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Trademark Appeal Case

品質表示と識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号無効2000−35332(T2000−35332/J3)
審判種別無効
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4157557号商標(以下、「本件商標」という。)は、平成8年12月24日に登録出願、後掲に表示したとおり、「Virgin Pink」の欧文字をスクリプト体(手書き書体)風に綴ってなり、第3類「化粧品」を指定商品として、同10年6月19日に設定の登録がされたものである。

2 請求人の主張

請求人は、本件商標の登録を無効にする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由の要旨及び被請求人の答弁に対する弁駁を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲10号証を提出した。

(1)無効理由

本件商標は、その指定商品「化粧品」との関係において、「初々しいピンク色」程の意味合いを容易に想起させる英語「Virgin Pink」を、普通に用いられる方法で書してなるにすぎない。そのため、かかる商標を「Virgin Pink」の文字に照応する商品である「乳首やビキニラインのくすみを取り除き、初々しいピンク色にする美白用の化粧品」に使用しても、単に商品の品質、効能を表すものとして直感し認識されるに止まり、なんら自他商品を区別する標識としての機能を果たすことができないものと認められ、本件商標は商標法第3条第1項第3号に該当する。また、本件商標を上記以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあり、商標法第4条第1項第16号にも該当する。

(2)具体的理由

(ア)欧文字の「Virgin Pink」は、取引者、需要者をして「初々しいピンク色」程の意味合いを直感的に認識せしめる簡易な英語であり、「乳首やビキニラインのくすみを取り除き、初々しいピンク色にする美白用の化粧品」の品質、効能を表示する語である。

まず、本件商標の指定商品「化粧品」の取引者、需要者は、欧文字の「Virgin Pink」を「初々しいピンク色」程の意味合いを有する英語として認識するといえる。その証拠を適示する。

本件商標の構成中の「Virgin」は、「処女のような、初々しい」といった意味合いを有するものとして認識される半ば日本語化した英語である。中学生等にも利用される比較的簡易な国語辞典の一である(株)小学館発行の「新解国語辞典」や一般に汎く使用されている国語辞典の一である(株)岩波書店発行の「広辞苑」にも、片仮名語の「バージン」が「処女」の意味を有する語として掲載されている。また、一般に汎く使用されている英和辞典の一である(株)小学館発行の「プログレッシブ英和辞典」によると、英単語の「Virgin」は「処女の、処女らしい、触れられたことのない、未経験の」等の意味合いを有するとあるが、これらの意味はすべて「処女」の意味から派生したものである。そのため、我が国の取引者、需要者は欧文字の「Virgin」から「処女のような、初々しい」といった程度の意味合いを看取するものと考えられる。

また、欧文字の「Pink」は「桃色、ピンク色」を意味する日本語化した英語であり、取引者、需要者はこれから「桃色、ピンク色」の意味合いを看取するといえる。このことは、上記の(株)小学館発行の「新解国語辞典」や(株)岩波書店発行の「広辞苑」に片仮名語の「ピンク」が掲載されていることからも窺える。

よって、「Virgin Pink」の欧文字の付された商品に接する取引者、需要者は、かかる文字から「初々しいピンク色」程の意味合いを直感するものと考えられる。

なお、欧文字の「Virgin Pink」が全体として色彩を表現する語として認識され識別力を有さないことは、色彩を表す語として「ピンク」という表現が多数使用されている事実からも窺える。例えば、「サーモンピンク」「ローズピンク」「チェリーピンク」等の語が色彩を表す表現として一般的に使用されている。

(イ)次に、「Virgin Pink」の欧文字が「乳首やビキニラインのくすみを取り除き、初々しいピンク色にする美白用の化粧品」の品質、効能を表示する語として認識されることの証拠を提出する。

