結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 平成11年審判第31475号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第2608322号商標(以下、「本件商標」という。)は、別掲に示すとおりの構成よりなり、平成2年12月28日に登録出願、第11類「電気機械器具、電気通信機械器具、電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く)電気材料」を指定商品として、平成5年12月24日に設定登録され、その後、商標法第50条第1項の規定に基づく商標権一部取消審判(平成10年審判第30491号)の審決が確定し、その指定商品中「電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く)」についてはその登録が取り消されているものである。
商標法改正附則第10条第2項の規定(連合商標の使用に関する特則の廃止に伴う経過措置)に基づき、旧商標法第50条第2項中の連合商標の使用における特別規定の適用をもって本件商標の使用の証明とするところの商標登録第2608321号に係る登録商標(以下、「本件連合商標」という。)は、別掲に示すとおりの構成よりなり、平成2年12月28日に登録出願、第11類「電気機械器具、電気通信機械器具、電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く)電気材料」を指定商品として、平成5年12月24日に設定登録され、その後、商標法第50条第1項の規定に基づく商標権一部取消審判(平成10年審判第30490号)の審決が確定し、その指定商品中「電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く)」についてはその登録が取り消されているものである。
請求人は、本件商標の指定商品中の「電気通信機械器具」について登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする。との審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証を提出している。
(1)請求の理由
本件商標は、その指定商品中の「電気通信機械器具」について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した実績が認められないから、商標法第50条第1項の規定により、その登録は取り消されるべきである。
(2)弁駁の理由
答弁書の主張と添付の証拠方法を検討しても、「電気通信機械器具」に使用されている事実は証明されていない。
また、この「電気通信機械器具」以外の商品についての本件商標若しくは本件連合商標の使用の内容を見ても、本件審判請求の登録の前3年以内になされた使用事実は全く証明されていない。
したがって、本件商標若しくは本件連合商標が本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者などによって請求に係る指定商品「電気通信機械器具」に使用されていたことが証明されていないことは明らかである。
(ア)被請求人が当該証拠方法を以て示している商品「インナーユニット」は、商品区分第9類における「電線及びケーブル」若しくは「配電用又は制御用の機械器具」に属する商品と解するほかにないものであり、「電気通信機械器具」に当たるものではない。
即ち、被請求人の主張及び乙第1号証並びに乙第5号証に照らすと、「インナーユニット」が如何なる構成と用途・機能を有する商品であるか何も明らかにされていないが、乙第5号証のリーフレットに記載されたイラストに徴する限り、床下の空間部に収容配置されたケーブルを延長或いは分岐するために用いる単純な接続器(分岐コンセント)、ないしは当該接続器(分岐コンセント)を付設したケーブルとしか解することができない。
さらに、乙第5号証に掲載された「インナーユニット」の写真に添えられた「実用新案出願中/出願番号・平4−37752号」の記載を手掛かりに、甲第1号証として提出の公開実用新案公報(実開平8−629)を参照すると、被請求人自らがこの「インナーユニツト」と称する商品を「分岐コンセント付ケーブル」であると明言している。
即ち、当該公開公報によれば、出願内容をなす商品は「屋内の二重床部分の空間に配線する電力用または情報通信用ケーブルと、それぞれ電力用または情報通信用の分岐コンセントを接続し、このケーブルと分岐コンセントとの接続部を絶縁ボックスに一体収容もしくは絶縁コンパウンドで一体成形して構成した二重床用分岐コンセント付ケーブル。」(請求項1)と説明されているところであり、この記載は、乙第5号証のリーフレット記載及び「インナーユニット」の写真並びに配置イラストと十分に照応しており、ケーブルと分岐コンセントを容易に離脱しないよう一体に接続した分岐コンセント付ケーブルであることが明記されているから、被請求人の言う「インナーユニット」とは「電線及びケーブル」に属する接続器付ケーブルを指すことになる。
