結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 平成11年審判第30473号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第2633050号商標(以下、「本件商標」という。)は、別掲に表示したとおりの構成よりなり、第11類 「電気機械器具、電気通信機械器具、電子応用機械器具、電気材料」を指定商品として、平成3年7月22日に登録出願、同6年3月31日に設定登録されたものである。
請求人は、本件商標の登録は、その指定商品中「電子応用機械器具」について取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次にように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第4号証(枝番を含む。)を提出した。
(1)本件商標の商標権者である被請求人は、継続して3年以上日本国内において、本件商標の取消請求に係る商品について正当な理由なく使用していない。また、本件商標について専用使用権は設定されていないし通常使用権の登録もない。
よって、本件商標は商標法第50条の規定により、その登録を取り消されるべきである。
(2)答弁に対する弁駁
被請求人が提出した乙第1号証ないし乙第5号証には、本件商標が「ワードプロセッサ」またはその他の「電子応用機械器具」について使用されていることが何ら示されていない。
(イ)乙第1号証によれば、当該ワードプロセッサは株式会社東芝(以下、「東芝」という。)が製造し、商標「Rupo」を用いて販売している商品である。そして、本件商標は、当該ワードプロセッサ自体はもとより、そのカタログである乙第1号証にも全く表示されていない。してみれば、本件商標がワードプロセッサに使用されているとの被請求人の主張は、明らかに失当である。
(ロ)乙第2号証ないし乙第5号証によれば、被請求人はワードプロセッサ「Rupo」に組み込まれる「電源ユニット」を製造し、これに本件商標を付して東芝に納入した事実が窺われる。しかし、この電源ユニット及びそれに付された本件商標は、乙第3号証のようにワードプロセッサを分解すればともかく、通常の流通・使用状態において取引者・需要者の目に触れる可能性が全くないものであるから、これをもって本件商標が商品ワードプロセッサに使用されていると言えない。
(ハ)本件商標は、独立した商品である「電源トランス」について使用されている。そして、この「電源トランス」は、乙第2号証に示されているとおり、入力電圧を変えて出力するものであり、「変圧器」などと同様に「配電用又は制御用の機械器具」に属する商品とみるべきである。事実、特許庁のこれまでの運用でも、「電源用トランス」は「配電用又は制御用の機械器具」に属するものとされている(甲第3号証)。また、ワードプロセッサなどの本体とは物理的に別体となっている場合には「ACアダプター」と称されているが、これも同じく「配電用又は制御用の機械器具」の一種とされている(甲第4号証)。
従って、本件商標が使用されている商品「電源トランス」は、取消請求に係る「電子応用機械器具」ではなく、「配電用又は制御用の機械器具」に属するものである。
取消請求に係る「電子応用機械器具」には「その部品」が含まれるが、これは具体的には「電子管、半導体素子、電子回路(電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路を除く。)」であって、「電源トランス」は含まれない。「電子応用機械器具」の製造に用いられるすべての部材が「その部品」に該当するわけでないことは、その他の様々な機械器具の場合と同様である。
被請求人の「電源トランス」が独立して取引されている商品であることは、被請求人自らが認めているとおりである。このような「電源トランス」を「電子応用機械器具」の一種と見ることはできない。
(ニ)乙第2号証の第23頁、24頁及び27頁には「プリント基板」との記載があり、図面中に本件商標が描かれている。また、この図面に相当すると思われるプリント基板が乙第3号証の写真3及び4に示されている。そして、プリント基板は「電子応用機械器具」に属する可能性がある。
しかしながら、これら乙号証に示されたプリント基板は、第三者である栃木電子工業株式会社の製造に係るものであって(乙第2号証の上記頁)、被請求人の商品「電源トランス」を構成する一部材に過ぎない。即ち、完成品である「電源トランス」の商標が、その一部材であるプリント基板上に付されているものに他ならず、栃木電子工業株式会社又は被請求人がプリント基板について本件商標を使用しているわけではない。
本件商標によって表象されるのは、あくまでも「電源トランス」であって、これは「配電用又は制御用の機械器具」に属するものである。ワードプロセッサに組み込まれるからと言って、「電子応用機械器具の部品」になるものでない。
被請求人は、結論同旨の審決を求める、と答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第5号証を提出した。
(1)本件商標は、「電子応用機械器具」のワードプロセッサについて使用されている。以下、本件商標がワードプロセッサについて使用されている事実を立証する
(イ)乙第1号証は、東芝の製造・販売したパーソナルワープロ「Rupo」の製品カタログである。カタログ表紙の中欄に、このワードプロセッサ「Rupo」の外観を示す写真が掲載されており、同上欄に、その機種番号「JW−8020」が記載されている。
(ロ)乙第2号証は、被請求人がが東芝に発行した上記ワードプロセッサ「Rupo」に使用される電源ユニットの納入仕様書である。表紙の上欄に品名「電源ユニット」,型名「UA2012PO1」が記載されている。
なお、この電源ユニット「UA2012PO1」がワードプロセッサ「Rupo」に使用されるものであることは、乙第4号証に記載されている。
この納入仕様書は、表紙の右下欄の出図印に「’98.8.21」、同中段の受領印に「’98.8.28」と記載されたとおり、本件審判の予告登録日である平成11年5月19日よりも約9か月前の、平成10年8月21日付けで被請求人の技術部により出図され、平成10年8月28日付けで東芝内で受領されたものである。
