Trademark Appeal Case
著名商標「ARMANI」の類否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成10年審判第19871号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本願商標
本願商標は、後記のとおり「PAOLO ARMANI」の欧文字を横書きし,その上部中央に「a」の文字を表示した構成よりなり、第14類「貴金属製喫煙用具,身飾品,時計」を指定商品として平成9年7月16日に登録出願されたものである。
第2 原査定の理由の要点
本願商標は、その構成中に、イタリアのデザイナ一「Giorgio Armani」が商品「婦人・紳士服、衣料品、靴、バッグ、ベルト」等に使用して著名な商標「ARMANI」の文字を有するものであるから、これを本願指定商品について使用する場合、あたかもそれが上記の者の業務に係る商品又はその者と何らかの関係がある者の商品であるかの如く、商品の出所について混同を生じさせるおそれがある。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
第3 請求人の主張の要点
1 本願商標の一部に「ARMANI」の文字が含まれていることは確かであるが、ファッション関係のデザイナーやブランドの場合、「Roland Klein」と「CALVIN KLEIN」のように、他人の別商標であるにもかかわらず、姓か名のどちらか一方が同一の例は珍しくない。「GIORGIO ARMANI」や「CALVIN KLEIN」等の二つの名前で、一般市場で知られている名前の一方を強調して採用し、それを主体として構成した合成商標に対しても、その類似権が及ぶとの判断は一方的である。本願商標は、「a」と「PAOLO ARMANI」とによって構成されており、一連一体となって、自然な形として一つの商標をなしている。その中の一部である「ARMANI」がさほど強調されてはいない。 したがって、二単語の名前の商標の一方を強調するのは、適当でない。
2 商標は、もともとそれに携わる人の権利を守るものであるが、同時に、これほど多様化し拡大した日本の社会では、権利やイメージが重なり合い影響し合うのは避けられない。また、ブランド商品がデパート限定販売の一部の金持のものであった時代と異なり、現在ではスーパーやコンビニでも売られるほど身近なものとなり、一般庶民にとってはなくてはならないものとなっている。そのため、商標の類似範囲も、影響し合い重複し合っているのもやむを得ない。同時に、今まで特定の人が独占する権利を与えられると同様、他の多数の国民が正常な競争により、好みのイメージの商品を低価格の商品として、身近に所有する権利も考えるべきである。
かって、SONYが「ウォークマン」を考案したとき、他の電機メーカーが同時に類似商品を発売したが、それによりSONYの売上が減るどころか、全体の市場が拡大し、逆に利益になったと言われている。
ラルフ・ローレンの「POLO」商品が低価格で市場に出現し、それが1500億円の売上規模となっているが、それと同時にラルフ・ローレン自身も400億円の売上を達成し、益々拡大の方向にあると言われている。
類似商標商品の出現は、マイナスどころかその潜在的市場を拡大し、その結果、先行したブランドを消費者に益々権威のあるものとし、絶対的な地位を与えられるものとなる場合も多い。類似商標の出現で先行商標が打撃を受けたとの例は、最近では少ない。
したがって、類似商標商品を認めないのは、市場の適切な競争を妨げるものである。
3 「VALENTINO」がイタリア人のありふれた名前であるように、「ARMANI」も特定のデザイナーと決めつけることはできない。
また、特許庁の過去の審査、審決例でも「ARMANI」の文字を含む商標が一体のものとして判断され登録になった例が多い。
4 「GIORGIO ARMANI(ジョルジョ・アルマーニ)」は、その関連ブランド「EMPORIO ARMANI(エンポリオ・アルマーニ)」を含めて「ARMANI(アルマーニ)」単独の商標の使用はしていないから、本願商標は商品の出所の混同は生じない。
第4 当審の判断
