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Trademark Appeal Case

著名商標の混同範囲

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号無効2000−35464(T2000−35464/J3)
審判種別無効
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第4188209号の登録を無効とする。
審判費用は被請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4188209号商標(以下「本件商標」という。)は、「UMBRO」の文字を横書きしてなり、平成8年11月13日に登録出願され、第14類「貴金属製食器類,貴金属製の花瓶及び水盤,貴金属製喫煙用具,時計」を指定商品として、平成10年9月18日に設定の登録がされたものである。

2 引用商標

請求人が本件商標の登録無効の理由に引用する登録商標(以下「引用各商標」という。)は、以下の(1)ないし(5)に示すとおりである。

(1)登録第1676129号商標は、「umbro」の文字を横書きしてなり、昭和52年9月7日に登録出願され、旧第22類「はき物(運動用特殊靴を除く)かさ、つえ、これらの部品及び附属品」を指定商品として、昭和59年4月20日に設定の登録がされ、その後、平成7年1月30日に商標権存続期間の更新登録がされたものである。

(2)登録第1680251号商標は、「umbro」の文字を横書きしてなり、昭和52年9月7日に登録出願され、旧第17類「被服(運動用特殊被服を除く)布製身回品(他の類に属するものを除く)寝具類(寝台を除く)」を指定商品として、昭和59年4月20日に設定の登録がされ、その後、平成7年1月30日に商標権存続期間の更新登録がされたものである。

(3)登録第4005130号商標は、別掲に示すとおりの構成よりなり、平成7年9月28日に登録出願され、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,靴類(「靴合せくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。),靴合わせくぎ,靴くぎ,靴の引き手,靴びょう,靴保護金具,げた,草履類,運動用特殊衣服,運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。),乗馬靴」を指定商品として、平成9年5月30日に設定の登録がされたものである。

(4)登録第4036503号商標は、別掲に示すとおりの構成よりなり、平成7年9月28日に登録出願され、第18類「原革,原皮,なめし皮,毛皮,革ひも,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,かばん金具,がま口口金,傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄,愛玩動物用被服類」を指定商品として、平成9年8月1日に設定の登録がされたものである。

(5)登録第4077977号商標は、別掲に示すとおりの構成よりなり、平成7年9月28日に登録出願され、第28類「遊戯用器具,ビリヤード用具,囲碁用具,将棋用具,さいころ,すごろく,ダイスカップ,ダイヤモンドゲーム,チェス用具,チェッカー用具,手品用具,ドミノ用具,マージャン用具,おもちゃ,人形,愛玩動物用おもちゃ,運動用具,スキーワックス,釣り具」を指定商品として、平成9年10月31日に設定の登録がされたものである。

3 請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求めると申立て、その理由を以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし同第46号証(枝番号を含む。)を提出している。

(1)主張の要旨

本件商標は、スポーツウエア一やスポーツシューズ等のスポーツ関連商品で世界的に著名な請求人会社の略称である「UMBRO」と同一の構成文字から成るもので、多角経営の傾向が強い現代にあっては、同社の略称「UMBRO」が著名であるが故に、本件商標をその指定商品に付して使用した場合、取引者、需要者は、恰も請求人である「アンブ口・インターナショナル・ジエ・ブイ」(以下、「請求人会社」という。)又は請求人会社と協力関係にある株式会社デサントと関係のある者の業務に係る商品であるが如く、出所について誤認混同を生じることは明らかであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第15号の規定に違反して登録されたものであり、同法第46条第1項第1号により無効とされるべきものである。

(2)具体的理由

(a)請求人会社は1924年に英国北部で創業され、1934年に英国の最強サッカークラブを決める大会(FAカップ)で契約チームであるマンチェスターシティが優勝し、翌年も同大会で契約チームであるシェフィールド・ウェンズデイが栄冠を手にしたのを期に英国サッカー界のトップブランドに成長した会社であり、その後の長年に渡る盛んな広告宣伝活動により、少なくとも本件商標が出願された日には同社の略称「UMBRO」は内外の需要者に広く認識され周知著名となっていたものである。

請求人会社は我が国においても、同社の商標「UMBRO」及び「UMBRO」の文字を含む商標を複数取得しており、同社の商標は、新聞や雑誌等で話題になっている英語の商品名を集めた研究社の「英和商品名辞典」(1990年発行)にも掲載された程、我が国でも注目度の高い商標であり、同社の商標「UMBRO」が付された被服、靴類、運動用特殊衣服、運動用特殊靴、タオル、エンブレム、鞄、運道具等の様々な商品が広く世界的に輸出され、現に我が国にも輸入され販売されている(甲第2号証ないし同第27号証の2)。

また、請求人会社は、日本における販売をさらに促進させるために、平成10年に株式会社デサントに我が国において所有している登録商標を譲渡し、株式会社デサントとの新たな協力体制の下で同社が商標「UMBRO」を付した商品を販売することに同意し、積極的にそれを支援している。

(b)請求人会社は、創業以来、同社の商標「UMBRO」を著名にするために、世界各国のサッカーの代表チームとサプライ契約を結び同社の商標「UMBRO」が付されたユニフォーム、スパイク及びボール等を提供しており、各国の代表チームが同社の商標「UMBRO」が付されたユニフォームを着用して、日本を含む世界各国でサッカーの国際大会や親善試合に参加している。

