Trademark Appeal Case
結合商標の称呼・観念の判断
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2001−90018(T2001−90018/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4424740号商標(以下、「本件商標」という。)は、平成11年12月15日に登録出願され、別掲に示すとおりの構成よりなり、第14類「貴金属,貴金属製食器類,貴金属製のくるみ割り器・こしよう入れ・砂糖入れ・塩振出し容器・卵立て・ナプキンホルダー・ナプキンリング・盆及びようじ入れ,貴金属製の花瓶・水盤・針箱・宝石箱・ろうそく消し及びろうそく立て,貴金属製のがま口・靴飾り・コンパクト及び財布,貴金属製喫煙用具,身飾品,宝玉及びその原石並びに宝玉の模造品,時計,記念カップ,記念たて,キーホルダー」を指定商品として、平成12年10月13日に設定の登録がされたものである。
2 登録異議申立ての理由
登録異議申立人(以下、「申立人」という。)は、以下の(1)ないし(3)に示す登録商標を引用し、引用各商標は、申立人の業務に係る「時計」について永年に亘り使用してきた結果、需要者の間に広く認識され、かつ、著名になっているものであるから、下記、引用1商標及び引用2商標と外観上紛らわしい本件商標を「時計」を含むその指定商品について使用するときは、申立人の業務に係る商品とその出所について混同を生ずるおそれがあり、また、引用商標権者の化体した名誉、信用を股損させるおそれがある。したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号及び同第19号に該当し、その登録は取り消されるべきものであるとしている。
<引用商標>
(1)登録第1898098号商標(以下、「引用1商標」という。)は、昭和58年12月12日に登録出願、「IWC」の欧文字を横書きしてなり、旧第23類「時計、眼鏡、これらの部品および附属品」を指定商品として、同61年10月28日に設定の登録がされ、その後、平成9年1月30日に商標権存続期間の更新登録がされたものである。
(2)登録第3220635号商標(以下、「引用2商標」という。)は、平成5年9月10日に登録出願、「IWC」の欧文字を横書きしてなり、第14類「貴金属,貴金属製食器類,貴金属製のくるみ割り器・こしよう入れ・砂糖入れ・塩振出し容器・卵立て・ナプキンホルダー・ナプキンリング・盆及びようじ入れ,貴金属製の花瓶及び水盤,貴金属製針箱,貴金属製宝石箱,貴金属製のろうそく消し及びろうそく立て,貴金属製のがま口及び財布,貴金属製靴飾り,貴金属製コンパクト,貴金属製喫煙用具,身飾品(「カフスボタン」を除く。),カフスボタン,宝玉及びその模造品,宝玉の原石,時計,記念カップ,記念たて」を指定商品として、同8年11月29日に設定の登録がされたものである。
(3)登録第624577号商標(以下、「引用3商標」という。)は、昭和37年3月9日に登録出願、「INTERNATIONAL」の欧文宇を横書きしてなり、旧第23類「時計、眼鏡、これらの部品及び附属品」を指定商品として、同38年9月14日に設定の登録がされ、その後、同49年3月8日、同58年10月28日及び平成5年10月28日の3回に亘り、商標権存続期間の更新登録がされたものである。
3 当審の判断
本件商標は、別掲に示すとおり、「I・N・C」及び「INTERNATIONAL CONCEPTS」の各欧文字を二段に横書きした構成よりなるところ、構成中、中点を介して顕著に表した「I・N・C」の文字部分とその下部に小さく表した「INTERNATIONAL CONCEPTS」の文字部分とは、視覚上分離して看取されるばかりでなく、構成文字全体をもって特定の意味合いを表すものとして親しまれているものとは認められないところから、それぞれの文字部分が独立しても自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものとみるのが相当である。
そうとすれば、本件商標は、その全体より生ずる「アイエヌシイインターナショナルコンセプツ」の称呼のほか、上部の「I・N・C」の文字部分より「アイエヌシイ」の称呼を生じるとともに、下部の同書体、同じ大きさの文字をもって不可分一体のものとして表された「INTERNATIONAL CONCEPTS」の文字部分より「インターナショナルコンセプツ」の称呼を生じ、これを構成する一般に親しまれた英単語の意味合いより「国際的な考え」程度の観念を生ずるものということができる。
これに対して、引用1商標及び引用2商標は、「IWC」の欧文字よりなるから、該構成文字に相応して「アイダブリューシイ」の称呼を生じ、特定の意味合いを看取させることのない造語と認識し把握されるとみるのが自然である。また、引用3商標は、「INTERNATIONAL」の文字よりなるところ、該文字は一般に親しまれた平易な英単語であることから、これより「インターナショナル」の称呼及び「国際的な」の観念を生ずるものである。
そこで本件商標と引用各商標との類比についてみるに、両者はそれぞれ前記のとおりの称呼及び観念を生ずるものであるから、その称呼及び観念において別異のものであり、また、それぞれの外観は前記するとおりであって判然と区別し得るものである。
そうとすれば、本件商標と引用各商標とは、その称呼、観念及び外観のいずれよりしても、互いに紛れるおそれのない非類似の商標といわざるを得ない。
してみれば、たとえ、引用1商標及び引用2商標が申立人の取扱いに係る商品「時計」を表すものとして需要者の間に広く認識されていたとしても、本件商標と引用各商標とは別異のものであること前記のとおりであり、ほかに、両者が紛れ得るとする事由は見出せないから、本件商標をその指定商品について使用したとしても、これに接する取引者・需要者がその商品を申立人又は申立人と何らかの関係を有する者の業務に係るものであるの如く、その出所について混同を生ずるおそれがあるということはできない。
また、本件商標が、殊更、不正の目的(不正な利益を得る目的、他人に損害を加える目的、その他の不正な目的)をもって使用するものとすべき証左はなく、該事実を窺わせるような事情も見出せない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号及び同第19号に違反して登録されたものということはできないから、同法第43条の3第2項の規定により、その登録を取り消すことはできない。
よって、結論のとおり決定する。
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