Trademark Appeal Case
称呼の類似性と要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2000−90405(T2000−90405/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4349646号商標(以下、「本件商標」という。)は、「WEBJAPAN」の欧文字と「ウエブジャパン」の片仮名文字を二段に書してなり、平成10年12月4日に登録出願、第9類に属する商標原簿記載のとおりの商品を指定商品として、平成12年1月7日に設定登録がなされているものである。
2 登録異議申立人(以下、「申立人」という。)の異議理由
(1)申立人の関連会社である「ドル、フィン、ソシエタ、ア、レスポンサビリタ、リミタータ」が「WEBB」の文字よりなり、第9類「サングラス,その他の眼鏡」を指定商品としてなる登録第3259655号商標(以下、「引用商標」という。)を所有していたが、最近この登録商標を異議申立人が譲受け、現在移転登録申請の準備中である。
本件商標はこの先登録商標に類似しており、また本件商標の指定商品はこの先登録商標の指定商品を含むものであるから、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)本件商標と引用商標の称呼上の類否について
(イ)まず、両商標から自然に生ずる称呼を検討すると、本件商標からは、全体として「ウエブジャパン」の称呼が生ずる。更に、本件商標「WEBJAPAN/ウエブジャパン」は、前半の「WEB/ウエブ」と後半の「JAPAN/ジャパン」から、夫々上記の通り良く知られた観念を生じ、全体としては一つの格別な観念を生じないため、「WEB/ウエブ」と「JAPAN/ジャパン」の結びつきは決して強いものとは言えず,後半の「JAPAN/ジャパン」の部分は単に商品の産地或いは販売地を表したものと見なされる可能性が高い。その場合、本件商標の要部は「WEB/ウエブ」であると見なされることとなり、本件商標からは「ウエブ」のみの称呼も生ずることとなる。
なお、「WEB」の部分の片仮名表記「ウエブ」は、真中の「エ」が大きく表されているが、通常「Web」の語は「ウェブ」と2音で発音されることが多いため、本件商標中の「WEB」も実際に発音される場合には、「ウェブ」と称呼される可能性が高く、また甲第3号証に記載されているように、「Web」の語を「ウェッブ」と発音されることもあるため、「ウェッブ」と称呼される可能性もある。
以上要するに,本件商標からは、「ウエブジャパン」のほかに、「ウエブ」、「ウェブ」及び「ウェッブ」の称呼が自然に生ずるものと判断することができる。
(ロ)次に、引用商標「WEBB」から生ずる称呼を検討すると、わが国において広く知られているヘボン式のローマ字の表記によれば、促音「ッ」を表すときは、促音の直後の子音を二重に書き表す方法がとられているため、その方法に従えば、引用商標は「ウェッブ」と称呼されることとなる。
また、実際の英語の発音では、「失敗」を意味する「miss」の語を「ミス」と発音することが広く知られているように、語尾に子音が二重に記載されている場合でも、英語では促音として発音されない場合があることを考えると、引用商標からは「ウェブ」の称呼も生ずるものと思われる。
以上の通り、引用商標からは「ウェッブ」或いは「ウェブ」の称呼が自然に生ずることとなる。
(ハ)上記に基づいて、本件商標と引用商標から自然に生ずる称呼を比較すると、本件商標から生ずる「ウェブジャパン」の称呼が引用商標から生ずるいずれの称呼とも類似していないことは申立人も異存はないが、本件商標から生ずる可能性のある「ウェブ」及び「ウェッブ」の称呼は、引用商標から生ずる称呼と同一であり、両商標から生ずるこれらの称呼を聴別することは困難である。
よって、本件商標は引用商標と称呼上類似すると言わざるを得ない。
(ニ)なお、引用商標「WEBB」は、既にわが国で、商品「眼鏡」について使用されているため(甲第4号証)、もし本件商標が「眼鏡」について使用された場合、需要者や取引者は本件商標の付された商品が恰も日本で製造された申立人の商品であるかの如く、出所の混同を生ずることは明らかである。
(ホ)本件商標は引用商標と称呼上類似しており、また指定商品も「眼鏡」が抵触しているため、本件商標は商標法第4条第1項第11号の規定に違反して登録されたものである。
よって、本件商標は、その指定商品中「眼鏡」について、登録を取り消されるべきである。
3 当審の取り消し理由
当審では、申立人の異議理由に基づき、商標権者に対し「本件商標は、登録第3259655号商標と類似し、かつ、その指定商品中の「眼鏡」と引用商標の指定商品とは同一又は類似のものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するにもかかわらず違反して登録されたものであるから、商標法第43条の3第2項の規定に基づいて、その指定商品中上記商品については取り消すべきものである。」旨の取り消し理由を通知した。
4 上記3の当審の取消理由に対して商標権者は何ら意見を述べていない。
5 当審の判断
本件商標は、「WEBJAPAN」「ウエブジャパン」の文字を二段に書してなるものであるところ、後半部の「JAPAN」及び「ジャパン」の各文字部分は「日本」を意味し、商品の産地、販売地を表示する語として普通に使用されているところである。
そうとすれば、本件商標に接する取引者・需要者は、構成中、後半部の「JAPAN」「ジャパン」の文字部分は、商品の産地・販売地を表しているにすぎず、自他商品の識別機能を有するのは前半部の「WEB」「ウエブ」の文字部分にあるものと理解し、該「WEB」「ウエブ」の文字部分より生ずる「ウエブ」の称呼をもって取引にあたる場合も決して少なくないものとみるのが相当である。
してみれば、本件商標は書されている文字全体に相応する「ウエブジャパン」の称呼以外に、構成中の「WEB」「ウエブ」の文字部分より、単に「ウエブ」の称呼をも生ずるものといわなければならない。
他方、引用商標は「WEBB」文字を横書きにしてなるものであるから、これよりは「ウェブ」若しくは「ウェッブ」の称呼を生ずるものと判断するのが相当である。
そして、本件商標より生ずる「ウエブ」の称呼は「ウェブ」の如く称呼される場合も少なくないために、「ウェブ」の称呼を生ずる引用商標とは、称呼上類似するものである。
してみれば、本件商標と引用商標とは、外観及び観念について相違する点があるとしても、称呼において類似する商標といえ、また、本件商標の指定商品中の「眼鏡」と引用商標の指定商品中の「サングラス、眼鏡」とは、同一又は類似の商品と認められるものである。
したがって、本件商標中「眼鏡」については、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の3第2項の規定により取り消すものとする。
よって、結論のとおり決定する。
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