Trademark Appeal Case
著名商標POLOの類否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成1年審判第2246号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別紙に表示したとおり、「POLO BY TOPJOY」の文字を横書きしてなり、第17類「被服(運動用特殊被服を除く)・布製身回品(他の類に属するものを除く)・寝具類(寝台を除く)。」を指定商品として、昭和62年3月13日に登録出願され、その後、平成6年5月30日付け手続補正書をもって、指定商品を「セーター類、ワイシャツ類、下着、ねまき類。」に補正したものである。
2 登録異議の申立
当審において、登録異議の申立があり、登録異議申立人ザ ポロ/ローレン カンパニー リミテッド パートナーシップ(以下、「申立人」という。)は、登録異議の申立ての理由を概要次のように主張し、証拠方法として甲第1号証ないし甲第9号証(枝番号を含む。)を提出した。
(1)本件商標は、商標法第4条第1項第8号及び同第15号に該当し、拒絶されるべきものである。
(2)本願商標は、「POLO BY TOPJOY」の文字を書してなり、昭和62年3月13日登録出願、旧第17類「セーター類、ワイシャツ類、ねまき類」を指定商品として、平成9年3月27日出願公告されたものである(甲第1号証)。
(3)本願商標が商標法第4条第1項第8号に該当する理由
申立人は、ニューヨーク州法に基づいて設立されたリミテッド・パートナーシップであり、世界的に著名なデザイナーであるラルフ・ローレンによって主宰されているアパレルその他ファッション関連用品の製造、販売企業である。
申立人が、製造、販売する被服、日用品、装身具、香水、眼鏡等の商品は、全てラルフ・ローレンによってデザインされたものであり、本拠地である米国のみならず日本を含む数十カ国に及ぶ世界の国々において多くの消費者の心をつかんでいる。
申立人は、現在では世界的規模で直営店及びライセンスに基づく専門店を開設して事業を展開しており、このように事業展開を行っている申立人の商号は、「POLO」「ポロ」「ポロ社」等と略称されており、この略称は本願の出願前から既に著名となっていたものである(甲第2号証の1ないし甲第4号証)。
したがって、本願商標は、他人の著名な略称を含む商標であり、かつ申立人は、出願人に対し本願商標の登録について承諾を与えた事実はない。
よって、本願商標は、商標法第4条第1項第8号に該当する。
(4)本願商標が商標法第4条第1項第15号に該当する理由
(イ)本願商標は、その一部に「POLO」の文字を有してなるものであるが、「POLO」の文字は、申立人がアパレル、眼鏡、その他のファッション関連商品に長年使用している著名商標である。この事実は東京高等裁判所の判決及び特許庁における多数の異議決定において認定されているところである(甲第5号証ないし甲第7号証の29)。
(ロ)申立人は世界的規模で事業展開を行っており、申立人の扱う商品は、全てに「POLO」又は「Polo」、「Polo by Ralph Lauren」及びこれらと「ポロプレーヤーマーク」(図形)とを組み合わせた商標を付して販売しているところから、これらの商標は、申立人の商品の信用力を表象するものとして既に世界的に著名な商標としての知名度を確立しているといえるものである。その事実を証明する一端として甲第8号証において示す雑誌「男の一流品大図鑑」(’78年版)の中の特集記事『一流ブランド物語』の中で、「Polo」ブランドが世界的な著名ブランドであることが明記されている。
(ハ)日本においては、西武百貨店が昭和52年(1977年)からライセンシーの権利を取得しライセンスビジネスを手掛けてきた。当初は西武百貨店内においてショップ展開したが、その後松屋、東急、大丸、阪急等のデパートへ出店し、また昭和62年から鎌倉、東京の銀座、原宿に相次いで大型専門店を開設して、いずれも売上を大きく伸ばしている(甲第4号証)。このような申立人の商品だけを扱うデパートのインショップや専門店は、「ポロ・ショップ」と呼ばれ現在日本に約300店舗存在する。
(ニ)さらに、甲第9号証は平成1年5月にラルフローレンブランドの偽ポロシャツについて、警視庁が不正競争防止法違反容疑で捜査を行ったことを報じた新聞記事であるが、その記事中で「Polo」が著名な商標であることを報じている。我が国において不正競争防止法に基づく刑事事件は、著名性の立証が困難などの理由により立件されるのは極めて希であるが、上記事件が立件されたことは、申立人の「Polo」ブランドが不正競争防止法の下で刑事事件として保護されるほど著名であることを証明しているに外ならないものである。
(ホ)以上述べたとおり、申立人の使用する「POLO」及び「Polo」のブランドが本願出願日以前から著名であったことは疑いのない事実である。
しかして、本願商標は、上述の著名商標である「POLO」の文字をその一部に有するものであるから、これをその指定商品に使用した場合には、その商品があたかも申立人あるいは申立人と経済的又は組織的に何らかの関係がある者の業務に係る商品であるかのごとく誤認させ、商品の出所について混同を生じさせるおそれがあるというべきものである。
よって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものである。
3 当審の判断
申立人が提出した甲第3号証、甲第4号証、甲第8号証及び甲第9号証を総合し、甲第6号証の判決をも併せ考慮すると、「POLO」の商標は、遅くとも昭和55年までには、世界的に著名なデザイナーであるラルフ・ローレンのデザインに係る商品を表示する商標として我が国の取引者・需要者の間に広く認識されるに至っていたものと認められ、その状態は現在においても継続しているものとみることができる。
しかるところ、本願商標は、前記した構成のものであって、構成の先頭部に「POLO」の文字を有しているものである。また、本願の指定商品は、ファッションに関連する商品であって、特にデザインが、重要視される商品ということができる。
そうすると、本願商標を、本願の指定商品に使用した場合には、これに接する取引者、需要者は、その構成中の「POLO」の文字に注目して、著名なデザイナーのラルフ・ローレンに係る前記周知になっている「POLO」の商標を連想し、該商品がラルフ・ローレン又は同人と組織的・経済的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように出所について混同を生じさせるおそれがあるものといわざるをえない。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第項第15号に該当する。
よって、結論のとおり審決する。
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