(イ)被請求人は、平成4年3月から本件連合商標を商品に使用していると主張し証拠方法として乙第1号証の写真を挙げているが、当該証拠方法は本件審判請求の7年以上前に当たる平成4年4月28日完成の被請求人本社11階フロアに設置されたと称する分岐ソケットないしは分岐ソケット付ケーブルの配設状況を示すに止まり、本件審判請求の登録前3年以内における商標使用の事実を証明するところがない。
また、乙第2号証ないし乙第4号証から推認される事実は、本件審判請求の4年以上前の平成7年10月頃に本件連合商標を表示したリーフレットが作成されたことだけであり、本件審判請求の登録前3年以内に商品に関する広告などに本件連合商標を付して頒布した事実は何ら示されていない。
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第5号証を提出した。
(1)答弁の理由
本件商標は、平成5年12月24日付で商標登録第2608321号及び同第2608323号の連合商標として登録された。平成8年商標法の改正により連合商標制度は廃止されたため、本件商標は、平成9年4月1日付で独立の商標権となった。
しかしながら、同改正法付則第10条第2項に効力を有することから、本件取消し審判については、本件連合商標の使用を証明することによって、本件商標の使用の証明とする。
(ア)登録商標の使用者
本件連合商標の使用者は、被請求人である商標権者本人である。
(イ)登録商標の使用に係る商品名
「インナーユニット」(以下、「本件商品」という。)について本件連合商標を使用している。本件商品は、「電源用」と「情報通信用」の2種類がある。
本件商品(情報通信用)の使用の事実を証明する書面として提出している商品リーフレット見開き奥中央のオフィス図右下の写真Cに示すとおり、本件商品は本件連合商標の指定商品「電気通信機械器具」に属する商品であることは明らかである。
(ウ)登録商標の使用時期
本件商品は、平成4年4月28日完成した当社本社11階フロアの床面に設置されている(乙第1号証)ほか、当社各支社・営業所の新設工事の際には、設備業者が本件商品を購入し、設置を行っている。また、本件商品は顧客の要望に応じ、製造販売を行っている。
さらに、当社は、平成7年10月には、本件商品の販売促進のため、別添の商品リーフレットを作成・頒布している。本件商品リーフレットには、その発行日の記載がないが、使用開始時期を証明する書面として、被請求人は以下の書類を提出する。
a)リーフレット作成会社「株式会社ユーメディア」から被請求人に対する見積書(乙第2号証)
b)「株式会社ユーメディア」から被請求人に対する納品書(乙第3号証)
c)被請求人から「株式会社ユーメディア」宛の納品受領書(乙4号証)
乙第3号証によれば、本件商品リーフレットは、平成7年10月18日に7000部が、被請求人の担当部署に納品されたものである。
(エ)登録商標の使用の事実を証明する書面
商標の使用の事実を証明する書面として、被請求人は、本件商品の「商品リーフレット」(乙第5号証)を提出する。
本件商品リーフレットには、本件連合商標が表紙他各面計3箇所の下部と前記写真Cの中に表示されており、登録商標の使用に該当するものである。
本件商標は、別掲に示すとおり、「Yurtec」の欧文字を書した構成からなり、その指定商品は上記したとおりである。そして、本件審判請求は、本件商標の指定商品中「電気通信機械器具」について、商標法第50条第1項の規定によりその登録の取り消しを求めるものである。
これに対し、被請求人は、本件商標にはこれと相互に連合する本件連合商標が登録されていたものであり、本件連合商標を平成4年4月頃より継続的に現在に至るまで適法に使用しているものであって、「平成12年3月31日までに請求された不使用取消し審判については、被請求人が連合商標の使用の特則によって使用の証明をしたときは取消しを免れる。」との商標法改正附則第10条第2項の規定に基づく適法な使用である旨、答弁している。
(1)特別規定が認められる期間
商標法改正附則第10条第2項の規定をみるに、平成12年3月31日までに請求された不使用取消審判については、改正前の商標法第50条第2項の規定は、施行後もなお効力を有すると規定されている。すなわち、改正商標法の施行後も、平成12年3月31日までに請求された不使用取消審判については、被請求人が連合商標の使用の特則によって使用の証明をしたときはその取消しを免れることとなる。
しかし、この場合においては、連合商標に係る商標権は施行の際に通常の商標権となったものとみなされる(改正附則4条)ことから、連合商標の使用の特則は、施行前に連合商標を使用した場合に限られ、施行後に使用されたものについては認められないものである。
