1 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第1類「吸着剤,油・その他液体の吸収に使用する吸収剤,廃液処理剤,その他の化学品,植物成長調整剤類,のり及び接着剤(事務用又は家庭用のものを除く。),高級脂肪酸,非鉄金属,非金属鉱物,原料プラスチック,パルプ,工業用粉類,肥料,写真材料,試験紙,人工甘味料,陶磁器用釉薬」を指定商品として、平成11年7月28日に登録出願されたものである。
2 原査定の理由の要旨
原査定は、本願商標は、黒塗りの長方形内に「ひとつ上の安心へ」の文字を白抜きで書してなるところ、これよりは「ちょっと程度の高い安らぎに行こう」程のキャッチフレーズの一種と解され、商標として認識されないものと認められるものであるから、これを本願指定商品に使用するも需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する旨認定、判断して、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、別掲のとおり、黒塗りの矩形図形内に「ひとつ上の安心へ」の文字を白抜きで横書きしてなるところ、この文字部分は、「ひとつ上の安心に向かって」の意味合いを認識させるものであり、黒塗り図形部分は文字部分の単なる背景と捉えられるものと認める。
そして、一般に、需要者は商品を選択するにあたって、その商品の有する「安全性」や「安心感」を判断の一つとするものであり、商品が「安全、安心」である旨の様々な表示が宣伝、販売の際に用いられることは普通に行われており、本願商標の指定商品の分野においても同様といえる。
そうすると、本願商標をその指定商品に使用する場合、これに接する取引者、需要者は「ひとつ上の安心へ」の文字より、商品が「ひとつ上の安心に向かって」いるものであると理解し、本願商標を一種のキャッチフレーズと捉えるというのが相当である。
よって、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することできない商標というべきである。
したがって、本願商標は商標法第3条第1項第6号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、妥当であってこれを取り消すことはできない。
なお、請求人は、本願商標構成中の「ひとつ上の安心へ」の文字は、何がなによりひとつ上の安心なのか、抽象的であって、キャッチフレーズとはいわないと主張し、証拠として甲第1号証ないし第14号証を提出しているが、前に述べた理由により本願商標はキャッチフレーズとして認識されるものであり、甲各号証に係る商標は、本願商標とその構成を異にするものであるから、請求人の主張を採用することはできない。
よって、結論のとおり審決する。