存続期間の更新登録が平成6年1月28日になされたものである。

2 請求人の主張

請求人は、本件商標は、その登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とするの審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べている。

(1)請求の理由

本件商標は、継続して3年以上、日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが、その指定商品について使用をしていないものであるから、商標法第50条第1項の規定により、その登録は取り消されるべきである。

(2)答弁に対する弁駁

(ア)被請求人は、品番が「PHOO15」として取り扱われている商品包装箱の写真及び商品包装箱のカラーコピー、またその包装箱の中に入っている商品の写真を提出し、包装箱の正面、「カップ」底面のシール、「カップ」側面にそれぞれ登録商標と社会通念上同一と認められる商標が使用されていると主張する。

そして、かかる商品(品番「PHOO15」)が被請求人のエクセル事業部店舗である「エクセルショップ」和歌山店、塚新店、知立店の各店舗において1998年11月に販売されていたと主張し、その販売伝票を提出している。そして、かかる販売伝票として提出されているのは、各店舗における「売上日報」及びいわゆる「日付精算取引別レポート」である。

(イ)しかしながら、被請求人が提出する各証拠は、使用事実の証明としては客観性に欠けるものである。

すなわち、被請求人が審判請求登録日前3年以内の販売事実を証明するものとして提出する証拠は、請求人の直営店における1998年11月の「売上日報」及び「日付精算取引別レポート」にすぎず、これらはいわゆる内部資料にすぎない。そして、いわゆる内部資料のみでは、誰に対して取引されたかどうかの事実を第三者に確認することができず、本件商標が付された商品が実際に取引され、販売されたかを示す証拠としては際めて客観性に欠けるものであると言わざるを得ない。

また、実際に商品を販売しているのであれば、通常、販売先・取引先等の第三者との関係で発行された取引書類、すなわち請求書、納品書、領収書等が存在するはずであるが、このような書類は一切提出されておらず、請求人の直営店における「売上日報」及び「日付精算取引別レポート」といった内部資料のみをもってしては、1998年11月時点の商品の販売事実を客観的に証明する証拠とすることはできない。

(ウ)また、商品メーカーとして商品を製造・販売しているのであれば、直営店のみでなく、他の卸売店、販売店等に商品を卸しているのが取引の実情でもあるにもかかわらず、そのような取引が行われている形跡が被請求人の提出する証拠をもっては認められない。第三者を介した客観的な取引書類もなく、また「売上日報」及び「日付精算取引別レポート」に見られる販売実績においても「着数」の欄から明らかなように、各店舗につき、それぞれわずかに1個のみにすぎない。本件審判の予告登録日前3年間の販売実績が直営店におけるたったの3個のみというのは、取引の実情を考慮すると、極めて不自然であると言わざるを得ない。

(エ)以上のように、被請求人が提出した証拠は、第三者との取引の事実を示す証拠として客観性に欠け、その販売事実を客観的に認めることができないものであるから、かかる証拠のみをもって、本件商標が本件審判の予告登録日前3年以内に使用されていると認められないものである。

3 被請求人の答弁

被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を概要次のように述べ、証拠方法として、「登録商標の使用説明書」及び「エクセルショップ宝塚店の売上日報」、「エクセルショップ宝塚店に関する店舗間移動チェックリスト」を提出している。

(1)本件登録商標の使用事実

(ア)本件商標は、その指定商品中「カップ」について、本件審判請求の登録前3年以内に、日本国内において、商標権者であるロンシャン株式会社により使用されている。

本件商標の使用事実は、「登録商標の使用説明書」に示す通りであり、以下、説明する。

(イ)本件商標の使用に係る商品の一例は、「カップ」であり、「登録商標の使用説明書」の商品写真(a)及び商品包装箱のカラーコピーに示す通り、品番「PHOO15」として取り扱われているものである。

当該商品が、本件審判の請求に係る指定商品に含まれることは明らかである。

(ウ)当該商品には、金色地にエンボス加工により馬と貴婦人の図形とともに表された「Longchamp」商標が、商品写真(e)(f)の通り、カップ底面のシール(カラーコピーを別添)にて使用されている他、商品写真(a)(b)(c)(e)の通り、包装箱の正面に使用されている。

