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Trademark Appeal Case

MTRの普通名称性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2000−90407(T2000−90407/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4349779号商標の指定商品中「音声周波機械器具、映像周波機械器具、録画済みビデオディスク及びビデオテープ」についての商標登録を取り消す。
本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品についての商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4349779号商標(以下「本件商標」という。)は、平成10年8月19日に登録出願され、「MTR」の文字を標準文字として横書きしてなり、第9類「理化学機械器具、測定機械器具、配電用又は制御用の機械器具、電池、電気磁気測定器、電線及びケーブル、眼鏡、加工ガラス(建築用のものを除く。)、救命用具、電気通信機械器具、コンピュータプログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テ一ブ・その他のデータ記憶媒体、その他の電子応用機械器具及びその部品、オゾン発生器、電解槽、ロケット、遊園地用機械器具、運動技能訓練用シミュレーター、乗物運転技能訓練用シミュレーター、回転変流機、調相機、電気アイロン、電気式ヘアカーラー、電気ブザー、鉄道用信号機、乗物の故障の警告用の三角標識、発光式又は機械式の道路標識、火災報知機、ガス漏れ警報器、消火器、消火栓、消火ホース用ノズル、消防車、消防艇、スプリンクラー消火装置、盗難警報器、保安用ヘルメット、磁心、自動車用シガーライター、抵抗線、電極、映写フィルム、スライドフィルム、スライドフィルム用マウント、録画済みビデオディスク及びビデオテープ、ガソリンステーンョン用装置、自動販売機、駐車場用硬貨作動式ゲート、金銭登録機、計算尺、硬貨の計数用又は選別用の機械、作業記録機、写真複写機、手動計算機、製図用又は図案用の機械器具、タイムスタンプ、タイムレコーダー、電気計算機、パンチカードシステム機械、票数計算機、ビリングマシン、郵便切手のはり付けチェック装置、潜水用機械器具、アーク溶接機、金属溶断機、検卵器、電気溶接装置、電動式扉自動開閉装置」を指定商品として、平成12年1月7日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由(要旨)

本件商標「MTR」は、「マルチ・トラック・レコーダー(multi track recorder・多重録音機)」自体を示す語として普通名称であるから、商標法第3条第1項第1号に該当し、また、「MTR」に関連する商品との関係においてはその内容等を直感させるものであるから、同第3号に該当し、その他の商品に使用するときには「MTR」に関連する商品であるかの如く商品の品質につき誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当するものである。

したがって、本件商標の登録は取り消されるべきである。

3 当審の判断

本件商標は、「MTR」の文字よりなるところ、前記2のとおり登録異議の申立てがあった結果、平成12年8月10日付けで本件商標を商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして取消理由を通知したところ、平成12年9月27日付けで商標権者より意見書の提出があったので、これらを総合勘案して判断する。

申立人の提出に係る甲第2号証ないし同第4号証(「最新音楽用語事典」、「現代用語の基礎知識1991」、「現代用語の基礎知識2000」)によれば、「MTR」の文字は、「マルチ・トラック・レコーダー」(multi track recorder)の略称であり、「多重録音機」(多数の録音トラックを持ち、それぞれに単独に録音、再生ができる機能を持ったテープ・レコーダーのこと。)を意味するものであると認めるのが相当である。また、甲第8号証ないし同第11号証(「サウンド&レコーデイング・マガジン 第15巻第19号」、「サウンド&レコーデイング・マガジン 第19巻第2号」、「プリプロダクション 第17巻第5号」、「ロッキンF 第25巻第6号」)は、各雑誌の抜粋写しであるが、それらに掲載された広告等に「MTR」の文字が用語の解説を加えることなく普通に使用されていることが認められる。さらに、甲第12号証ないし同第14号証(「8チャンネルデジタルマルチトラックレコーダー 1998年7月現在」、「タスカムMTR 2000年2月現在」、「プロ業務・設備・PA機器 2000年2月現在」)は、申立人発行のカタログであって、「MTR」の文字が「多重録音機」を表したものとして使用されていることが認められるところである。

しかしながら、「MTR」の文字(語)に関し、情報・通信、コンピュータ分野及び科学技術分野における辞書・事典・用語集や一般の辞書・事典・用語集(前記甲各号証を除く)には、全く記載がないか、記載があっても「マルチ・トラック・レコーダー」(multi track recorder・多重録音機)とは相異する語としての解説に係るものであることもまた、商標権者の提出に係る乙各号証に徴して認めることができるものである。

そうとすれば、「MTR」の文字(語)は、極めて限定された範囲において用いられているものと認めるのが相当であり、その品質の誤認の範囲もまた限定された幅の商品にならざるを得ないということができる。

そうすると、「多重録音機」は、前記のとおり、その機能からみるといわゆる「テープレコーダー」「録音機械器具」の一種といえるものであり、「MTR」は、商品の普通名称とはいえないものの、本件商標をその指定商品中の「テープレコーダー、録音機械器具」について使用するときは、単にその商品の品質(多重録音機能)を表示したものとして認識されるに止まり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものといわざるを得ないものである。

また、本件商標をその指定商品中の多重録音機能を有しない「テープレコーダー、録音機械器具」を含む「音声周波機械器具」や前記商品(多重録音機能を有する)と密接な関係を有するといえる「映像周波機械器具、録画済みビデオディスク及びビデオテープ」に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものと判断するのが相当である。

したがって、本件商標は、結論掲記の指定商品について商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反して登録されたものといえるから、同法第43条の3第2項の規定により、その登録を取り消すべきものである。

また、本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品については、取り消すべき理由がないと判断するのが相当であるから、商標法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持する。

よって、結論のとおり決定する。

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