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Trademark Appeal Case

商標使用の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成11年審判第30185号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第2414528号商標(以下、「本件商標」という。)は、平成1年12月22日に登録出願され、「ユニバーサル」の文字を横書きしてなり、第24類「スロットマシン、その他の娯楽用具、おもちや」を指定商品として、平成4年5月29日に設定登録されたものである。

2 請求人の主張

請求人は、本件商標の指定商品中「娯楽用具(スロットマシンを除く)、おもちや」についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁を要旨次のように述べている。

(1)本件商標は、その指定商品中「娯楽用具(スロットマシンを除く)、おもちや」について継続して3年以上、日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが使用していないものである。

したがって、本件商標の指定商品中の上記の商品についての登録は、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである。

(2)被請求人は、本件商標を指定商品中の「家庭用テレビゲームおもちゃ用プログラムを記憶させた光ディスク」について、遅くとも平成8年9月以降、通常使用権者によって我が国で使用されていると述べ、使用の事実を立証するため乙第1号証ないし同第9号証(なお、被請求人はこれらの提出に係る証拠を甲号証として表示しているが、乙号証の表示の誤記と認められるので、乙号証として取り扱う。)を提出している。

しかしながら、かかる証拠における商標の使用態様は出所識別力を発揮する態様での使用とは認められないから、実質的に商標として使用しているものとはいえない。

(ア)被請求人は、乙第1号証ないし同第4号証として、「パチスロ必勝ガイド」、「パチスロ攻略マガジン」及び「別冊宝島 タコスロ攻略の帝王」に掲載された家庭用テレビゲームおもちゃ用プログラムを記憶させた光ディスク「パチスロ完全攻略 ユニバーサル公式ガイドVolume1」及び「パチスロ完全攻略 ユニバーサル公式ガイドVolume2」及び「パチスロ完全攻略 クランキープロ」及び「パチスロ大攻略 ユニバーサル・ミュージアム」の各広告を提出し、かかる広告中に商標「ユニバーサル」が表示されていることをもって、「家庭用テレビゲームおもちゃ用プログラムを記憶させた光ディスク」についての商標「ユニバーサル」の使用事実を主張する。

しかしながら、かかる広告における商標「ユニバーサル」の使用態様は、いずれも上記の各ゲームタイトルの一部として使用されているにすぎず、かかる指定商品についての商標「ユニバーサル」の使用事実を証明するものといえるものではない。

すなわち、かかる広告における使用態様は、「パチスロ完全攻略 ユニバーサル公式ガイドVolume1」(乙第1号証)、「パチスロ完全攻略 ユニバーサル公式ガイドVolume2」(乙第2号証及び同第3号証)、「ビッグ一撃!パチスロ大攻略 ユニバーサル・ミュージアム」(乙第4号証)のように、「ユニバーサル」の文字はあくまでも各ゲームタイトルの一部に含まれているにすぎず、ゲームの内容を表示するにとどまるものであるから、かかるゲームのタイトルとしての使用は、商品「家庭用テレビゲームおもちゃ用プログラムを記憶させた光ディスク」の識別標識としての機能としては機能しておらず、出所識別力を発揮する態様での使用とは認められないから、商標としての使用とはいえない。

(イ)被請求人は、乙第5号証及び同第6号証として、「プレイステーションソフト完全ガイド98」及び「週刊ファミ通 460号」を提出し、本件商標を使用した家庭用テレビゲームおもちゃ用プログラムを記憶させた光ディスクの商品が使用されている年月日を主として証明するために提出し、乙第1号証ないし同第4号証において広告されている商品が市場に流通していると主張する。

しかしながら、乙第1号証ないし同第4号証における使用は、いずれも商品「家庭用テレビゲームおもちゃ用プログラムを記憶させた光ディスク」の識別標識としては機能しておらず、出所識別力を発揮する態様での使用とは認められないものであるから、商標としての使用とはいえず、かかる商品が市場に流通していることをもってして、「家庭用テレビゲームおもちゃ用プログラムを記憶させた光ディスク」についての商標「ユニバーサル」の使用ということはできない。

(ウ)被請求人は、乙第7号証ないし同第9号証として、家庭用テレビゲームおもちゃ用プログラムを記憶させた光ディスク「パチスロ完全攻略 ユニバーサル公式ガイドVolume1」、「パチスロ完全攻略 ユニバーサル公式ガイドVolume2」及び「パチスロ完全攻略 ユニバーサル公式ガイドVolume3」の商品写真及びコピーを提出し、「家庭用テレビゲームおもちゃ用プログラムを記憶させた光ディスク」についての商標「ユニバーサル」の使用事実を主張する。

