Trademark Appeal Case
形状表示の識別性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成10年審判第10549号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「アーチフォーム」の文字を横書きしてなり、第19類「セメント製品製造用型枠(金属製のものを除く。),建築用又は構築用の非金属鉱物,陶磁製建築専用材料・れんが及び耐火物,合成建築専用材料,アスファルト及びアスファルト製の建築用又は構築用の専用材料,ゴム製の建築用又は構築用の専用材料,しっくい,石灰製の建築用又は構築用の専用材料,石こう製の建築用又は構築用の専用材料,繊維製の落石防止網,建造物組立てセット(金属製のものを除く。),セメント及びその製品,木材,石材,建築用ガラス,建具(金属製のものを除く。),土砂崩壊防止用植生板,コンクリート製彫刻,石製液体貯蔵槽,石製工業用水槽」を指定商品として、平成8年3月25日に登録出願されたものである。
2 原査定における拒絶の理由
原査定において、『本願商標は、アーチ形の形状の意を容易に認識させる「アーチフォーム」の文字を書してなるものであるから、これをその指定商品中、アーチ形をした商品に使用するときは単に商品の品質、形状を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。』旨認定、判断して、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、「アーチフォーム」の文字を横書きしてなるところ、その構成中、前半の「アーチ(arch)」の文字部分は、「建造物における開口部の上部の弓形をした部分、また、その形をもった建造物」等の意味を有する外来語(「日本語になった外国語辞典」株式会社集英社 1997年4月26日、第3版第5刷発行)として、また、その構成中の後半の「フォーム」の文字部分は、「形、型」等の意味を有する外来語(上掲「日本語になった外国語辞典」)としてそれぞれ親しまれているものである。
ところで、指定商品を取り扱う業界においては、その構成中、前半の「アーチ」の文字部分については、例えば、(「建築大辞典第2版<普及版>」株式会社彰国社 1999年9月30日、第5刷発行)によれば、「アーチ arch」の項に、「開口部の上部の荷重を支えるために石や煉瓦を曲線形に積み上げた構造。」と記載され、同じく、(社団法人日本建築学会編集「建築学用語辞典」株式会社岩波書店 1993年12月6日、第1刷発行)によれば、「アーチ」の項に「開□部や空間の上部を石やれんがで円弧状に積上げ、その上の荷重を支える構造。転じて、円弧状の門形構造物の総称」と記載され、同じく、「現代用語の基礎知識 1999」(自由国民社 1999年1月1日 発行)によれば、「ア−チ(arch)」の項に、「橋げたや門などによく見られる弓形の構造物」とそれぞれ記載されているものである。
また、構成中の後半の「フォーム」の文字部分については、例えば、(「建築大辞典第2版<普及版>」株式会社彰国社 1999年9月30日、第5刷発行)によれば、「かたわく[型枠]form,mould,shuttering」の項に「コンクリートを打ち込み成形するための堰板と支保工より成る仮設の枠組。」と記載され、同じく、(社団法人日本建築学会編集「建築学用語辞典」株式会社岩波書店 1993年12月6日、第1刷発行)によれば、「[型枠]form;mould;shuttering」の項に「打ち込まれたコンクリートを所定の形状、寸法に保ち、コンクリートが適当な強度に達するまで支持する仮設構造物の総称。」とそれぞれ記載され、同じく、(森脇哲男 他編者「建築材料用語事典」株式会社オーム社、昭和53年1月20日、第1版第1刷発行)によれば、「型枠(かたわく)form,mould,shuttering」の項に、「コンクリートを打ち込み、所定の形に成形するための堰板と支保工よりなる仮設の枠組。」とそれぞれ記載されているものである。
以上の事実によれば、取引者、需要者は、「アーチフォーム」の語を「アーチ形の型枠」等の意味合いを有するものとして認識、理解されるものと判断するのが相当である。
してみれば、「アーチフォーム」の文字を書してなる本願商標をその指定商品中「アーチ形の型枠に使用するセメント製品製造用型枠(金属製のものを除く。)」に使用しても、これに接する取引者、需要者は、上記事情から、「アーチ形の型枠」等の意味合いを認識するとどまり、単に商品の品質、形状を表示したものと理解し、自他商品の識別標識としての機能を有するものとは認識しないものと判断するのが相当であり、また、本願商標をその指定商品中「アーチ形の型枠に使用するセメント製品製造用型枠(金属製のものを除く。)」以外の「セメント製品製造用型枠(金属製のものを除く。)」に使用するときは、商品の品質について、誤認を生じさせるおそれがあるものといわざるを得ない。
請求人は、本願商標の「アーチフォーム」が一体不可分の表示であるし、過去の登録例を挙げて種々主張しているが、本査定時における「アーチフォーム」という語の持つ意味、指定商品との関係、組み合わせた語句との関係等を無視して一般的に比較することはできないと言わざるを得ず、既登録例等があることをもって、本願商標の識別力についての前示認定判断を覆すことはできない。
したがって、本願商標について商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
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