請求人である株式会社ベルトゥリー・エンタープライズは、「ボディ・乳首の黒ずみ・くすみ・顔のシミ・ソバカス・二キビ・皮膚炎の跡」等に効果を発揮する美白用の化粧品(乳首やビキニラインのくすみを取り除き、初々しいピンク色にする効能を有する)の一般的名称として「Virgin Pink」なる語を使用しており、1998年頃よりその効果を強調した宣伝、広告活動をおこなっている。当該宣伝、広告活動は、全国的に多数の発行部数を誇り幅広い読者層を持つ「nonno」(発行部数100万部以上)、「JJ」(発行部数70万部以上)、「読売ライフ」、「毎日夫人」等の雑誌、「産経新聞」等の新聞、折り込みちらし等を通じておこなわれているほか、関西テレビのテレビ番組でも取り上げられている。また、請求人は該商品を通信販売のほか、東急ハンズやロフト等の有名小売店においても販売している。これにより、需要者の間で、欧文字の「Virgin Pink」は商品の品質または一般的名称を表す語として広く認識されるにいたっている。

また、請求人のほかにも件外のハイテクサービス株式会社(東京都文京区本郷5一23一12鳩山ビル所在)など複数の会社が「Virgin Pink」なる化粧品を販売しているが、これらの商品はいずれも、同様の効能を有する化粧品としてその効能を強調した宣伝、広告活動および販売活動がおこなわれている(甲第8号証参照)。

そのため、これらの商品に接する取引者、需要者は「Virgin Pink」の英語を商品の出所を区別する標識としてではなく、「乳首やビキニラインのくすみを取り除き、初々しいピンク色にする」という商品の品質、効能を表す語として認識しているものと理解する。

なお、英単語の「virgin」が識別力を有さないことは、「ヴァージンフロー/VIRGIN FLOW」(登録第3334776号)、「ヴァージンベール/VIRGIN VEIL」(登録第4078691号)、「ヴァージンフォーエバ一/VIRGINFOREVER」(登録第4273015号)等、欧文字の「Virgin」をその一部に含む商標が「化粧品」を指定商品として多数併存登録されている事実からも傍証される(第9号証)。上記の商標出願の審査において、「VIRGIN」の部分は商標の要部とは判断されていない。

また、英単語の「Pink」が識別力を有さないことは、過去の審決例「昭和58年審判第3926号」(第10号証)商標「PINK&BLUE」においても踏襲されている。

(ウ)以上により、「Virgin Pink」の欧文字は、取引者、需要者をして「美白用の化粧品」の品質、効能を表示する語として認識されるといえる。よって、本件商標は、その指定商品中「乳首やビキニラインのくすみを取り除き、初々しいピンク色にする美白用の化粧品」に使用した場合、自他商品の識別力を有さず、その他の商品に使用した場合、商品の品質の誤認を招くおそれがある。したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号または商標法第4条第1項第16号に該当する。

(3)被請求人の答弁に対する弁駁

「Virgin Pink」なる語は、取引者、需要者をして「初々しいピンク色」との意味合いを直感的に認識せしめるものである。

この点、被請求人は、答弁書において、「Virgin Pink」なる語は「初々しいピンク色」との意味合いには理解されないと主張し、その論拠として、「Virgin」なる英語は、我が国においては、未だ「処女」の意をもって扱われており、「処女のような、初々しい」といった意味合いには理解されない、と述べている。

請求人としても、「Virgin」との語が一般的に「処女」の意味を表すことには承服する。しかしながら、この語が「Virgin Pink」のように他の語を修飾する形で使用されている場合、需要者は「処女」という直接的な意味から派生して、容易に「処女のような、初々しい」といった意味合いを看取するものと考えられる。また、「Virgin」なる英単語は、もともと「処女の、処女らしい」といった形容詞的な意味合いを有するものである(甲第3号証参照)。そのため、「Virgin Pink」なる語は、全体として「初々しいピンク色」との意味合いを直感させるものであるといえる。