1 当審において、「GIORGIO ARMANI」、「ジョルジオ アルマーニ」、「Giorgio Armani」、「ジョルジョ・アルマーニ」、「ジョルジュ・アルマーニ」、「ARMANI」、「アルマーニ」、「EMPORIO ARMANI」、「エンポリオ アルマーニ」に関して商標法第56条第1項において準用する特許法第150条第1項により以下に示す書証について職権による証拠調を行い、同法同条第5項に基づき、審判長名をもって平成13年4月16日付で、その結果を請求人に通知し、相当の期間を指定して、意見を申し立てる機会を与えたところ、指定した期間内に請求人からは、何らの意見の申立もなかった。
職権による証拠調の結果、次の事実が認められる。
(1)「男の一流品大図鑑」(株式会社講談社 昭和53年7月20日発行)に、「ジョルジュ・アルマーニ」、「Giorgio Armani<イタリア>」の見出しのもと、「イタリアのラルフ・ローレンとよばれるデザイナーです・・・」と紹介記事が掲載されていること
(2)「服飾辞典」(文化出版局 昭和54年3月5日第1刷発行)の「ジョルジョ・アルマーニ[Giorgio Armani,1935〜]」の項に、「イタリア北部のエミリアに生まれる。医者になるため大学に行くが中退。20歳ごろはサラリーマン,その後リナシェンテ(百貨店)に入社し,はじめて男物の服づくりを手がけ,モードの面白さを知る。その後,ヒルトンで7年間,高級紳士服の仕事を続け,1975年にはじめて『アルマーニ』という自分の店を開く。紳士物のエッセンスを婦人服にいかし,わずか3年間で,『ジャケットの王様』といわれるほど名がひろまる。レーンコート,シャツ,皮革製品,ニットなど,スポーティ感覚の服は現代の趣向に合い,今やミラノ・アルタ・モーダ・プロンタ(オート・クチュールのプレタ・ポルテの意であるが,彼はオート・クチュールの服はつくらない)のコレクションでは最も人気のあるスチリストの一人である。作品は,デコントラクテな傾向の都会派向きのもの,つまり,マニッシュな装いを好む人やジーンズ党にも人気がある。またアンチ・ハリウッド派の映画衣装などもアルマーニのものが多く,最近の映画では『サタディ・ナイト・フィーバー』の衣装を担当する。ミラノに住み,1日8時間から9時間を仕事に費やす。何よりも仕事が好き,というアルマーニである。」との紹介記事が掲載されていること
(3)「田中千代服飾事典」(同文書院 1981年4月25日新増補第1刷発行)の「ジョルジョ・アルマーニ[Giorgio Armani]」の項に、「1935年イタリアの北部のエミリアに生まれ、医大へ入学したが、3年で中退。方向転換してミラノの大百貨店ラ・リナシュンテの紳士服専門にバイヤーとして入社し、その後テーラードに定評のあるセルッティ社の紳士服デザイナーになった。そして、1973年独立し、ミラノにアルマーニ社を設立した。最も得意とするのは、アルマーニ・スーツと呼ばれるベーシックなスーツである。・・・」と掲載されていること
(4)「世界の一流品大図鑑’81年版」(株式会社講談社 昭和56年5月25日発行)の「一流ブランド物語」の掲載記事の中で、「GIORGIO ARMANI」、「ジョルジョ・アルマーニ」の「キング・オブ・ミラノ」の項に、「映画『アメリカン・ジゴロ』」で主演したリチャード・ギアの衣装は、ジョルジョ・アルマーニがデザインしたものでした。アルマーニを特徴づけるVシェープモデルを特徴づけるぶ厚いパッドと重心の低い細いえりはジゴロの、華やかで、浮き草のようにはかない生きざまを象徴していました。この映画のデザインを担当した時点で、アルマーニはすでに「キング・オブ・ミラノ」の名をほしいままにしていました。ミラノといえば、イタリアのモードの都。伝統、優雅、上品といった事柄を重んじるパリにくらべ、ミラノは新しいだけに、軽快、斬新、明るさが売りものです。そんなミラノで「キング」とよばれ、あるいは「婦人もののサンローラン」に対して「紳士もののアルマーニ」とよばれるまでになったのですが、もちろん、ここまでくるには、多くの努力とチャンスをものにする決断が必要でした。ジョルジョ・アルマーニは1936年、北イタリアのエミリアで生まれました。医科大学入学を夢みて、勉強に精出した時期もありますが、家庭の事情で、20歳のとき、ミラノのデパート・リナシェンテに就職しました。