また、商品写真(d)の通り、カップ側面に「Longchamp」商標が、商品写真(a)及び包装箱のカラーコピーの通り、包装箱に「ロンシャン」商標が使用されている。

前記商品の使用に係る商標は、本件商標と社会通念上同一と認められるものである。

(エ)そして、本件商標の使用に係る前記商品の販売事実の一例は、「登録商標の使用説明書」に添付した販売伝票に示す通りである。

当該商品は、ロンシャン株式会社のエクセル事業部店舗である「エクセルショップ」で販売されている。

例えば、1998年11月4日に、エクセルショップ和歌山店(和歌山県和歌山市友田町5−18ターミナルビル「ジョワ」2F)において、また1998年11月11日に、エクセルショップ塚新店(兵庫県尼崎市塚口本町4−8−1「ヤングライブ館」1F)、1998年11月13日に、エクセルショップ知立店(愛知県知立市長篠町大山18−1「ギャラリエ・アピ夕知立」1F)において、前記写真の商品(品番「PHOO15」)が販売されている。

尚、前記「エクセルショップ」(商標権者のエクセル事業部店舗)は、ロンシャン株式会社の会社案内パンフレット及び「エクセルショップ一覧表」に示す通りである。

(3)以上の通り、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者により、本件審判請求に係る指定商品中「カップ」について使用されているものであるから、本件商標は、商標法第50条第1項の規定によって取り消されるべきではない。

4 当審の判断

被請求人は、本件商標を商品「カップ」について使用している事実を示す証拠として「登録商標の使用説明書」及び「エクセルショップ宝塚店の売上日報」、「エクセルショップ宝塚店に関する店舗間移動チェックリスト」を提出しているところ、これらの証拠によれば以下の事実を確認することができる。

(1)「登録商標の使用説明書」に添付の写真(a)ないし(f)の6葉(平成11年7月4日京都府京都市中京区御池通り高倉西入高宮町200番地 千代田生命京都御池ビル8階 みのり特許事務所内 安井理香により撮影)によれば、同写真中に表示された商品は、食器用「カップ」とその包装箱であるところ、同「カップ」の底側には貴婦人と馬の図形と共に「Longchmp」の文字、包装箱には「ロンシャン」の文字及び「PH0015」の文字記号が表示されており、「Longchmp」及び「ロンシャン」の文字は、本件商標と社会通念上同一と認められ、そして同「カップ」は、本件商標の指定商品に台所用品中「食器」に含まれるものである。

(2)「登録商標の使用説明書」に添付の販売伝票4枚によれば、その表題の「売上日報」、「店名 宝塚」及び「1999年4月5日」の記載からして、後記の被請求人の商品販売店舗「エクセルショップ宝塚店」の同日付けの「売上日報」と認められる。

そして、当該「売上日報」には「メーカーコード」「品番」「サイズ」「着数」「上代」「売単価」「日計」「累計」の記載欄が設けられ「品番欄」には「PH0015」の表示が記載されており、前記包装箱の記号と符合するものである。

また、他の「売上日報」、「日計精算取引別レポート」は、「エクセルショップ和歌山店」の1998年11月4日付け、「エクセルショップ塚新店」の1998年11月11日付け、同じく「エクセル知立店」の1998年11月13日付けのものである。そして、同日の「日計精算取引別レポート」には、「売上合計」「外税」「クーポン合計」外が表示されているものである。

(3)「店舗間移動チェックリスト」によれば、商品番号「PH0015」の商品(カップ)が1999年4月1日付けで出荷元エクセル本部から宝塚店に数量60が出荷されたことが記載されているものである。

(4)「登録商標の使用説明書」に添付の被請求人の「エクセルショップ一覧表」及び同会社案内によれば、請求人の業務が紹介され、前記「エクセルショップ宝塚、和歌山、塚新、知立店」が表示されている。

以上、被請求人の提出した「登録商標の使用説明書」及び「エクセルショップ宝塚店の売上日報」、「エクセルショップ宝塚店に関する店舗間移動チェックリスト」を総合判断すると、被請求人は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において本件商標と社会通念上同一と認められる商標を、請求に係る指定商品中「カップ」に使用し販売したものと推認できる。

請求人は、販売事実を証明するものとして提出する証拠は、請求人が直営する店における1998年11月の「売上日報」及び「日付精算取引別レポート」にすぎず、これらはいわゆる内部資料にすぎない。本件商標が付された商品が実際に取引され、販売されたかを示す証拠としては、極めて客観性に欠け証明する証拠とすることはできない、と主張するが、「売上日報」及び「日付精算取引別レポート」の記載事項から、判断して会社の経理に関するものとして十分なものであり、かつ、不自然なところは見当たらず、請求人の主張は、採用できない。

したがって、本件商標の登録は、商標法第50条により取り消す限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

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