しかしながら、かかる商品における商標「ユニバーサル」の使用は、あくまで各ゲームタイトルの一部として使用であり、ゲームの内容を表示するにとどまるものであるから、かかるゲームのタイトルとしての使用は、商品「家庭用テレビゲームおもちゃ用プログラムを記憶させた光ディスク」の識別標識としての機能としては機能しておらず、出所識別力を発揮する態様での使用とは認められないから、商標としての使用とはいえない。

3 被請求人の答弁

被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第9号証を提出した。

(1)本件商標は、「家庭用テレビゲームおもちゃ用プログラムを記憶させた光ディスク」について、遅くとも平成8年9月以降、被請求人の通常使用権者によって我国で使用されているものである。

よって、本件請求に係る商標登録は取り消されるべきものではない。

(2)証拠方法の説明

(ア)乙第1号証は、通常使用権者(株式会社日本シスコン)が平成9年4月1日発行「パチスロ必勝ガイド」4月号(白夜書房発行)に掲載した1997年(平成9年)3月14日発売の家庭用テレビゲームおもちゃ(ソニー製プレイステーション)用プログラムを記憶させた光ディスク「パチスロ完全攻略 ユニバーサル公式ガイドVolume1」の広告で、広告頁の中心及び右下には商標「ユニバーサル」が表示されている。

(イ)乙第2号証は、通常使用権者(株式会社日本シスコン)が平成9年9月1日発行「パチスロ攻略マガジン」9月号(株式会社双葉社発行)に掲載した1997年(平成9年)7月31日発売の家庭用テレビゲームおもちゃ(ソニー製プレイステーション)用プログラムを記憶させた光ディスク「パチスロ完全攻略 ユニバーサル公式ガイドVolume2」及び1997年(平成9年)10月2日に発売予定の「パチスロ完全攻略 クランキープロ」の広告で、広告の中央やや下寄りには商標「ユニバーサル」が表示されている。

(ウ)乙第3号証は、通常使用権者(株式会社日本シスコン)が平成9年8月6日発行「別冊宝島 タコスロ攻略の帝王」(株式会社宝島社)に掲載した1997年(平成9年)7月31日発売の家庭用テレビゲームおもちゃ(ソニー製プレイステーション)用プログラムを記憶させた光ディスク「バチスロ完全攻略 ユニバーサル公式ガイドVolume2」の記事で、掲載頁の左上寄り及び中央左寄りには商標「ユニバーサル」が表示されている。

(エ)乙第4号証は、通常使用権者(株式会社アスク講談社)が平成8年9月1日発行「パチスロ必勝ガイド」9月号(白夜書房発行)に掲載した、家庭用テレビゲームおもちや(セガ製サガサターン)用プログラムを記憶させた光ディスク「パチスロ大攻略 ユニバーサル・ミュージアム」の広告で、広告の中央やや上寄りおよび下寄りには商標「ユニバーサル」が表示されている。

(オ)乙第5号証は、通常使用権者(株式会社日本シスコン、株式会社マップジャパン)が乙第1号証ないし同第4号証において広告されている本件商標を使用した家庭用テレビゲームおもちゃ用プログラムを記憶させた光ディスクの商品及び株式会社マップジャパンが製作販売する「ユニバーサル・バーチャパチスロ〜必勝攻略法」が市場に流通していることを証明する平成11年1月5日発行「プレイステーションソフト完全ガイド98」(株式会社ソニー・マガジン社発行)の表紙、裏表紙及び商品掲載頁の写しである。

(カ)乙第6号証は、通常使用権者(株式会社日本シスコン)が乙第2号証において広告されている本件商標を使用した家庭用テレビゲームおもちゃ用プログラムを記憶させた光ディスクの商品が市場に流通していることを証明する平成9年10月10日発行「週刊ファミ通 460号」(株式会社アスキー発行)の表紙、裏表紙及び商品掲載頁の写しである。

(キ)乙第7号証は、通常使用権者(株式会社日本シスコン)が、家庭用テレビゲームおもちゃ用プログラムを記憶させた光ディスクを平成9年3月14日発売以降継続して同じパッケージを使用している商品の写真及びコピーで、パッケージ正面及び裏面に商標「ユニバーサル」が表示されている。

(ク)乙第8号証は、通常使用権者(株式会社日本シスコン)が家庭用テレビゲームおもちゃ用プログラムを記憶させた光ディスクを平成9年7月31日発売以降継続して同じパッケージを使用している商品の写真及びコピーで、パッケージ正面に商標「ユニバーサル」が表示されている。