ここで、紳士服の仕入れ部門に配属されたのが、彼の一生を決めることになったのです。当時、イタリアの紳士服地メーカーとして、ぐんぐん成長していたのが、セルッティ社でした。同社は1881年創業の毛織物の老舗でしたが、1953年、わずか19歳のニノ・セルッティが三代目社長となり、超高級品志向の路線に切りかえ、世界中に名前を拡めつつありました。積極派のセルッティは原料メーカーにあきたらず、1960年代の初め、服飾部門に進出、ヒットマン社を設立します。このヒットマン社に、アルマーニは出向の形で参画しました。営業マンからデザイナーへの道が開けたのでした。ヒットマン社には八年間在籍しました。後に「ヨーロッパのメンズモードの学校」とよばれるようになるのですが、それは、同社から経営者セルッティはもとより、アルマーニ、ロベルト・ブルーノ、シルビオ・ファーバなどが巣立っているからです。・・・」と記載されていること
(5)「舶来ブランド事典’84THE BRAND」(サンケイ マーケティング 昭和58年9月28日発行)の「ジョルジョ・アルマーニ」の「特徴」の項に、「・・・着る人の個性を生かしきる才能とセンスの良さがアルマーニの身上で、それが見事に開花した商品群といえよう。・・・ミリタリースタイル、肩パッド入りのブレザー、皮素材を用いたジャケットなどがとりわけ好評で、ジョルジョ・アルマーニはまさにカジュアル時代の最先端を行くファッションだ。」と記載されていること、「GIORGIO ARMANI」の紳士物として「コート、セーター、ネクタイ、ベスト、シャツ、スーツ」及び婦人物として「レインコート、オーバーコート、ジャケット、スーツ、パンツ、ブルゾン、スカート、セーター、ブラウス、マフラー、ベスト、帽子」が掲載されていること
(6)「男の一流品大図鑑’85年版」(株式会社講談社 昭和59年12月1日発行)の「BLOUSON/ブルゾン」の欄に、「GIORGIO ARMANI」、「ジョルジオ・アルマーニ=イタリア」の文字とともに、「レザーブルゾン 15,000円」及び商品の写真が掲載されていること
同じく、「NECKTIE/ネクタイ」の欄に、「GIORGIO ARMANI」、「ジョルジオ・アルマーニ(イタリア)」の文字とともに、「ネクタイ」の価格及び商品の写真が掲載されていること
(7)「世界の一流品大図鑑’85年版」(株式会社講談社 昭和60年5月25日発行)の「婦人服/Ladies Wear」の欄に、「GIORGIO ARMANI」、「ジョルジオ・アルマーニ(イタリア)」の文字とともに、「ジャケット、スカート、ブラウス」の商品及び写真が掲載されていること
(8)「The一流品」(読売新聞社 1986年4月15日発行)の「GIORGIO ARMANI」「ジョルジョ・アルマーニ(イタリア)」の項に、「長らく紳士服畑を歩いてきたアルマーニが、初めて婦人服のコレクションを発表したのは1975年のこと。素材選び、仕立て冴えを発揮して、働く女性のためのラインが生まれた。ミリタリールックや肩にパッドを入れたブレザーなどもアルマーニの発想・・・」、「1983年に発表、フルーティとフローラルブーケの香り」及び「ジャケット45万円、ブラウス15万円、スカート85万円」との商品の価格及び「ARMANI」のロゴが入った香水の写真が掲載されていること
(9)「Hanako」(1988年11月24日号株式会社マガジンハウス発行)の表紙中央部に「羨望!アルマーニの服」との表示があること
同じく、「時代を超えるイタリアの感性 憧憬のアルマーニ」の記事において「”似合う自分”をめざすことが、人生の目的になる服 ジョルジオ アルマーニ」の項に「・・・アルマーニの軌跡を簡単にご紹介しましょう。・・・アルマーニはファッションを”人生をよりよく生きるための手段”にまで昇華させたという点で、揺るぎない評価を手にしたのです。」及び「ブラウス、キュロットスカート、ジャケット、手袋、」等、「傘、バッグ、ベルト、財布」などについての価格が表示され、「ジョルジオ アルマーニ ブティック東京店」の写真が掲載され、その写真に「GIORGIO ARMANI」の文字が表示されていること