また、被請求人は、本件商標は色彩を表現するものではないと主張し、その論拠として、乙第1号証乃至乙第3号証を提出し、末尾に色彩を表す語を有する商標の登録例を挙げている。しかしながら、これらの登録商標は、色彩を表す語とその前に位置する語の意味的な関連性が弱く、全体として色彩を表しているとはいえないものである。一方、「サーモンピンク]、「ローズピンク」、「チェリーピンク」等のように、前に位置する語が色彩を表す語を修飾しているものは、全体としても色彩を表し、自他商品識別力を有さないといえる。本件商標は、「Virgin」の部分が「Pink」の部分を修飾し、全体として「初々しいピンク色」との意味合いを有するものである。 「Virgin Pink」なる語は、「乳首やビキニラインのくすみを取り除き、初々しいピンク色にする美白用の化粧品」の一般的名称としてとして広く使用されているものである。請求人である(株)ベルトゥリー・エンタープライズは、「ボディ・乳首の黒ずみ・くすみ・顔のシミ・ソバカス・二キビ・皮膚炎の跡」等に効果を発揮する美白用の化粧品の一般的名称として「Virgin Pink」なる語を使用しているが、請求人のほかにも件外のハイテクサービス株式会社や株式会社リバティーなど複数の会社が「Virgin Pink」なる化粧品を販売している。そのため、「Virgin Pink」なる語は、これら複数の会社による慣用的な使用の事実からみても、自他商品識別力を有さないものと思料する。

以上により、「Virgin Pink」の欧文字は、取引者、需要者をして「美白用の化粧品」の品質、効能を表示する語として認識されるため、本件商標は、その指定商品中「乳首やビキニラインのくすみを取り除き、初々しいピンク色にする美白用の化粧品」に使用した場合、自他商品の識別力を有さず、その他の商品に使用した場合、商品の品質の誤認を招くおそれがある。そのため、本件商標は、商標法第3条第1項第3号または商標法第4条第1項第16号に該当する。

3 被請求人の答弁

被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第3号証を提出している。

(1)請求人は、「Virgin」について、「処女のような、初々しい」といった意味の半ば日本語化された英語であるとしているが、請求人が提出した証拠は、日本語の辞書と英語の辞書である。このような点に鑑みると、「Virgin」なる英語は、原意として「処女」の意があり、そこから様々な意味が派生しているが、我が国においては、未だ「処女」の意をもって扱われていると判断するのが妥当である。また、辞書に意味が載っていることをもって、半ば日本語化されたと判断するのは早計である。

したがって、本願商標の構成要素である「Virgin」の語をもって、我が国需要者が容易に「処女のような、初々しい」といった意味を認識するとはいえない。

(2)請求人は、「サーモンピンク」「ローズピンク」「チェリーピンク」等の使用例を示して、本願商標は全体として色彩を表示するものと判断している。しかし、この判断は、本願商標の構成が末語に「Pink」の文字を置いていることからの帰結であり、末語に色彩を表示する語は、全て色彩表示であり、識別力が認められないとの結論を探らない限り、そのような判断は妥当性を有しない。この点、末語に色彩を表示する語を有する登録例が多数存在することからも、このような判断をすることは妥当ではないことがわかる(乙第1号証、乙第2号証及び乙第3号証を参照。)。

また、「サーモンピンク」「ローズピンク」「チェリーピンク」等の使用例を示したからといって、本願商標につき、需要者が単なる色彩表示であると認識することの立証にはならない。

(3)請求人は、(a)請求人「株式会社ベルトウリー・エンタープライズ」や件外のハイテクサービス株式会社が「バージンピンク」なる化粧品を販売していること、(b)「Virgin」なる語を含む商標が複数登録されていること、(c)商標「Pink&Blue」が識別力を有しないこと、を理由として、本願商標が「乳首やビキニラインのくすみを取り除く、初々しいピンク色にする美白用の化粧品」の品質、効能を表示する語として認識されると判断している。

しかしながら、被請求人は、この理由には承服することができない。

すなわち、請求人は、自己その他の者が「Virgin Pink」なる商標を付した化粧品を販売していることをもって、特に、請求人が「ボディ・乳首の黒ずみ・くすみ・顔のシミ・そばかす・ニキビ・皮膚炎の跡」等に効果を発揮する美白用の化粧品に本件商標と同一の商標を使用していることから、本件商標は、商品の品質又は一般的名称を表す語として認識されるとしている。

商標法第3条第1項各号に規定する自他商品の識別力は、需要者をして、一群の個性化された商品群を他の商品群から識別する商標の本質的機能である。したがって、自他商品の識別力を有するか否かは、需要者の有する一般的な注意力をもって判断されるべきものであり、商標使用者の意思等をもって判断されるものではない。

ここで、化粧品の製造・販売の現場においては、その商品名即ち商標を化粧品の容器の前面に大きく表示することが一般的に行われているものであるから、需要者は、化粧品の容器の前面に大きく表された文字列等をその商品の商品名即ち商標として認識するものと考えられる。