特に、ワールドカップ大会は、サッカーの国際大会として世界的に非常に注目度が高く、1966年イングランド大会では優勝したイングランドを含めて、決勝ラウンドに進んだ16カ国中、実に15カ国が同社の商標「UMBRO」が付されたユニフォームを着用しており、記憶に新しい1994年アメリカ大会では、同社とサプライ契約を結んでいたブラジルのナショナルチームが優勝し、注目を集めている。

さらに、同社は各国の代表チームの他にもヨーロッパや南米における著名なサッカーのクラブチームの多くとサプライ契約を結んでいる。ヨーロッパや南米等ではサッカーのプロリーグの人気が非常に高いためテレビや新聞等のマスコミを通して同社の商標「UMBRO」を付したユニフォームを着用した選手が試合をしている画像や写真が連日のように報道されており、我が国にもその情報が多数入ってきている(甲第28号証及び同第39号証)。

(C)請求人会社が日本において所有していた登録商標「UMBRO」は、請求人会社と協力関係にある株式会社デサントが適法に譲り受けて日本における正当な権利者になっており、現在では、いずれも株式会社デサントの名義で登録されており(甲第40号証ないし同第43号証)、請求人会社はこれら登録に異議はないものである。

また、別件の特許庁における複数の商標登録異議申立事件において、請求人会社の略称である「UMBRO」が日本において著名であり、これを商品に使用した場合に、その商品の出所について混同を生じるおそれがあると認定している(甲第44号証ないし同第46号証)。

(3)まとめ

以上のとおり、請求人会社の略称である「UMBRO」は、我が国は勿論のこと、世界的に著名な商標であり、多角経営の傾向が強い現代にあって、本件商標をその指定商品に付して使用した場合、取引者、需要者は、その商品が、恰も請求人会社である「アンブ口・インターナショナル・ジエ・ブイ」又は請求人会社と協力体制にある「株式会社デサント」の業務にかかる商品であるかのように、その商品の出所について誤認混同を生じることは明らかである。

よって、本件商標は商標法第4条第1項15号の規定に反して登録されたものであり、同法第46条第1項第1号の規定により無効とされるべきものである。

4 被請求人の答弁

被請求人は、何ら答弁するところがない。

5 当審の判断

請求人は、本件商標の無効理由として、請求人所有の「UMBRO」の文字よりなる商標の著名性を理由に本件商標の登録の商標法第4条第1項第15号違反を述べているので、この主張の当否について判断する。

請求人(「アムブロ・インターナショナル・ジェ・ブイ」)の提出に係る各証拠(甲各号証)によれば、以下の各点を認めることができる。

(1)請求人会社は、1920年代に創業され、「被服、スポーツウエア、サッカーシューズ、鞄」等のスポーツ関連用品に「umbro」の文字よりなる商標及び二重菱形図形と「UMBRO」の文字を組み合わせてなる引用各商標を、1959年から1995年にかけて使用したこと(甲第7号証ないし同第20号証)。

(2)請求人のわが国における代理店が、1988年から1994年にかけて、商品「サッカーシューズ、トレーニングシャツ、パンツ、Tシャツ」等のカタログに、引用各商標を使用していたこと(甲第21号証ないし同第27号証の1)。

(3)週間サッカーマガジン1995年NO.510(ベースボール・マガジン社発行)、サッカーダイジェスト1987年5月号及び同10月号(日本スポーツ企画出版社発行)及びストライカー1995年9月17日号(学研発行)等、サッカー関連の雑誌において、スポーツウエア、サッカーシューズに引用各商標を付し、また、引用各商標を付したウエアを着用したサッカー選手の写真が記載されていること(甲第28号証ないし同第39号証)。

(4)1995年には請求人の名称を冠した「アンブロカップ インターナショナル・チャレンジ95」が開催され、同大会においてサプライ契約をしたブラジルが優勝し、同大会には日本代表チームも参加したこと(甲第29号証)。

以上認定の事実に加え、わが国におけるプロサッカーリーグであるJリーグが開催されて以来のサッカー競技の人気の高さを併せ考慮すれば、請求人に係る引用各商標を構成する「umbro」の文字よりなる標章及び二重菱形図形と「UMBRO」の文字を組み合わせてなる標章は、請求人あるいは請求人と協力関係にある会社の取り扱いに係る「被服、靴類、鞄」等を表すものとして、本件商標登録出願時にはサッカー愛好者を含む需要者の間に広く認識されていたものと認めることができる。

また、引用各商標の使用に係る上記商品と、本件商標の指定商品中の「時計」とは、いずれもいわゆるトータルファッションとして同時に使用されるファッション関連商品であることから、互いにその需要者層において共通する場合が決して少なくないものというべきである。

そうとすれば、「UMBRO」の文字よりなる本件商標をその指定商品について使用した場合、これに接する取引者、需要者は、容易に著名な引用各商標を連想、想起し、請求人又は請求人と経済的、組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれがあるものといわざるを得ない。

してみれば、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものといわざるを得ないから、同法第46条第1項の規定により、その登録を無効とすべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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