また、「一歩手前の人へ。 デフュージョンブランド、エンポリオ。」の見出しにおいて、「EMPORIO ARMANI」(「EMPORIO」と「ARMANI」の文字の間には、中央に「GA」の文字を白抜きにした左向きの鷲をデザイン化したものと認められる図形が配されている。)及び「ブラウス、コート、ブローチ、帽子、シューズ、セーター、マフラー、バッグ、ワンピース、ブルゾン、キュロットスカート」などについての価格が表示され、「ジョルジオ アルマーニが大人のステイタスだとしたら、エンポリオはその一歩手前の若者たちのために作られたデフュージョン(普及版)ライン。・・・」との記事が掲載されていること
(10)「FASHION SHOPPING BIBLE’85 流行ブランド図鑑」(株式会社講談社 昭和60年5月25日発行)の「GIORGIO ARMANI」の欄に、「GIORGIO ARMANI、ジョルジオ・アルマーニ」の文字と共に、「ファションに興味のある人間でG・アルマーニの名前を知らないなら、死んでもらいましょ。イタリアン・カジュアルと対峙する伝統のイタリアン・テーラード界に、それこそ彗星のごとく登場したのがG・アルマーニだったのだ。これは1975年のこと。この年のコレクションで、”キング・オブ・ブレザー”と呼ばれ、1977年「ルオモボーグ誌」にプレゼンテーションとして発表したミリタリー・ファションが全世界におおきな反響をあたえ、アルマーニの名声を不動のものにしたのだった。・・・」と記載され、「スーツ、ストライプシャツ、ベルト、プリントネクタイ、型押しレザーのシューズ」についての価格が表示されていること
(11)「MEN’S CLUB1990年8月号」(株式会社婦人画報社 1990年8月1日発行)の「20世紀最高のファッションデザイナー ジョルジオ・アルマーニに学ぶ。」の見出しのもと、デザイナーとしての紹介記事のほか、「1974年、ファションデザイナー ジョルジオ・アルマーニは、わずか15年間で、イタリアはもとより、世界のファション界を席捲したといえよう。スーツの王者ブレザーを着た国王キング・オブ・ミラノ、マエストロ・ディ・マエストロ〈巨匠の中の巨匠〉など、アルマーニに魅せられた数々の呼び名が示すように、彼なくして、ミラノいや世界のファションが語れないほど強大な影響力を持ったデザイナーといえる。・・・現在は、ジョルジオ・アルマーニ、エンポリオ アルマーニ、マーニ、アルマーニジーンズなどの代表的ブランドのほか、ジュニアクロージング、アンダーウエア、アクセサリー類、フレグランスなどもデザインしている。・・・」と記載されていること
同じく、「対象を限定しないエンポリオの服たち。」、「アルマーニの入門服として人気の高いエンポリオ アルマーニ、幅広い商品構成も大きな魅力だ。」との見出しのもと、「ジョルジオ・アルマーニのヤングブランドとして位置付けられているエンポリオ アルマーニ。エンポリオとはイタリア語で「市場」の意味で、年齢、職業、クラスを問わないデザインコンセプトで、ブランド誕生後9年間しかたっていないが、瞬く間に世界中で人気を集め、確固たる地位を築いた。・・・」との記事が掲載され、「コート、パンツ、ジーンズ」などの商品が紹介されていること
(12)「英和商品名辞典」(株式会社研究社 1990年第1刷発行)の「Giorgio Armani ジョジオアルマーニ」の項に、「イタリアMilanoのデザイナーGiordio Arumani(1934(33,35?)−)のデザインした紳士・婦人既製服その他の衣料品・靴・革製バッグ・革小物・ベルト・香水など,そのメーカー,・・・」、「・・・近年、価格帯を少し低めに設定したブランドEmporio Armaniを市場化しており人気を得ている。・・・」と記載されていること
同じく、「Armani アルマーニ」の項に、「⇒Giorgio Armani.」の表示があること
(13)「世界の一流品大図鑑’91年版」(株式会社講談社 平成3年5月23日発行)の「LADIES’ WEAR/婦人服」の欄に、「ジャケット、ショートパンツ、ドレス」の価格入り商品が掲載され、「GIORGIO ARMANI」、「ジョルジオ アルマーニ(イタリア)」の文字が掲載されていること
同じく、「MEN’S WEAR/紳士服」の欄に、「スーツ」の価格入りの商品が掲載され、「GIORGIO ARMANI」、「ジョルジオ アルマーニ(イタリア)」の文字が掲載されていること
