Trademark Appeal Case
擬人化図形商標の類否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2001−90126(T2001−90126/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1.本件商標
本件登録第4433473号商標(以下、「本件商標」という。)は、平成11年5月31日に登録出願され、別掲(1)に示すとおりの構成よりなり、第35類「広告,トレーディングスタンプの発行,フランチャイジーに対する経営指導並びにその他の経営診断及び指導,市場調査,商品の販売に関する情報の提供,ホテルの事業の管理,職業のあっせん,競売の運営,輸出入に関する事務の代理又は代行,新聞の予約購読の取次ぎ,書類の複製,速記,筆耕,電子計算機・タイプライター・テレックス又はこれに準ずる事務用機器の操作,文書又は磁気テープのファイリング,建築物における来訪者の受付及び案内,広告用具の貸与,タイプライター・複写機及びワ−ドプロセッサーの貸与」を指定役務として、平成12年11月17日に設定登録されたものである。
2.登録異議申立の理由
登録異議申立人(以下、「申立人」という。)は、以下の(1)ないし(4)に示す登録商標(以下、合わせて「引用各商標」という。)を引用し、これらのキャラクター商標は申立人の業務に係る商品「シリアル食品」等を表示するものとして取引者・需要者の間において広く認識されているものであるから、引用各商標と外観が類似する本件商標をその指定役務に使用する場合、申立人の業務に係る役務と出所について混同を生ずるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反してなされたものであるから、その登録は取り消されるべきである。
〈引用各商標〉
(1)引用登録第640912号商標は、別掲(2)に示すとおりの構成よりなり、昭和37年12月27日に登録出願、第32類「加工穀物、その他本類に属する商品」を指定商品として、昭和39年4月13日に設定登録され、その後、3回に亘り存続期間の更新登録がされているものである。
(2)引用登録第2039002号商標は、別掲(3)に示すとおりの構成よりなり、昭和60年5月8日に登録出願、第32類「食肉、卵、食用水産物、野菜、果実、加工食料品(他の類に属するものを除く)」を指定商品として、昭和63年4月26日に設定登録され、その後、1回の存続期間の更新登録がされているものである。
(3)引用登録第2559276号商標は、別掲(4)に示すとおりの構成よりなり、平成2年9月18日に登録出願、第32類「食肉、卵、食用水産物、野菜、果実、加工食料品」を指定商品として、平成5年7月30日に設定登録されたものである。
(4)引用登録第2666726号商標は、別掲(5)に示すとおりの構成よりなり、平成3年6月14日に登録出願、第32類「食、卵、食用水産物、野菜、果実、加工食料品」を指定商品として、平成6年5月31日に設定登録されているものである。
3.当審の判断
(1)本件商標と引用各商標の構成
本件商標は、その構成別掲(1)に示すとおり、お皿と思しき二重楕円輪郭線内の中央に帽子、スカーフ及び味見をするが如き右手に持ったお玉の各装いから猫科猛獣を擬人化しコックに見立てた図形(以下、「コック図形」という。)、その下段に「FRESH LUNCH THANK YOU」の欧文字を書した構成よりなるものである。
他方、引用登録第640912号商標は、別掲(2)に示すとおり、猫科の動物の顔とその頸部に右横に結んだ逆三角形状スカーフ(該スカーフ中には小さく「Tony」の欧文字が書してなる。)を描いてなるところ、その目、鼻及び口の各部側対称に配してなる大小の縦長黒塗り三角図形がトラの特徴である縞模様を表してなると看取させるから、該図形は、擬人化に近いトラの頭部を漫画風に表現した図形(以下、「トラ(頭部)図形」という。)と理解・把握させるものである。また、引用登録第2039002号商標、引用登録第2559276号商標及び引用登録第2666726号商標は、それぞれ別掲(3)ないし(5)に示すとおり、上半身全体に大小の縦長黒塗り三角図形を配し、右手にスプーンを持ち何かを食すが如くの仕種を描いてなり、いずれも逆三角形状スカーフ(該引用登録第2559276号商標のスカーフ中には小さく「トニー」の欧文字が書してなる。)を有し、その各構成全体からトラを擬人化した図形(以下、「トラ(上半身)図形」という。)を描いたものと容易に理解させるものである。そして、その頭部は上記トラ(頭部)図形とは、目、鼻、及び口等の各部の描き方に相違はあるものの、その輪郭、縞模様を表した三角形状及び逆三角形状スカーフ等の各図形要素における特異な点を同じくするものであるから、引用各商標はその点のにおいてそれぞれ類似する商標といって差し支えないものである。
(2)コック図形とトラ図形の類否
本件商標のコック図形と引用各商標のトラ各図形は、両者とも漫画風な猫科猛獣を表現してなるところ、頭部だけを比較してみても、コック図形は、その目、鼻、口及び輪郭等の各部の描写が特定の猫科猛獣を表現したものであるかの如く、特に強く印象に残るところのないものであるのに対し、トラ各図形は、ひし形の輪郭、縞模様を表した三角形状及び頸部の逆三角形状スカーフの各図形要素に特異な点を見出すことができるものであって、両者はその点において形象の差異を有するものであるほか、全体として、コック図形は、帽子、スカーフ及び味見をするが如き右手に持ったお玉の各装いの各図形要素をもって、コックさんを描写したものであるのに対し、引用各商標中のトラ(上半身)図形は、上半身全体に大小の三角形状図形をもって縞模様を表し、右手にスプーンを持ち何かを食すが如くの仕種を描写してなるものであるから、両者はその顔の描き方、その姿の外観形象において看者に別異の印象を与えるものであり、対比観察はもとより、時と処を異にして離隔的に観察するも、外観において相紛れるおそれはないものというべきである。さらに、観念・称呼についてみても、前述したとおり、本件商標のコック図形は、猫科猛獣を擬人化した図形であるとみる以上に特定の猫科獣を認識させる程その特徴を子細に捉えて表してなるものといえず、全体として「猫科猛獣を擬人化したコックさん」程度の観念・称呼をもって取引に資されるものといえるものである。これに対し、引用各商標は、上記のとおり縞模様状図形を有するところから、トラを擬人化して表現してなると理解・認識させるものであるから、「トラ(頭部)図形」よりは「スカーフをしたトラさん」の観念・称呼を生じ、また、引用各商標中の「トラ(上半身)図形」からは「スプーンで何かを食べてるスカーフをしたトラさん」程度の観念をもって取引に資されるものである。そうすると、両者はその把握される観念・称呼が異なり、この点においても何ら紛れる虞のない別異のものである。
(3)出所の混同について
以上のにおいて認定のとおり、両者の該図形は、その外観、観念及び称呼の各点において、互いに相紛れる虞のない非類似の商標であり、ほかに両商標が類似するという理由を発見し得ないものである。加えて、本件商標の指定役務と引用各商標の使用商品である「シリアル食品」とは、その役務と商品の内容、例えばその役務の提供者、提供手段、目的、提供に関連する物品及びその商品の生産者、販売者、取扱い系統、材料、用途等において全く関連性を見出し得ないものである。
してみれば、たとえ、引用各商標が本件商標の登録出願時には申立人の業務に係る商品「シリアル食品」を表示する商標として取引者・需要者の間において広く認識されていたと認められるとしても、本件商標と引用各商標とは上記したとおり、別異のものであって、ほかに両者間にその出所を混同させる要因は見出せないから、本件商標をその指定役務に使用した場合、これに接する需要者が直ちに引用各商標を想起し、その役務が申立人又は申立人と関係のある者の業務に係るものであるかのように、その役務の出所について混同を生ずるおそれはないというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項15号に違反して登録されたものということはできないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。