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Trademark Appeal Case

「ン」音の有無と称呼の類似性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号無効2000−35509(T2000−35509/J3)
審判種別無効
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第4384841号の登録を無効とする。
審判費用は被請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4136821号商標(以下、「本件商標」という。)は、「UNROSINE」の欧文字と「アンロジン」の片仮名文字を2段に横書きしてなり、平成11年7月2日に登録出願、第3類「化粧品、せっけん類、歯磨き」を指定商品として、同12年5月19日に設定登録されたものである。

2 請求人の引用商標

請求人が本件商標の登録の無効理由に引用する登録第796555号商標(以下、「引用A商標」という。)は、「アロジン」の片仮名文字を横書きしてなり、昭和41年12月16日に登録出願、第4類「せっけん類(薬剤に属するものを除く)歯みがき、化粧品(薬剤に属するものを除く)香料類」を指定商品として、同43年10月29日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。同じく、登録第4011122号商標(以下、「引用B商標」という。)は、「アロエアロジン」の片仮名文字を横書きしてなり、平成7年12月4日に登録出願、第3類「アロエを原料素材に配合してなるせっけん類・化粧品・歯磨き」を指定商品として、同9年6月13日に設定登録されたものである

3 請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求める、と申立て、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし同第2号証(枝番を含む。)を提出した。

(1)本件商標は、請求人が引用に係る請求人の先行登録商標と類似し、その指定商品が相抵触している点明らかであるから、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。したがって、本件商標は、商標法第46条第1項第1号の規定により、その登録は無効とされるべきである。

(2)本件商標に係る指定商品と引用A・B商標に係る指定商品とが相抵触するものであることは明らかである。

そこで、両商標の類否をみるに、本件商標の自然的称呼は、前記その構成態様からして「アンロジン」として生ずる点明らかである。これに対して、引用A商標の自然的称呼は、前記その構成態様からして「アロジン」として生ずる点も明らかである。又、引用B商標について、その要部は「アロジン」である点明らかである。

しかして、本件引用その相違は、中間に配された「ン」音の有無のみの所謂微差と認められるものである。

即ち、両者共に比較的少ない構成音数から成り、その相違音は、本件商標の語頭音で、強く明確に聴取され得る「ア」音に付帯した「ン」音の有無であり、他を全く同一にするから、彼此一連に発音称呼した場合、容易に聴取不可能であり誤聴のおそれが大なる類似商標と認めて然るべきものである。「ン」音については、鼻音で中間に配されたときには、より明確に聴取しがたい音と認められ、本件商標「アンロジン」では、語頭の「ア」音に吸収されて、その音自体明確に聴取し難い音と認められる。しかして、それぞれ一連に発音称呼され時と所とを異にしての通常取引にあっては、一般取引者需要者において、彼此聞き間違い言い違える虞の多分に認められる、称呼上類似の商標といわざるを得ないものである。

4 被請求人の答弁

被請求人は、何ら答弁するところがない。

5 当審の判断

本件商標は、前記のとおり「UNROSINE」と「アンロジン」の各文字を2段に横書きしてなるものであるから、該構成文字に相応して「アンロジン」の称呼を生ずるものと認められる。

他方、引用A商標は、前記のとおり「アロジン」の文字を横書きしてなるものであるから、該構成文字に相応して「アロジン」の称呼を生ずること明らかである。

そこで、本件商標より生ずる「アンロジン」の称呼と引用A商標より生ずる「アロジン」の称呼とを比較するに、両者は語頭の「ア」の音及び後半部の「ロジン」の音を共通にし、異なるところは前者の第2音目における「ン」の有無にすぎないものである。

そして、「アンロジン」中の「ン」の音は、後舌面を軟口蓋後部に押しあてて、有声の気息を鼻から洩らして発する鼻音であって、しかも、明瞭に発音かつ聴取され得る前後の「ア」と「ロ」の各音の間に挟まれている関係上、微弱な音となり必ずしも独立した音として明瞭に発音かつ聴取され難いものとなるから、「ン」の音が該称呼全体に及ぼす影響は少ないものといえる。

そうとすれば、「アンロジン」と「アロジン」の両称呼をそれぞれ一連に称呼するときは、「ン」の有無にかかわらず、全体の語調、語感が相似たものとなり彼此聴き誤るおそれがあるものといわなければならない。

してみれば、本件商標と引用A商標とは、電話等口頭による取引が普通に行われている取引社会の実情よりすると、その外観及び観念の点について考慮したとしても、称呼において類似する商標といわざるを得ず、かつ、本件商標の指定商品は引用商標の指定商品中に包含されているものであるから、指定商品において同一又は類似するものである。

したがって、本件商標は、引用B商標との類否について検討するまでもなく、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、同法第46条第1項第1号の規定により、その登録を無効とすべきものとする。

よって、結論のとおり審決する。

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