同じく、「SWEATER/CARDIGAN」の欄に、「セーター」の価格入りの商品が掲載され、「GIORGIO ARMANI」、「ジョルジオ アルマーニ(イタリア)」の文字が掲載されていること
(14)「エフピー6月号」(株式会社学習研究社 1991年6月1日発行)の表紙に「アルマーニの世界戦略」との特集記事の紹介がされていること
(15)「世界の一流品大図鑑’95年版」(株式会社講談社 平成7年5月10日発行)の「LADIES’ WEAR/婦人服」の欄に、「GIORGIO ARMANI」、「ジョルジオ アルマーニ(イタリア)」の文字とともに、「スーツ、ブラウス、ベスト、パンツ、スカーフ、キュロット」の価格表示がされていること
同じく、「MEN’S WEAR/紳士服」の欄に、「GIORGIO ARMANI」、「ジョルジオ アルマーニ(イタリア)」の文字とともに、「ジャケット、パンツ、シャツ」の価格表示がされていること
同じく、「PERFUME/香水」の欄に、「GIORGIO ARMANI」、「ジョルジオ アルマーニ(イタリア)」の文字とともに、「オードパルファン」の価格表示がされていること
同じく、「MEN’S PERFUME/メンズパヒューム」の欄に、「GIORGIO ARMANI」、「ジョルジオ アルマーニ(イタリア)」の文字とともに、「オードトワレ、オードトワレスプレー」(商品には「ARMANI」の商標が認められる。)の価格表示がされていること
(16)「世界の一流品大図鑑’96」(株式会社講談社 平成8年5月12日発行)の「WEAR[婦人服・紳士服]の欄に、「GIORGIO ARMANI」、「ジョルジオ アルマーニ(イタリア)」の文字とともに、「・・・余分な装飾を排除し、着る人の個性を大切にするアルマーニの新作は、スリムなフォルムとモノトーンのシャープなコントラストが大きな特徴です。」と記載され、「ニットジャケット、ニットパンツ」、「シャツ、スーツ、ベスト」、「オードトワレ スプレー」、「サングラス」の各商品とその価格表示がされていること
(17)「世界の一流品大図鑑’98」(株式会社講談社 1998年5月30日発行)の「LADIES’WEAR/婦人服」の欄に、「GIORGIO ARMANI」、「ジョルジオ アルマーニ(イタリア)」の文字とともに、「スカート、パンツ、ジャケット、ミニドレス、ネクタイ、ブラウス、スーツ」の価格表示がされていること
同じく、「MEN’S WEAR/紳士服」の欄に、「GIORGIO ARMANI」、「ジョルジオ アルマーニ(イタリア)」の文字とともに、「スーツ、シャツ、タキシード」の価格表示がされていること
同じく、「KNIT WEAR/ニットウエア」の欄に、「GIORGIO ARMANI」、「ジョルジオ アルマーニ(イタリア)」の文字とともに、「ニット、パンツ」の価格表示がされていること
同じく、「BLOUSE・SHIRT/ブラウス・シャツ」の欄に、「GIORGIO ARMANI」、「ジョルジオ アルマーニ(イタリア)」の文字とともに、「シャツ」の価格表示がされていること
同じく、「NECKTIE/ネクタイ」の欄に、「GIORGIO ARMANI」、「ジョルジオ アルマーニ(イタリア)」の文字とともに、「ネクタイ」の価格表示がされていること
(18)「外国周知商標集(伊編)」(独立行政法人工業所有権総合情報館備え付け)に、「GIORGIO ARMANI」、「EMPORIO ARMANI」が、わが国における登録商標として掲載されていること
(19)「外国ブランド専用使用権者名簿」(社団法人日本輸入団体連合会 1993年2月刊行)に、凡例として「本書は、外国ブランドの模倣商品の輸入、製造及び流通を阻止するため、政府関係機関並びに全国都道府県消費者センター等の、模倣商品に関する照会や相談等の便に供するために刊行したものである。」との文が掲載され、また、「GIORGIO ARMANI」はブランドであり、「ジョルジオ アルマーニ ジャパン株式会社」が、専用使用権者名として掲載されていること
(20)「外国ブランド権利者名簿」(社団法人日本輸入団体連合会 1999年3月刊行)に、凡例として「本書は、外国ブランドの模倣商品の輸入、製造及び流通を阻止するため、政府関係機関並びに全国都道府県消費者センター等の、模倣商品に関する照会や相談等の便に供するために刊行したものである。」との文が掲載され、また、「GIORGIO ARMANI」及び「EMPORIO ARMANI」が、ブランドであり、「ジョルジオ アルマーニ ジャパン株式会社」が、専用使用権者名として掲載されていること
