結論テキスト
審判費用は被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 無効2000−35122(T2000−35122/J3) |
|---|---|
| 審判種別 | 無効 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第2715318号商標は、「VOGUE」の欧文字と「ボオグ」の片仮名文字を二段に横書きしてなり、第17類「洋服、コート」を指定商品として、昭和54年3月17日に登録出願、平成8年7月31日に設定登録されたものである。
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証の1から同第73号証までを提出している。
(1)本件商標が商標法第4条第1項第15号に該当することについて(注、要旨のみ)
(イ)「VOGUE」の欧文字を横書きしてなり、第26類「印刷物、ただし、この商標が特定の著作物の表題(題号)として使用される場合を除く」を指定商品として、昭和36年10月23日登録出願、同39年10月9日登録されている登録第655209号商標(以下、「引用A商標」という。)は、請求人の所有に係るファッション雑誌のタイトルとして、日本を含め世界的に著名となっている商標であるから、これと同一又は類似する本件商標がその指定商品に使用された場合、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。
(ロ)引用A商標は、1892年(明治25年)、ニューヨークで創刊されたファッション誌のタイトルであって、今では、アメリカだけでなく、世界を代表する老舗のファッション雑誌のタイトルである。即ち、引用A商標は、米国のザ・コンド・ナスト・パブリケーションズ・インコーポレーテッド(以下、「コンド・ナスト社」という。)並びにアドバンス・マガジン・パブリッシャーズ・インコーポレーテッド(以下、「アドバンス社」という。)の所有を経て、現在、請求人が所有する世界的に著名な登録商標である。
(ハ)当該引用A商標を題号とする「VOGUE」誌は、前述の通り1892年(明治25年)にアメリカで創刊されて以来、現在に至るまでの実に一世紀を越える永年に亘り、世界各国において継続的に使用された結果、商品「服飾雑誌」即ち「ファッション雑誌」に関し世界的に著名な商標として世界各国において認識され、「VOGUE」と言えば世界的名声と権威を有するファッション雑誌を指すに至っている。即ち、「VOGUE」誌は、既に創刊から100年を越えている古典的かつ世界的な権威を持ったファッション雑誌であり、短期間で廃刊になるこの種の雑誌が多い中で、100年以上も継続して発行ている稀有の雑誌として、益々高い評価を受けているのである。また、「VOGUE」誌は、アメリカ版、フランス版を初めとして、現在、実に世界11カ国において、各国版が発行されており、名実共に全世界的ファッション雑誌であり、1999年7月28日、我が国においても、「VOGUE」日本語版(VOGUE NIPPON)が発行されるに至った。従って、現在は世界12カ国においてそれぞれの国語で発行されている。
(ニ)請求人は、上記事実を立証するために、「VOGUE」誌の100周年記念号(1992年4月号)の表紙(写)及び最初の発行年月日(1892年12月)を示す第8頁(写)を甲第7号証として提出し、「VOGUE」各国版の表紙(写)を甲第8号証の1乃至9として提出する。又、アメリカ版「VOGUE」の表紙、目次等を甲第9号証として、更に上記日本の創刊号「VOGUE NIPPON」誌を甲第10号証として提出する。
(ホ)「VOGUE」商標の著名性については、当該商標登録第655209号の商標登録原簿(「甲第3号証」)に既に22件の防護標章が登録されている事実(とりわけ、防護第9号の指定商品は、本件商標の指定商品である「被服」の他に「布製身回品、寝具類」も含まれている。)、並びに、現在までの一連のいわゆる「VOGUE」(甲第6号証乃至同第7号証等)判決に照らし顕著な事実である。
(ヘ)請求人の該「VOGUE」商標が本件商標の出願日(即ち、昭和54年3月17日)前に著名性を獲得している事実は、甲各号証の各種事典類、文献類、新聞、雑誌等よりも明らかである。
(ト)請求人らのこのような企業努力の上に蓄積された信用、名声にフリーライドすることは、著名商標に化体された数々の信用、財産、名声、価値を希薄化することとなり、絶対に許されるべきではない。
(チ)以上、本件商標が本件指定商品に使用された場合には、取引者・需要者は、引用A商標との関係で、その商品が、請求人又はこれと何らかの関係がある者の業務に係る商品であると誤認し、商品の出所の混同を生ずるおそれがある。従って、本件商標は、商標法第4条第1項第15号の規定に該当し、その登録は無効とされるべきものである。
(2)本件商標は、商標法第8条第1項の規定に違反してなされたものである。
本件商標は「VOGUE」の欧文字を横書きしてなり、第17類「洋服、コート」を指定商品として、昭和53年6月16日に登録出願、平成9年8月1日に設定登録された登録第4037277号商標(以下、「引用B商標」という。)と類似し、かつその指定商品も同一のものである。そして、引用B商標の出願日は、本件商標の出願日より早い昭和53年6月16日である。
したがって、本件商標登録は、商標法第8条第1項の規定に違反してなされたものである。
(3)よって、本件商標は、商標法第46条第1項第1号の規定によりその登録を無効にされるべきである。
よって判断するに、本件商標は「VOGUE」「ボオグ」の各文字を、また、引用B商標は「VOGUE」の欧文字を書してなるものであるから、前者よりは「ボオグ」の称呼を、また、後者よりは「ボーグ」の各称呼を生ずるものとみるのが相当である。
そこで、本件商標より生ずる「ボオグ」の称呼と、引用B商標より生ずる「ボーグ」の称呼とを比較するに、前者の「ボオグ」の称呼は、第一音目の「ボ」に帯同する母音「オ」と第二音目「オ」が二重母音として発音されるところから「ボーグ」の如く発音し聴取されるものである。そうとすれば、上記「ボオグ」と「ボーグ」の称呼とは、全体の語調、語感がきわめて近似し、互に聴き誤るおそれが少なくない。
してみれば、本件商標と引用B商標とは、外観及び観念上相違する点があるとしても、全体の称呼上類似する商標と認められるものである。
また、本件商標と引用B商標の指定商品は同一であり、かつ、本件商標の出願日(昭和54年3月17日)は、引用B商標の出願日(昭和53年6月16日)より後である。
したがって、本件商標は、商標法第8条第1項に違反して登録されたこと明らかであるから、商標法第46条第1項第1号により無効とすべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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