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Trademark Appeal Case

「肌にやさしい」の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成10年審判第6331号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「肌にやさしい」の文字を横書きしてなり、第24類「布製身の回り品,かや,敷き布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布,織物製壁掛け,織物製ブラインド,カーテン,シャワーカーテン,テーブル掛け,どん帳,布製ラベル,のぼり及び旗(紙製のものを除く)」を指定商品として、平成8年10月16日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶理由

原査定は、「本願商標は、『肌にやさしい』の文字よりなるところ、近年アレルギーの増加が問題となっており、本願の指定商品においても、抗アレルギー素材や有機農法で栽培し漂白剤やワックスを使用しない木綿が『肌にやさしい』素材として布団・布団カバー等に使用されていることよりすれば、これを指定商品に使用する場合は、上記の『肌にやさしい』ものであることを理解されるにとどまり、単に商品の品質を普通に用いる方法で表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、「肌にやさしい」の文字を普通に用いられる方法で横書きしてなるところ、構成中の「肌」及び「やさしい」の各文字(語)について、広辞苑第五版(岩波書店発行)の「はだ(肌・膚)」の項を徴すれば「かわ。うわかわ。表皮。人などの体の表面。はだえ。皮膚」と解説され、また、「やさしい」という項を徴すると「悪い影響を及ぼさない。」という解説の基に「肌にやさしい洗剤」という用例が記載されている。

してみれば、本願商標全体からは、「人などの身体の表面(皮膚)に悪い影響を及ぼさない。」の意味合いを容易に理解させるというのが相当である。

しかして、本願指定商品について、インターネットにより情報を公開しているサイトをみると、例えば、株式会社シバタ(愛知県豊川市御油町一町田18所在)が開設するホームページ(http://www.rakuten.co.jp/matsunamiki/427895/)において「デリケートな赤ちゃんのために肌にやさしいガーゼベビー寝具」という見出しのもと「★ガーゼの肌ざわりの良さは皆さん誰もご存じと思いますが当店のガーゼは、さらに高脱脂することにより吸汗性を大幅アップ!体から出た汗を瞬時に吸水! ★加工屋さんの技術を生かし無添加仕上げを使用しているので、化学物質アレルギーの方にも安心♪」との紹介、セキスイインテリア株式会社(東京都新宿区西新宿6-3-1所在)が開設するホームページ(http://www.sekisuiinterior.co.jp/catalogue5_main.html)において「アンサンブル羽毛(掛・肌掛)ふとん(2枚組)」という見出しのもと「肌にやさしい選りすぐりの天然素材寝具、中わたにはハンガリー産の最高級ホワイトグース手摘みダウンを使用。 あたたかく、ふんわりとした感触で、心地よい眠りをお約束します。オールシーズン快適な、アンサンブル羽毛(掛・肌)ふとん(2枚組)、夏には薄手の布団1枚で。春・秋は厚手の布団1枚で。 冬には2枚合わせて、オールシーズン快適です。 重ねると空気層ができ、真冬はとくに暖か。 抗菌防臭(バイオシル加工)済」との紹介、田村ふとん店(京都市上京区千本通上長者町下ル革堂前之町110所在)が開設するホームページ(http://www.kyoto-senbon.or.jp/tam/atopy.html)において「過敏なお肌にやさしさを」の見出しのもと「肌にやさしい綿100%素材を使用しています」との紹介、その他寝具類を販売するために開設されているホームページにおいても「備長炭枕(http://www.ombas.co.jp/cat/sleep.html)」の説明では「ピローケースは肌にやさしいオーガニックコットン100%で、ダニを通さない高密度織物。粒が出にくい2重袋加工になっています。」との紹介が認められる。

また、株式会社ジー・サーチの提供に係る「G―Searchの新聞情報データベース」をみるに、「『肌にやさしい』が売り ダニや菌減らす抗アレルギー商品続々(1994.11.19 朝日新聞 東京夕刊)」の見出しのもと「アレルギーの原因になる物質をできるだけ取り除いたり、天然の抗菌成分を配合したりした肌着や布団が、アトピーなどのアレルギー体質に悩む人たち向けに出ていて、売り上げを伸ばしています。どれも「肌にやさしい」が売り物で、大手スーパー各社が自主企画(PB)商品として下着を開発するなど、新しい市場として浮上してきました。」という記事で、各企業の商品を「帝人『マイティトップアース製薬と共同開発したハイクリーンふとん』(防ダニ加工ポリエステル布団綿を100%使用。)、『ミクロガード』(ポリエステルの極細繊維を高密度で織り上げた防ダニ布団カバー)」、「山清『ダニアレルゲンカット』(ダニ忌避剤を使わない天然綿を素材にし、布団地に綿繊維を使用。針目のない特殊製法で仕上げた)」の記載が認められる。

以上のことよりすれば、本願指定商品を取り扱う業界においても、「人などの身体の表面(皮膚)に悪い影響を及ぼさない」という意味で、広辞苑第五版(岩波書店発行)に掲載されている「肌にやさしい洗剤」という用例と同様に、皮膚に悪い影響を及ぼさないよう配慮した商品について、その商品の品質を表すために「肌にやさしい」という文字(語)が使用されている事実を認めることができる。

そうとすれば、本願商標は「人などの身体の表面(皮膚)に悪い影響を及ぼさない商品」であるという商品の品質を表すために普通に使用されている「肌にやさしい」の文字を普通に用いられる方法で、横書きしてなるものであるから、これを、その指定商品中「人などの身体の表面(皮膚)に悪い影響を及ぼさないよう製造・加工された商品」に使用しても、前記品質を有する商品であることを理解、認識させるに止まるものであって、これに接する取引者、需要者は、本願商標をもって商品の出所の識別標識とは認識、理解し得ないものといわなければならない。

したがって、本願商標を、商標法第3条第1項第3号に該当するものとして本願を拒絶した原査定は妥当なものであって、これを取り消すことは出来ない。

よって結論のとおり審決する。

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