(21)「『ニセブランド商品にご注意!!』のパンフレット」(社団法人日本輸入団体連合会1999年製作)に、「海外有名ブランド品のニセモノがふえています」の見出しのもと、「・・・バーバリー、アルマーニの衣料、ロレックスの腕時計などといった海外有名ブランド商品は、消費者の間で根強い人気があることから、これに便乗してニセモノの横行が目立っております。・・・」との記載があること
2 「GIORGIO ARMANI」及び「ARMANI」などの商標の著名性について
以上の事実によれば、「GIORGIO ARMANI」はイタリアの服飾デザイナーであり、「ARMANI」、「アルマーニ」とも略称され、また同人のデザインした商品は、紳士服、ネクタイ、婦人服、、帽子、手袋、香水、傘、ブローチ、バッグ、ベルト、財布など広範囲に及び、これらの商品はファッション関連商品ということができる。そして、これらの商品は、「GIORGIO ARMANI」、「ジョルジョ・アルマーニ」、「ジョルジオ アルマーニ」の各文字からなる商標(ブランド)(以下「ARMANI」の商標という。)を使用した商品として紹介され、わが国においては、遅くとも本願商標の登録出願時(平成9年7月16日)までには、これらの商品の取引者、需要者の間において広く認識され、その状態は現在も継続しているものと認められる。
また、前記の職権による証拠調をした、株式会社研究社1990年発行「英和商品名辞典」「Giorgio Armani(ジョルジョアルマーニ)」の項の「・・・近年、価格帯を少し低めに設定したブランドEmporio Armaniを市場化しており人気を得ている。」との記載、株式会社マガジンハウス1988年11月24日発行「hanako」における「憧憬のアルマーニ」の掲載記事、「一歩手前の人へ。普及版デフュージョンブランド、エンポリオ。」の見出しのもと「ジョルジオ アルマーニが大人のステイタスだとしたら、エンポリオはその一歩手前の若者たちのために作られたデフュージョン(普及版)ライン。エンポリオ=市場の名のとおり、幅広いアイテム(スポーツウェアからイブニングまで)を手頃な価格で提供。・・・」との記事、工業所有権情報館備え付け「外国周知商標(伊編)」、「外国ブランド権利者名簿」によれば、「GIORGIO ARMANI」のほかに、デフュージョンブランド(普及版ブランド)として、「EMPORIO ARMANI」のブランドを、「ジョルジョ アルマーニ ジャパン株式会社」が、ブラウス、コート、パンツ、ジーンズ、ブローチ、帽子、シューズ、バッグ等の商品について使用し、これも取引者、需要者の間に広く知られているものと認められる。
3 商品の出所の混同について
本願商標は、後記のとおり「PAOLO ARMANI」の欧文字を横書きし,その上部中央に「a」の文字を表示した構成よりなるものである。そして、その構成中の「PAOLO ARMANI」が、一般に親しまれた特定の熟語を表すものであったり、特定の人名を表すものとして知られているとする事情は認められない。
一方、前認定のとおり「ARMANI」の商標は、紳士服、ネクタイ、婦人服、、帽子、手袋、香水、傘、ブローチ、バッグ、ベルト、財布等のファッション関連商品について取引者、需要者の間において広く認識されているものであり、また、そのデフュージョンブランドとして「EMPORIO ARMANI」を使用し、これもまたファション関連商品について広く知られているものであること、「GIORGIO ARMANI」、「ジョルジオ・アルマーニ」は、イタリアの服飾デザイナーとして著名であり、「アルマーニ」とも略称されていること、本願商標の指定商品は、「貴金属製喫煙用具,身飾品,時計」であり、ファッション関連商品といえるものであることよりすれば、本願商標がこれらの商品に使用された場合には、取引者、需要者は、前記著名な「GIORGIO ARMANI」の商標に関連する別ブランドであるのではないかなどと連想、想起し、その商品が「ジョルジオアルマーニ」又は同人と組織的、経済的に何らかの関係がある者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるといわなければならない。
