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結論

勝訴(請求認容)

商標「セーター類、ワイシヤツ類、下着、ねまき類、和服、くつ下、たび、手袋、えりまき、…」と「被服、布製身回品、寝具類」の欧文字の称呼類似判断(第4条第1項第11号|審判平成11年審判第35652号)

審判番号
平成11年審判第35652号
審判種別
不服

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標「セーター類、ワイシヤツ類、下着、ねまき類、和服、くつ下、たび、手袋、えりまき、…」引用商標「被服、布製身回品、寝具類」
争点(論点)
欧文字の称呼類似判断
適用条文
第4条第1項第11号
指定商品・役務の区分
第17類
最終結論
登録無効(勝訴(請求認容))

この審決(審判平成11年審判第35652号・不服)は、本件商標「セーター類、ワイシヤツ類、下着、ねまき類、和服、くつ下、たび、手袋、えりまき、…」と引用商標「被服、布製身回品、寝具類」について、商標法第4条第1項第11号への該当性が争われた事例です。主な争点は「欧文字の称呼類似判断」です。指定商品・役務は第17類に属します。特許庁は「登録第2724322号の登録を無効とする」と判断しました(登録無効)。類似する商標を出願する際は、本件の判断枠組みを踏まえて称呼・外観・観念や指定商品の重なりを事前に確認することが重要です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

登録第2724322号の登録を無効とする。
審判費用は被請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第2724322号商標(以下、「本件商標」という。)は、別掲に表示したとおりの構成よりなり、第17類「セーター類、ワイシヤツ類、下着、ねまき類、和服、くつ下、たび、手袋、えりまき、マフラー、スカーフ、ネツカチーフ、ショール、ネクタイ、ゲートル、たびカバー、エプロン、おしめ、溶接マスク、防毒マスク、防じんマスク、防火被服、帽子、ナイトキャップ、ずきん、ヘルメット、すげがさ、頭から冠る防虫網、布製身回品、寝具類」を指定商品として、昭和61年12月26日に登録出願、平成11年5月7日に設定登録されたものである。

2 引用商標

請求人の引用する登録第2029924 号商標(以下、「引用商標」という。)は、別掲に表示したとおりの構成よりなり、第17類「被服、布製身回品、寝具類」を指定商品として、昭和61年2月27日に登録出願、同63年3月30日に設定登録されたものである。

3 請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第7号証(枝番を含む。)を提出した。

(1)引用商標の指定商品と本件商標の指定商品が互に抵触することは明らかである。

(2)引用商標は、筆書きの欧文字「BATH」を横書きしてなるものであるから、この欧文字から「バス」と称呼されること明らかである。

これに対し、本件商標は、図形部分と文字部分とからなるものであるが、これらの部分は、観念・構成等において特に関連性がなく、これらを常に一体として認識すべき特別の事情もないので、これらの部分が各々独立して自他商品識別機能を有する。

そして、本件商標は、その構成中の筆記体の欧文字「Bass」から、「バス」又は「ベース」の称呼が生じる。

したがって、本件商標と引用商標は、「バス」の称呼において同一であり、両商標が称呼において類似すること明らかである。

なお、本件商標の欧文字「Bass」と引用商標の欧文字「BATH」は、前者が「男声の最低音域」等を意味し、又、後者が「浴槽、浴室」を意味する英語として、いずれも我が国で一般によく知られた語であって、これらがいずれも「バス」と称呼されることは、国語辞典・外来語辞典中の「バス」の語の項目の記載からも明らかである(甲第3号証ないし甲第5号証)。

したがって、本件商標と引用商標は、称呼において類似するので、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。

(3)請求人は、横長の楕円の中に筆記体の欧文字「Bass」を表してなる商標を第17類の全商品を指定商品として商標登録出願(商願昭63‐33736号、審判平5‐15855号)をしているが、この出願に対して、本件商標を引用した拒絶理由通知書が平成11年7月9日付発送で出されている(甲第6号証の7)。

したがって、請求人が本件審判請求について重大な利害関係を有することは明らかである。

(4)答弁書に対する弁駁

被請求人は、本件商標と引用商標の非類似性について、両商標の称呼等の観点から具体的な主張をしていない。両商標の類似性については、本件商標と引用商標は、「バス」という全く同一の称呼が生じる。また、本件商標の「Bass」の英文字の上に付加された図形は、黒塗りの三角形という極めて簡単な図形にすぎず、これが特に印象づけられるというようなものではない。したがって、両商標に関し、現実の商品取引において、商品の出所混同が起こるのは明白であり、両商標は類似の商標と認められるものである。

4 被請求人の主張

被請求人は、本件請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求める、と答弁し、その理由を要旨次のように述べている。

「BASS」の文字を顕著に有する構成よりなる登録第2013137号商標の原簿写し(甲第7号証)を見ると、平成5年9月6日に放棄による抹消登録がなされるまで登録が有効に存続しており、一方、引用商標の原簿写し(甲第2号証)を見ると、昭和63年3月30日に設定登録され現在まで有効に存続している。すなわち、登録第2013137号商標と引用商標は同一若しくは類似する商品を指定しているにもかかわらず併存していた。この事実は、「BASS」の文字を顕著に有する構成よりなる登録第2013137号商標とややデザインしてなる「BATH」の文字からなる引用商標が互いに非類似と判断されたことを意味する。

このように、「BASS」の文字を顕著に有する登録第2013137号商標と引用商標を非類似と判断するのであれば、「Bass」の文字を顕著に有する本件商標についても引用商標とは非類似であると判断するのが相当である。

また、本件商標と引用商標を類似と判断すべき特別な事情は存しない。

以上より、引用商標との関係において本件商標が商標法第4条第1項第11号に該当しないこと明らかである。

5 当審の判断

本件商標は、別掲に表示したとおり、黒く塗りつぶした三角形の図形の下部に「Bass」の欧文字を筆記体で書した構成よりなるところ、図形部分と文字部分とを常に一体なものとして認識、看取してみなければならない特段の理由はないから、需要者、取引者をして、欧文字部分より生ずる称呼、観念をもって、商取引に資する場合も決して少なくないものというのが相当である。

してみれば、本件商標は、「Bass」の欧文字部分に相応し「バス」の称呼を生ずるものである。

他方、引用商標は、「BATH」欧文字を筆書きで書してなるものであるから、該文字に相応し「バス」の称呼を生ずるものである。

そうとすれば、本件商標と引用商標とは、文字部分の観念において相違し、外観上も区別し得る差異を有するとしても、「バス」の称呼を同じくする類似の商標といわざるを得ない。

また、本件商標と引用商標の指定商品とは同一若しくは類似するものである。

なお、請求人及び被請求人は、過去の登録の経緯、登録例等を根拠に類似、非類似について、互いに主張しているが、必ずしも前記した判断に影響を及ぼすものではない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、商標法第46条第1項の規定により、その登録を無効とすべきものとする。

よって、結論のとおり審決する。

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