乙第2号証の第20頁の部材構成表(8/9)に当該電源ユニットの部品名「プリント基板」,部番「MF802−4001C」が記載されており、同第23頁の部品外観図(2/5)の下部に、本件商標「ZEBRA」が記載されている。さらに、その左方に部番「MF802−4001C」が記載されている。
なお、この乙第2号証の第1頁の納入仕様書変更来歴書(NO.1)に、平成10年10月14日付けで、部番「MF802−4001C」を部番「MF802−4002A」に変更したことを示している。この変更された部品外観図を乙第2号証の第27頁に変更図面として添付している。
(ハ)乙第3号証は、東芝の製造・販売したパーソナルワープロ「Rupo」の外観を示す写真である。写真1は、ワードプロセッサ「Rupo」を上下2つに分解した状態を示すもので、ワードプロセツサ本体の上部と、その下部における電子回路を搭載したプリント基板等を有するワードプロセッサ内部を示している。写真5は、写真1の拡大写真であり、ワードプロセッサ本体の画面の左側下部に「Rupo」の文字が明瞭に示されている。
写真2〜4は、写真1におけるワードプロセッサ内部の拡大写真であり、ワードプロセッサ内部への撮影角度をそれぞれ相異ならせたものである。写真3には、上記乙第2号証の部品外観図(変更図面)に記載されているとおり、本件商標「ZEBRA」とワープロの電源ユニット部品であるプリント基板の上記変更された部番「MF802−4002A」が示されている。
(ニ)乙第4号証は、東芝青梅工場から被請求人に発行された、電源ユニット「UA2012PO1」の「納入指示リスト」である。右上欄に示されたとおり、発行の日付は1998年10月7日である。
乙第4号証の上記発行日の下の欄には、東芝青梅工場 ワープロ生産担当と記載されており、また、同中欄には、部品コード「UA2012PO1」と、品名「クブチ#8020 POWER」とが記載されている。したがって、この「#8020」がワードプロセッサ「Rupo」の乙第1号証の機種番号「JW−8020」を意味することは明らかである。これにより、被請求人が東芝に販売した電源ユニット「UA2012PO1 」が、ワードプロセッサ「Rupo」に用いられた商品であることは明白である。
(ホ)乙第5号証は、電源ユニット「UA2012PO1」が東芝青梅工場によって受領されたことを示す受領リストであり、右上欄に示されたとおり、発行の日付は1998年10月1日、納入者は田淵電機、受領者は東芝青梅工場である。この乙第5号証の中段には、物品コード「UA2001POI」で示される電源ユニットが合計500台納入されたことを示している。
被請求人の提出した乙各号証をみると、下記の事実が認められる。
(1)乙第1号証の東芝のパーソナルワープロ「Rupo」の製品カタログをみると、その機種番号として「JW−8020」と記載されている。
(2)乙第2号証の被請求人が東芝青梅工場宛に発した納入仕様書をみると、その表紙に品名「電源ユニット」,型名「UA2012PO1」と記載されている。そして、この納入仕様書には、表紙の右下欄の出図印に「’98.8.21」と押印され、同中段に技術担当者の受領印により、平成10年8月27日付けで、納入仕様書を東芝青梅工場で受領されたことが認められる。
(3)乙第2号証の第20頁の部材構成表(No.8/9)には製品名「UA2012PO1」と記載され、同頁に部品名「プリントキバン」、部番「MF802−4001C(3/3)」と記載されている。さらに、同第23頁の部品外観図(2/5)には、部品名「プリント基板」、部番「MF802−4001C(3/3)」と記載され、その外観図に、本件商標と社会通念上同一と認められる商標が使用されている。
(4)乙第2号証の第1頁の納入仕様書変更来歴書(NO.1)には平成10年10月14日に、変更内容として、部番「MF802−4001C」を部番「MF802−4002A」に変更されたことが同第27頁の変更図面(部品外観図)によって認められる。
(5)乙第3号証は、東芝のパーソナルワープロ「Rupo」の外観及び分解写真と認められるものであり、写真3及び写真4に電子回路を写したワードプロセッサ内部が示されている。この写真3及び写真4には、乙第2号証の変更図面(部品外観図)と同様に、本件商標と社会通念上同一認められる商標を表示すると共に、プリント基板の上記変更された部番「MF802−4002A」が表示されている。
(6)乙第4号証の東芝青梅工場から被請求人に発行された納入指示リストをみると、発行の日付は平成10年10月7日である。そして、品名の欄に「UA2012PO001」、「タブチ#8020 POWER」とが記載されている。したがって、この「#8020」は、ワードプロセッサ「Rupo」の乙第1号証の機種番号「JW−8020」を指すものと認められる。
(7)乙第5号証の被請求人から東芝青梅工場に宛てた平成10年10月1日付けの受領リストをみると、その中段に、物品コード「UA2001PO1」で示される電源ユニットが合計500台納入されたことが認められる。
(8)さらに、前記の使用商品についてみると、該商品は、ワードプロセッサの専用部品である「電源ユニット若しくはプリント基板」と認められるものであり、その目的、用途等よりして、「配電用又は制御用の機械器具」に属する商品とはいえず、取消請求に係る「電子応用機械器具」に属するワードプロセッサの範疇に入る商品とみるのが相当である。
(9)そうとすれば、本件商標は、被請求人(商標権者)により継続して本件審判の請求登録前3年以内に日本国内において、取消請求に係る指定商品中「電源ユニット若しくは、プリント基板」について使用していたものというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、取消請求に係る商品についての登録を取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
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