Trademark Appeal Case
幾何学図形商標の類否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2000−90678(T2000−90678/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4370503号商標(以下、「本件商標」という。)は、別掲(A)に示すとおりの構成よりなり、平成10年5月28日に登録出願され、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、平成12年3月24日に設定の登録がされたものである。
2 登録異議申立ての理由
登録異議申立人(以下、「申立人」という。)は、その引用に係る別掲(B)ないし(L)に示す各商標(以下、一括して「引用各商標」という。)は、本件商標の登録出願前より申立人の業務に係る商品を表示するものとして、需要者の間で周知著名となっていたところ、本件商標は引用各商標と構成の軌を一にし、紛らわしいものであるから、本件商標をその指定商品について使用した場合、申立人の業務に係るものであるかの如く、その商品の出所について混同を生ずるおそれがある。また、本件商標は、周知著名な引用各商標の出所表示機能を稀釈化し、引用各商標の信用力にただ乗りするものであって、国際信義及び商標法の精神に反する商標である。よって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号及び同第7号に違反してされたものであるから、その登録は取り消されるべきであるとしている。
<引用各商標>
(B)旧第24類、旧第22類に属する商品をそれぞれ指定商品とする商標登録第2693722号、同第2671514号。
(C)旧第24類、旧第22類、旧第17類、旧第21類、第14類に属する商品をそれぞれ指定商品とする商標登録第2708505号、同第2593080号、同第4025668号、同第4180654号、同第3324363号。
(D)第25類、第28類、第18類、第3類に属する商品をそれぞれ指定商品とする商標登録第4376378号、同第4378318号、同第4376377号、同第4399811号。
(E)旧第24類、旧第22類、旧第17類に属する商品をそれぞれ指定商品とする商標登録第1587778号、同第2609079号、同第1423465号。
(F)旧第24類、旧第22類に属する商品をそれぞれ指定商品とする商標登録第2693723号、同第2704525号。
(G)旧第24類、旧第22類に属する商品をそれぞれ指定商品とする商標登録第2693724号、同第2671515号。
(H)旧第21類に属する商品を指定商品とする商標登録第2528490号。
(I)商標の構成をいずれも「THE BRAND WITH THE 3 STRIPES」の欧文字とし、旧第24類、旧第22類、旧第17類、旧第21類に属する商品をそれぞれ指定商品とする商標登録第2160863号、同第2190105号、同第2147023号、同第2199877号。
(J)旧第17類に属する商品を指定商品とする商標登録第1577375号。
(K)旧第17類、旧第4類、旧第24類、旧第19類、旧第25類、旧第22類、旧第29類、旧第30類、旧第23類、第14類、第22類、第16類、第25類、第24類に属する商品をそれぞれ指定商品とする商標登録第1752369号、同第1577096号、同第1625615号、同第1664559号、同第1833208号、同第1893737号、同第1893755号、同第2328830号、同第2373645号、同第2373646号、同第3368057号、同第4046196号、同第4053543号、同第4058526号、同第4073381号。
(L)申立人の使用に係る運動用品の商標。
3 当審の判断
本件商標は、別掲(A)に示すとおり、垂直方向やや左に傾けその左端を最も小さくし、同右側へ向かって順次長くした都合4つの細巾の台形様輪郭図よりなるものであるところ、該構成は、何ら特定の事物、事柄等を想起させることのない一種幾何学的図形とみるのが相当である。
これに対して、引用各商標のうち、別掲(B)ないし(H)及び同(L)に示す各商標またはその図形部分は、やや幅広にした3つの台形様図形を基本とするもので、垂直方向やや左に傾けその左端を最も小さくし、同右側へ向かって順次長くしたもの、或いは、長さを均等にし輪郭部を波形にした線図または黒塗り図形よりなるもの、さらには、逆に垂直方向右側に傾け順次短くした線図よりなるもの等である。
しかして、前者は4つの台形を基本とするのに対して、後者は3つの台形様図形ないし波形輪郭図を基本とするものであるから、両者は、各部の構成及び全体の構図において相違するばかりでなく、全体から受ける外観印象も異なるから、それぞれを時と処を異にして離隔的に観察したとしても彼此見誤るおそれはなく、外観上判然と区別し得るものである。そして、本件商標は、何らの意味合いをも想起させない幾何学的図形であること前記のとおりであるから、たとえ、前記引用各商標より三本線(サンボンセン)の意味合い等を生ずる場合があるとしても、両者が称呼または観念の点において紛れ得るものということはできない。
また、引用各商標のうち、別掲(I)、同(J)及び同(K)に係る各商標またはその図形部分は、それぞれ別掲に示すとおりのものであって、本件商標とは、その外観、称呼及び観念のいずれよりしても紛れるおそれのないものである。
そうすると、本件商標と引用各商標とは互いに紛れるおそれのない別異のものというべきである。
してみれば、本件商標をその指定商品について使用した場合、たとえ、申立人に係る引用各商標(特に図形部分)が「サンボンセン」(三本線)または「スリーストライプス」の呼称のもとに「adidas商標」ないし「adidas(図)商標」とともに需要者間において広く認識せられたものとしても、本件商標と引用各商標とは、互いに別異のものであること前記のとおりであり、かつ、ほかに、両者がその出所について紛れ得るとする事由も見出せないから、結局、本件商標に接する取引者、需要者が直ちに申立人に係る引用各商標または「adidas」商標等を想起し、該商品が申立人又は申立人と組織的、経済的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれはないといわなければならない。
してみれば、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものということはできない。
また、本件商標は、引用各商標とは別異のものであること前記のとおりであって、その顧客吸引力に便乗し不当な利益を得るものとする点、或いはその出所表示力を希釈化するものとの点を認めるに十分な証拠はなく、また、本件商標をその指定商品について使用することが国際信義及び商標法の精神に反するとする客観状勢もなく、その証拠も見出せない。さらに、本件商標をその指定商品について使用することが社会公共の利益・一般道徳観念に反するものとすべき事由はなく、また、他の法律によってその使用等が禁止されているものということもできない。
してみれば、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に違反して登録されたものということはできない。
したがって、本件商標は、前記各法条に違反して登録されたものということはできないから、商標法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
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