このような観点から、請求人が提出した証拠を見ると、いずれも「Virgin Pink」なる文字列が商品の前面に大きく表示されており、これはいわゆる商標的な使用態様で用いられており、商品の効能や商品の一般名称を表しているものとは考えられない。したがって、請求人の主張は失当である。

加えて、請求人の上記の主張、すなわち、請求人自身の「Virgin Pink」の使用によって、本件商標が「化粧品」の品質、効能を表示する語として認識されているとの主張は、違法行為に基づく主張であり、到底受容できるものではない。

被請求人は、登録商標「Virgin Pink」について、請求人に対して使用許諾を行った覚えはない。したがって、本件商標の登録以降における請求人の商標の使用行為は、商標権侵害行為に他ならず、明白な違法行為である。自らの違法行為に基づいて、正当に登録された登録商標の登録性を否定するというような行為は到底許される行為ではない。この点からも、請求人の主張は採用されるべきものではない。

(4)請求人は、「Virgin」なる語を含む商標が複数登録されていることを証拠として、本件商標の構成要素である「Virgin」の文字部分の識別性を否定しているが、これらの商標は、英語の読みを片仮名文字で併記し、全体として称呼されることを表しているため、これらは需要者の間で、全体として認識されるべきものである。

したがって、これらの事実は、本件商標の「Virgin」の文字部分の識別性を否定する根拠とはならず、また、他の登録例をいくら引用しようとも、本願とは別個の登録例であり、本願商標の識別性に影響を与えるものでもない。

請求人は、「Pink&Blue」が識別力を有しないとする審決例を持ち出して、本件商標の構成要素である「Pink」の文字部分が識別力を有しないことを主張している。

しかしながら、本件商標は全体として識別力が認められるものであり、「Pink」の文字部分のみに識別力が認められたわけではない。

以上述べたように、本件商標は、商品「化粧品」の品質を表示するものでも、その一般名称を表示するものでもないため、本件商標を「乳首やビキニラインのくすみを取り除き、初々しいピンク色にする美白用の化粧品」以外の化粧品に使用した場合であっても、その品質を誤認するものではない。

以上述べたように、請求人の主張は、いずれも本件商標の識別力を否定する根拠とはなり得ないものである。

4 当審の判断

本件商標は、前記のとおり「Virgin Pink」の欧文字をスクリプト書体風に表してなるところ、これら文字の全体からは特定の意味合いの熟語的文字とは認識し得ない一方、構成前半の「Virgin」及び同後半の「Pink」の各文字部分は、それぞれ「バージン」、「ピンク」と読まれ、「処女、生娘」及び「薄紅色、ももいろ」の意味合いをもって共に一般に親しまれている平易な英語であり、かつ、その片仮名表記である「バージン」及び「ピンク」の各文字(語)は、それぞれ前記意味合いをもって馴染まれている平易な外来語と認められる。

請求人は、本件商標は「美白用の化粧品」の品質・効能表示であり、または「乳首やビキニラインのくすみを取り除き、初々しいピンク色にする美白用の化粧品」の一般的名称であると述べ、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当を理由に本件商標の無効を主張し、甲各号証を提出しているので、その当否について、以下、検討する。

(1)甲第3号証ないし甲第5号証は、「バージン」及び「ピンク」の各語に関する国語辞典その他の辞典類の当該解説であって、これら解説によれば、上記認定の両語の意味合いが記されているに止まり、それ以外に格別の意味合いを看取し得る余地はなく、いわんや両語の全体より請求人の述べる「美白用の化粧品」または「乳首やビキニラインのくすみを取り除き初々しいピンク色にする美白用の化粧品」との関係を想起させるような事実は全く見出すことができない。よって、これら甲号証をもって請求人主張を理由づける根拠とすることはできない。

(2)甲第6号証は、オークション及びショールームに関する当該インターネット・ホームページ情報であって、これらに掲出された当該品目または設備用品について「サーモンピンク」、「ローズピンク」または「チェリーピンク」とする色彩表示例は認められるものの、本件商標との関係を直接的に示すものはなく、したがって、これら用例をもって、本件商標が「美白用の化粧品」の品質・効能表示であり、あるいは「乳首やビキニラインのくすみを取り除き、初々しいピンク色にする美白用の化粧品」の一般的名称である旨述べる請求人主張を理由づける根拠とすることはできない。

