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結論

敗訴(請求棄却)

第3条第1項第3号「「肌にやさしい」の記述性」の商標審決・判断理由(審判番号:平成10年審判第6329号|請求不成立)

審判番号
平成10年審判第6329号
審判種別
不服

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標(図形等・本文参照)
争点(論点)
「肌にやさしい」の記述性
適用条文
第3条第1項第3号
指定商品・役務の区分
本文参照
最終結論
請求不成立(敗訴(請求棄却))

この審決(審判平成10年審判第6329号・不服)は、本件商標について、商標法第3条第1項第3号への該当性が争われた事例です。主な争点は「「肌にやさしい」の記述性」です。特許庁は「本件審判の請求は、成り立たない」と判断しました(請求不成立)。商品の品質や用途を直接表す語は識別力が否定されやすいため、出願前に造語化や図形との組合せを検討することが有効です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「肌にやさしい」の文字を横書きしてなり、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,靴類(靴合わせくぎ,靴くぎ,靴の引き手,靴びょう,靴保護金具を除く),靴合わせくぎ,靴くぎ,靴の引き手,靴びょう,靴保護金具,げた,草履類,運動用特殊衣服,運動用特殊靴(乗馬靴を除く),乗馬靴」を指定商品として、平成8年10月16日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶理由

原査定は、「本願商標は、『肌にやさしい』の文字よりなるところ、近年アレルギーの増加が問題となっており、本願の指定商品においても、抗アレルギー素材や有機農法で栽培し漂白剤やワックスを使用しない木綿が『肌にやさしい』素材として肌着等に使用されていることよりすれば、これを指定商品に使用する場合は、上記の『肌にやさしい』ものであることを理解されるにとどまり、単に商品の品質を普通に用いる方法で表示するにすぎないものであると認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、「肌にやさしい」の文字を普通に用いられる方法で横書きしてなるところ、構成中の「肌」及び「やさしい」の各文字(語)について、広辞苑第五版(岩波書店発行)の「はだ(肌・膚)」の項を徴すれば「かわ。うわかわ。表皮。人などの体の表面。はだえ。皮膚」と解説され、また、「やさしい」という項を徴すると「悪い影響を及ぼさない。」という解説の基に「肌にやさしい洗剤」という用例が記載されている。

してみれば、本願商標全体からは、「人などの身体の表面(皮膚)に悪い影響を及ぼさない。」の意味合いを容易に理解させるというのが相当である。

しかして、本願指定商品について、株式会社ジー・サーチの提供に係る「G―Searchの新聞情報データベース」をみるに、「『ファンケル 快適機能インナーを実験的に店舗販売へ(2000.03.16 繊研新聞)』という見出しのもと『すべての製品に、肌にやさしいシルクたんぱく質の「セリシン」加工を施し...』」という記載、「『長続きする企業を(1999.07.14 繊研新聞)』の見出しのもと『これまであったブランドを絞り込んだり、肌にやさしい商品を開発するなど、「わかりやすく、環境面でも時代に沿った」商品開発を...』」という記載、「『広がる健康・快適素材(1999.05.20 繊研新聞)』の見出しのもと『需要拡大の背景には、消費者の健康や快適に対する意識の高まりがある。機能素材の中でも健康・快適機能に対するニーズが高まりつつある。市場として抗菌防臭、消臭をはじめ肌にやさしい保湿加工、ヒーリングなどの機能を持つ商品の開発が活発になっている』」という記載、「『手芸家の高橋恵美子さん やさしくなれる手縫い(1996.09.01 朝日新聞 東京朝刊 41頁 日曜版)』の見出しのもと『手縫いを始めたきっかけは二十一年前、最初の出産準備の時。肌にやさしい素材を選び、よだれ掛けや肌着、服を洗濯に耐える縫い方で工夫した。』」という記載、「『肌にやさしい赤ちゃん用品 アレルギー・アトピー対応(1995.05.17 朝日新聞 大阪夕刊)』の見出しのもと『衣料品メーカーが皮膚科の医師らの指導を受けて、相次いで開発した「肌にやさしい」商品が最近、百貨店のベビー用品売り場にも目立ちはじめた。独立したコーナーを設けて衣、食、おもちゃ、それぞれのアレルギー対応商品がまとめて買えるようにしたところもあり、肌の弱い赤ちゃんをもつ消費者から注目されている。』『阪神百貨店(大阪市北区)は三月末、八階子供服売り場に、刺激の少ないスキンケア用品、天然素材で作った衣料、アレルギーの原因になる食品を除いた離乳食など、アレルギーやアトピー性皮膚炎、肌の弱い赤ちゃん向けの商品を一カ所に集めた「お肌にやさしいベビーウエア・用品コーナー」を常設した』」という記載が認められる。

以上のことよりすれば、本願指定商品を取り扱う業界並びに消費者においても、「人などの身体の表面(皮膚)に悪い影響を及ぼさない」という意味で、広辞苑第五版(岩波書店発行)に掲載されている「肌にやさしい洗剤」という用例と同様に、皮膚に悪い影響を及ぼさないよう配慮した商品について、その商品の品質を表すために「肌にやさしい」という文字(語)が使用されている事実を認めることができる。

そうとすれば、本願商標は「人などの身体の表面(皮膚)に悪い影響を及ぼさない商品」であることを表すために普通に使用されている「肌にやさしい」の文字を普通に用いられる方法で、横書きしてなるものであるから、これを、その指定商品中「人などの身体の表面(皮膚)に悪い影響を及ぼさないよう製造・加工された商品」に使用しても、前記品質を有する商品であることを理解、認識させるに止まるものであって、これに接する取引者、需要者は、本願商標をもって商品の出所の識別標識とは認識、理解し得ないものといわなければならない。

したがって、本願商標を、商標法第3条第1項第3号に該当するものとして本願を拒絶した原査定は妥当なものであって、これを取り消すことは出来ない。

よって結論のとおり審決する。

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