そして、この混同を生ずるおそれは、本願商標登録出願時から現在においても継続しているものと認められる。
4 請求人の主張について
(ア)請求人は、本願商標の一部に「ARMANI」の文字が含まれていることは確かであるが、ファッション関係のデザイナーやブランドの場合、他人の別商標であるにもかかわらず、姓か名のどちらか一方が同一の例は珍しくないものである旨、また、姓か名のどちらか一方を強調するのは適当でないと主張する。
しかし、デザイナーなどの姓か名のどちらか一方が同一の例は珍しくないとしても、請求人が示している例は、いずれもデザイナーとしてその名が知られており、別人の氏名であることが明らかなものである。
これに対し、本願商標は、その構成中の「PAOLO ARMANI」の文字全体をもって特定のデザイナーの氏名として周知であるなどの事情は認められないものである。
(イ)請求人は「類似商標商品の出現は、マイナスどころかその潜在的市場を拡大し、その結果、先行したブランドを消費者に益々権威のあるものとし、絶対的な地位を与えられるものとなる場合も多い。類似商標の出現で先行商標が打撃を受けたとの例は、最近では少ない。したがって、類似商標商品を認めないのは、市場の適切な競争を妨げるものである」旨主張している。
しかし、商標法は、商標の使用をする者の業務上の信用の維持を図ることを目的とし、商標の本質的機能である出所表示機能を保護するために、他人の業務に係る商品(役務)と出所の混同を生ずるおそれのある商標、他人の商標と類似する商標を登録できないものとしている。したがって、請求人の主張は、商標法に違反する主張であり、採用の限りでない。
(ウ)請求人は、「VALENTINO」がイタリア人のありふれた名前であるように、「ARMANI」も特定のデザイナーと決めつけることはできず、特許庁の過去の審査、審決例でも本願商標のような構成文字の商標が一体のものとして判断された例が多い旨主張する。
しかし、「ARMANI」がイタリアでありふれた名前であっても、わが国においてありふれた名前であるとは認められない。「ARMANI」の文字を含む「ARMANIの商標」は、それがイタリアでの一般的なありふれた名前であるかどうかに関係なく、上記認定のとおり、わが国においてファッション関連商品に使用された結果、取引者、需要者に広く認識されている商標といえるものである。
また、「ARMANI」や「アルマーニ」の文字を含む商標が他に存在するとしても、それらの商標と本願商標とは、その構成が相違するし、登録適格の判断時点が異なるものであり、事案を異にするものである。
さらに、それらの商標が「ジョルジオ アルマーニ ジャパン株式会社」によって使用される「ARMANIの商標」と明確に区別されていると認めるに足りる証拠はなく、むしろ、上記認定のとおり、「ARMANIの商標」と何らかの関連性のあるものと誤解している可能性も否定できないというべきである。
(エ)請求人は、「GIORGIO ARMANI(ジョルジョ・アルマーニ)」は、その関連ブランド「EMPORIO ARMANI(エンポリオ・アルマーニ)」を含めて「ARMANI(アルマーニ)」単独の商標の使用はしていないから、本願商標は商品の出所の混同は生じないと主張する。
しかし、本願商標が他人の商品と混同を生ずるおそれがある理由は、本願商標に接する取引者、需要者が「GIORGIO ARMANI」の商標と関連性のある兄弟ブランドであるかのように連想、想起することによるものであって、デザイナーの「GIORGIO ARMANI」が、「ARMANI」の商標を単独で使用していないかどうかとは直接関係のないものである。
そうしてみると、請求人の主張は根拠のないものであって、いずれも採用することができない。
5 結び
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものであるから、同様の理由により拒絶した原査定は、取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
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