(3)甲第7号証は、1997年12月、1998年1月、同年4月、1999年6月及び同年11月発行の女性向け週刊誌、ファッション雑誌、一般雑誌または一般紙等に掲載された都合13回に亘る広告記事であって、それら広告記事は、請求人会社「株式会社ベルトゥリー・エンタープライズ」に係る「薬用ヴァージンピンク」なる商品に関するものであって、該商品は医薬部外品であって、ボディ・乳首の黒ずみ・くすみ・顔のシミ・ソバカス・ニキビ・皮膚炎の跡等に塗り込んで使用するいわゆる美白・美肌用クリームと認められる。

また、その成分は、「プラセンタエキス、グリチルリチン酸ジカリウム、ヒアルロン酸、アロエエキス、甘草エキス等」であって、これら成分により色素の沈着を防ぎ、シミやメラニンの沈着を予防し、或いは肌荒れ防止、保湿効果、UV防止作用等により美肌作用をもたらす旨の説明があり、さらに、該商品(クリーム)は、やや平べったい円柱状容器に入れられていて、その容器及び外箱には、丁度「薬用」の文字を左右から挟み込むように、本件商標と全く同一態様といえるスクリプト体(手書き書体)風の欧文字「Virgin Pink」(以下、「請求人商標」ともいう。)を唯一大きくかつ顕著に表示してなるものである。

そして、「(薬用)ヴァージンピンク」の文字(語)に関して上記広告記事または商品説明等を精査するに、当該商品(クリーム)について、「美白・美肌効果」を有すること、或いは「2年後、3年後さらに10年後20年後もいつも若々しく美しくいたい。・・・『薬用ヴァージンピンク』は、そんな願いを叶えるために創られた商品です。」とする期待効果または喧伝語句は見出せるとしても、該文字(語)を「美白用化粧品」の品質・効能表示とし、或いは「乳首やビキニラインのくすみを取り除き、初々しいピンク色にする美白用の化粧品」の一般的名称であるとするような記述・説明は一切見出せない。

そうすると、これら請求人自身による請求人商標の使用は、むしろ、請求人に係る当該商品(クリーム)の商標とみるのが社会通念上相当であって、その使用を根拠に本件商標(「Virgin Pink」)が特定の化粧品の品質、効能表示であり、あるいはその一般的名称であるとする点は全く明らかでなく、該事情は不明というほかはないから、その主張は客観性を欠くものであって、採用の限りでない。

(4)甲第8号証は、東京都文京区在の件外ハイテクサービス株式会社に係る新聞広告記事及び同社に係るインターネット・ホームページ情報とみられるところ、新聞記事は発行日不明であって掲載時日を特定し得ないため証拠力に欠け、また、前記ホームページ情報は2000年(平成12)6月19日付のもの、すなわち、本件商標の登録後2年経過後のものであって、査定時または審決時の登録の適否を判断する上で証拠力に乏しいものであるから、同証拠によっては本件商標(「Virgin Pink」)が特定の化粧品の品質、効能表示であり、あるいはその一般的名称である旨述べる請求人の主張は客観性に欠けるばかりでなく、いわんや、この種商品の需要者間において、該文字(語)が商品の品質または一般的名称を表す語として広く認識されるに至ったものとすることはできない。したがって、この点を述べる請求人の主張は妥当でなく、採用の限りでない。

(5)その他、請求人提出の甲号証をもってしては、本件商標が「乳首やビキニラインのくすみを取り除き、初々しいピンク色にする美白用の化粧品」の品質、効能表示であり、当該美白用の化粧品の一般的名称であるとする点は全く明らかでないから、これを述べる請求人の主張は採用することができない。

以上の(1)ないし(5)に述べたとおり、請求人提出の甲各号証によっては、本件商標が特定の化粧品の品質・効能表示でありまたは一般的名称であるとの点は全く明らかでないから、その理由をもって本件商標を商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものとすることはできない。

してみれば、本件商標の登録は、商標法第46条第1項により、これを無効とすることはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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