これを本件審判についてみるに、本件連合商標の使用の特別規定が認められる期間は、本件審判の予告登録日(平成11年11月24日)の3年前である平成8年11月24日から、平成8年法改正施行日前である平成9年3月31日までの期間の使用に限られることとなる。
(2)本件連合商標の使用
本件商標と相互に連合商標となっていた本件連合商標は、別掲に示すとおり、レタリングされた「Yurtec」の欧文字を書した構成からなり、その指定商品は上記したとおりである。
そこで、被請求人が、本件審判請求における上記した、連合商標の使用の特別規定が認められる期間内に日本国内において本件連合商標を、取消請求に係る指定商品中の電気通信機械器具に属する「インナーユニット」について使用しているとし、その使用の事実を証明するものとして、提出した乙第1号証ないし乙第5号証を検討する。
(ア)登録商標の使用時期
被請求人の提出に係る同乙第2号証ないし乙第4号証は、品名を「OAシステムフロアリーフレット」とするリーフレットについての平成7年10月2日付見積書、同18日付納品書及び納品受領書とするものであり、これが同乙第5号証として提出された「OAフロアシステム」に関するリーフレットの取引書類と推認できるものである。
そして、上記取引書類等の日付は、本件審判請求において特別規定が認められる期間(平成8年11月24日ないし平成9年3月31日)外あるいは日付が不明である。
しかしながら、当該リーフレットは、流行を追う如き季節的に期間を限定される商品等を紹介するものでなく、その仕様に変更が加えられない限り多年度に亘り継続的に使用し得るものであって、平成7年10月18日とする納品書の日付からみて、この約1年2ヶ月以後の上記した特別規定が認められる期間に亘っても使用されていたものというのが相当である。
(イ)登録商標の使用に係る商品
請求人は、商品名を「インナーユニット」する商品(本件商品)について、「電線及びケーブル」若しくは「配電用又は制御用の機械器具」に属する商品であり「電気通信機械器具」に当たるものでない旨述べ主張している。
そこで、本件商品が本件審判の取消請求にかかる商品「電気通信機械器具」に属する商品であるか否かについて判断するに、被請求人が使用の事実を証明する書面として提出している商品リーフレット(乙第5号証)を徴するに、該リーフレットはオフィス環境やOA化などの電源配線ないしは情報通信用配線の複雑化に対応した配線設計及び処理に関するところのいわゆるワイヤリング・システムについてのリーフレットであって、見開き奥中央のオフィス図右下の写真Cに示すところの本件商品には、電源用と情報通信用の2種類が存することが掲載されており、また、請求人がこれと対応するものとするところの該写真に添えられた「実用新案出願中/出願番号・平4−37752号」の記載を手掛かりとして提出した公開実用新案公報(実開平8-629:甲第1号証)によれば、該考案は、分岐コンセントに関するものであって、例えば、その考案の目的に「ビジネスオフィスなどで多数の電源や電話の使用をフレキシブルに対応することができる・・・」等の記載が認められる。
してみると、本件商品は、接続器(分岐コンセント)といえる商品であって、「電源用」と「情報通信用」の2種類が存し、前者の商品が「配電用又は制御用の機械器具」に属するものであることを否定し得ないとしても、後者の「情報通信用」についての商品は、電話を含む通信系統に専ら使用されるものと認め得るものであって、その用途、機能からして「配電用又は制御用の機械器具」又は「電線及びケーブル」にのみ属する商品とみるのは困難である。むしろ、電気通信機械器具の専用部品・附属品として使用される特殊な配線用器具というべきものであるから、本件連合商標の指定商品中の「電気通信機械器具」に属する商品であるといわざるを得ない。
(ウ)登録商標の使用者及び使用商標
被請求人の提出に係る乙第5号証として提出された「OAフロアシステム」に関するリーフレットの見開き奥中央のオフィス図右下の写真Cに示すところの本件商品に本件連合商標が付されてなり、そして、このリーフレットの最終頁に本件連合商標とその右側に商標権者の名称及び住所の掲載が認められる。
以上の(1)ないし(3)のとおり、本件連合商標は、商標権者によって、本件審判請求における特別規定が認められる期間に日本国内において本件連合商標を、取消請求に係る指定商品中の電気通信機械器具に属すると認め得る、商品名を「インナーユニット」とする通信用接続器について使用されていたといわなければならない。
したがって、本件商標の登録は、指定商品中の請求に係る商品「電気通信機械器具」について、商標法第50条第1項の規定により、その登録を取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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