結論テキスト
本願商標は、登録すべきものとする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 平成11年審判第4064号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本願商標は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、第25類「コート,セーター類,和服,エプロン,ずきん,ガーター,靴類(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。),靴くぎ,げた,運動用特殊衣服,乗馬靴」を指定商品として、平成5年10月18日に登録出願されたものである。
原審において、登録異議の申立てがあった結果、登録第1558196号商標、登録第653754号商標及び登録第2097119号商標を引用商標として、「登録異議申立人(以下「申立人」という。)の申立ての理由及び提出に係る証拠を総合して勘案するに、申立人及びエスプリ・ド・コーポレーションを中心とするエスプリグループが、1968年に米国サンフランシスコで創業以来『ESPRIT』の構成よりなる商標をカジュアルウエアを主とする衣料品、靴、アクセサリーそのほかのファッション関連商品について使用し、米国のみならず、世界各地で販売された結果、『ESPRIT』の商標が『エスプリ』と称され、エスプリグループの各構成企業を表す略称あるいはこれらの企業が取り扱う商品を表すものとして、我が国においても、本願商標の出願時には、すでに取引者、需要者間に広く認識されるに至っていることが認められる。しかして、本願商標は、全体として一般に親しまれた成句的意味合いを有するものとは認められず、常に不可分一体のものとして把握認識しなければならない格別の事情はない。そして、一見して、前述のごとく知られた商標と綴り字及び『エスプリ』の称呼を同じにする『ESPRIT』の部分が分離して観察され、当該部分が強く印象されるというべきものである。してみれば、『ESPRIT』の文字を含む本願商標をその指定商品について使用するときは、当該商品が、申立人あるいは申立人と何等かの関係ある者の業務に係る商品であるかの如く、商品の出所について混同を生ずるおそれがあると判断するのが相当である。したがって、本願商標が商標法第4条第1項第15号に該当するとする本件登録異議の申立ては、理由があるものとすべきである。」旨を理由とする登録異議の決定があり、原査定は、その決定の理由によって、本願を拒絶したものである。
なお、上述の引用商標のうち、登録第1558196号商標は、「ESPRIT」の文字を書してなり、第17類「被服(運動用特殊被服を除く)布製身回品(他の類に属するものを除く)寝具類(寝台を除く)」を指定商品とするものであり、登録第653754商標は、「エスプリ」の文字を書してなり、第17類「被服、布製身回品、寝具類」を指定商品とするものであり、また、登録第2097119号商標は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、第17類「被服(運動用特殊被服を除く)布製身回品(他の類に属するものを除く)寝具類(寝台を除く)」を指定商品とするものである。
本願商標は、別掲(1)のとおりの構成よりなるところ、「ESPRIT MUR」の欧文字と「エスプリミュール」の仮名文字を外観上まとまりよく一体的に表してなるばかりでなく、仮名文字が欧文字の表音を書したものであるため、直ちに「エスプリミュール」と一連に読むことが可能であり、その一連の称呼も格別冗長というべきものでなく、よどみなく称呼し得るものである。しかも、その観念をみても、本願指定商品も関係するファッションの分野ではフランス語も使用され得るところ、「コンサイス仏和辞典第4版(発行所 株式会社三省堂)」、「新スタンダード仏和辞典(発行所 大修館書店)」、「ロワイヤル仏和中辞典机上版(発行所 株式会社旺文社)」、「小学館ロベール仏和大辞典(発行所 株式会社小学館)」等の辞書の「mur(「u」の文字にはアクサン・シルコンフレクスが表示されている)」の欄のいずれにも、「esprit 〜」として「思慮ある人」等の意味が記載されていることを踏まえれば、全体として「思慮ある人」の意味合いを把握する者も少なくないといえる。そうとすれば、本願商標は、その構成文字の全体をもって一連で一体不可分のものと認識、把握されるとみるを相当とする。
一方、引用商標は、それぞれ上述のとおりの構成よりなるものであるが、その中でも、申立人提出の資料においては、別掲(2)の登録第2097119号商標と同態様の商標が主に使用されているところ、該商標は全体的には「ESPRIT」の文字を書したものと未だ認識し得るものであるとしても、「E」の文字に相当する語頭部が三本線状に図案化してなる点が特徴のひとつとなっているものである。
そこで、本願商標と引用商標を比較するに、本願商標は、「E」の文字に相当する語頭部を図案化してなるような特徴は有さず、しかも、引用商標が「ESPRIT」又は「エスプリ」の文字を書したものと認識され、「エスプリ」の称呼と「才気、機知」の観念が生ずるとしても、本願商標は、一連で一体不可分のものとして認識されること上述のとおりであるから、引用商標とは、外観、称呼、観念のいずれにおいても、互いに区別し得る明らかな差異を有するものである。
さらに、たとえ、申立人等を中心とするグループ企業が引用商標を衣料品、靴、アクセサリーなどのファッション関連商品に使用し、雑誌等でとりあげられるなどした結果、本願商標の登録出願時には、引用商標がある程度知られるに至っているといっても、申立人提出の資料をもってしては、外国はともかく、日本国内の状況については、甲第7号証として提出された「インターナショナル・セール・オペレーション」と題された表によれば、日本における店舗数が「STORES」、「FRANCHISES」、「SHOP−IN−SHOP」及び「SHOWROOM」のいずれもがゼロとなっているほか、国内での取引量等の状況も必ずしも定かになっていない。
してみれば、本願商標について、これに接する取引者、需要者が殊更に「ESPRIT」及び「エスプリ」の文字部分に注目し、申立人又は同人と何等かの関係がある者の業務に係る商品であるかの如く、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるとまでいうことはできない。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第15号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
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