(ケ)乙甲第9号証は、通常使用権者(株式会社日本シスコン)が家庭用テレビゲームおもちゃ用プログラムを記憶させた光ディスクを平成10年8月6日発売以降継続して同じパッケージを使用している商品の写真及びコピーで、パッケージ正面に商標「ユニバーサル」が表示されている。

4 当審の判断

被請求人より提出された乙第1号証をみるに、本件商標の通常使用権者と認め得る「株式会社日本シスコン」は、平成9年3月14日発売の商品「家庭用テレビゲームおもちゃ(ソニー製プレイステーション)用プログラムを記憶させた光ディスク(いわゆるゲームソフト。以下、同じ。)について、「ユニバーサル公式ガイドVolume1」、「UNIVERSAL/公認ソフト(上下二段で表示されている。以下、同じ。)」の表示をして、雑誌「パチスロ必勝ガイド」平成9年4月号(平成9年4月1日、白夜書房発行)に広告を掲載したことが認められる。

次に、乙第2号証をみるに、本件商標の通常使用権者と認め得る「株式会社日本シスコン」は、平成9年7月31日発売の商品「家庭用テレビゲームおもちゃ(ソニー製プレイステーション)用プログラムを記憶させた光ディスク」について、「ユニバーサル公式ガイドVolume2」、「UNIVERSAL/公認ソフト」及び平成9年10月2日発売予定とする同商品について「ユニバーサル公式ガイドVolume2」、「UNIVERSAL/公認ソフト」、「ユニバーサル・ミュージアム」の表示をして、雑誌「パチスロ攻略マガジン」平成9年9月号(平成9年9月1日、株式会社双葉社発行)に広告を掲載したことが認められる。

また、乙第4号証をみるに、本件商標の通常使用権者と認め得る「株式会社アスク講談社」は、「家庭用テレビゲームおもちゃ(セガ製サガサターン)用プログラムを記憶させた光ディスク」について、「ユニバーサルベストセラー」、「UNIVERSAL/公認ソフト」、「ユニバーサル・ミュージアム」の表示をして、雑誌「パチスロ必勝ガイド」平成8年9月号(平成8年9月1日、白夜書房発行)に広告を掲載したことが認められる。

さらに、乙第5号証をみるに、本件商標の通常使用権者「株式会社日本シスコン」は、前記乙第1号及び同第2号証で広告を掲載した商品「家庭用テレビゲームおもちゃ用プログラムを記憶させた光ディスク」を平成11年1月5日の時点で販売していたことが「プレイステーションソフト完全ガイド98」(平成11年1月5日、株式会社ソニー・マガジン社発行)」の紹介記事により認められる。

そうすると、前記乙号各証を総合勘案すると、本件審判請求の登録前3年以内に本件商標の通常使用権者によって、商品「家庭用テレビゲームおもちゃ用プログラムを記憶させた光ディスク」が販売され、その商品の広告に「UNIVERSAL/公認ソフト」の表示がなされていることが認められるところ、その中の「公認ソフト」の文字部分は商品との関係からして何ら商品の識別機能を果たす表示といえないことは明らかであるから、当該商品の識別機能を果たす部分は、「UNIVERSAL」の文字部分にあるとみるのが相当である。

そして、本件商標は、「ユニバーサル」の片仮名文字よりなるものであるところ、本件商標である「ユニバーサル」と前記使用に係る「UNIVERSAL」は、共に「ユニバーサル」の称呼及び「宇宙の、全自然界の」の観念を有する文字(語)として親しまれているといえるものであり、両者は、英単語とその音を片仮名で表した、いわゆる表音の関係にあるものであって、同一の称呼、観念を生ずるものであるから、本件商標と使用に係る商標とは、社会通念上同一と認められる商標といい得るものであり、かつ、使用に係る商品「家庭用テレビゲームおもちゃ用プログラムを記憶させた光ディスク」も取消請求に係る指定商品中の「おもちゃ」に含まれるものである。

してみれば、被請求人は、本件商標を通常使用権者により、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、請求に係る指定商品中の「おもちゃ」に包含される商品「家庭用テレビゲームおもちゃ用プログラムを記憶させた光ディスク」について使用していたものといわなければならない。

請求人は、本件商標の使用態様は出所識別力を発揮する態様での使用とは認められないから、実質的に商標として使用しているものとはいえない旨述べているが、本件商品における「UNIVERSAL」の使用態様は、ゲームの内容を表示するものではなく、当該商品の製造、販売を取り扱う事業者の信用が化体された商品の出所表示として十分機能を果たし得るものというべきであるから、その主張は採用することができない。

したがって、本件商標の登録はその指定商品中請求に係る商品について、商標法第50条の規定により取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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