結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 平成11年審判第30351号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第3117578号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)に示した構成のものであり、第30類「菓子及びパン,はちみつ」を指定商品として、平成5年8月9日に登録出願、同8年1月31日に登録され、現に有効に存続しているものである。
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨下記のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第6号証を提出した。
本件商標は、パリ条約の同盟国の締約国において、商標に関する権利を有する者の当該権利に係る商標又はこれに類似する商標であって、当該権利に係る商品又はこれに類似する商品を指定商品とするものであり、かつ、その商標登録出願が、正当な理由がないのに、その商標に関する権利を有する者の承諾を得ないで、その代理人若しくは代表者又は当該商標登録出願の日前1年以内に代理人若しくは代表者であった者によってされている。
よって、本件商標の登録は、商標法第53条の2の規定により取り消されるべきである。以下、その詳細な理由を説明する。
(1)請求人は、パリ条約の同盟国であるニュージーランド国において、本件商標と全く同一の構成を含んでなる商標「So Fresh」を、「アイスクリーム,フローズンノベルティー,氷菓子,本類に含まれる同一商品を製造するための菓子材料及び調理品」について、1991年1月25日に出願し、1997年3月11日に登録第207782号(以下「原登録商標」という。)として登録を受けている。このことは、ニュージーランド特許庁により発行された公告公報(甲第3号証)、及びその登録証明書(甲第4号証)からも明らかである。
そして、この原登録商標においては、その構成中「From the heart of New Zealand」の欧文字部分については権利を主張しないこととして登録されているので、その要部は、本件商標と同じように、欧文字「So Fresh」と、該欧文字の下方に示された図形部分との組み合わせである。よって、本件商標と原登録商標とは、その自他商品識別機能が共通しているので、同一又は類似の商標であることは明らかである。
更に、原登録商標の指定商品「アイスクリーム,フローズンノベルティー,氷菓子,本類に含まれる同一商品を製造するための菓子材料及び調理品」は、我が国の商標法施行規則別表1中、「アイスキャンディーやアイスクリームなどの洋菓子、即席菓子のもと、アイスクリームのもと及びシャーベットのもと」に相当するので、本件商標の指定商品「菓子及びパン,はちみつ」と同一又は類似することも明らかである。
よって、本件商標は、ニュージーランド国において商標に関する権利を取得した当該権利に係る商標と同一又は類似であって、当該権利に係る商品又はこれに類似する商品を指定商品として登録されている。
(2)そして、本件商標に係る商標登録出願は、正当な理由がないのに、原登録商標の商標権者(請求人)の承諾を得ないで、その代理人(本件商標の商標権者)によってされている。
被請求人が、ニュージーランド国の蜂蜜輸出業者と共に設立したビー・メイト・コーポレーション(以下「BMC社」という。)は、ニュージーランド国の製品を我が国に輸入することを目的とするものであり、このBMC社は、請求人の商品を日本国内に輸入販売することに関しての代理人となっている。つまり、実質的には、被請求人が請求人の代理人となっていたものである。
以下、順を追って説明する。
ア まず、被請求人とBMC社との関係について説明する。
被請求人は、ニュージーランド国サウスランドに在するサウスランド・ハニー・エキスポーターと称される蜂蜜輸出業者と共に、ニュージーランド国の商品を輸出するためにBMC社を設立しており、被請求人は、BMC社のオーナーかつ資本出資者となっている。このことは、甲第5号証中、次に示す(a)〜(c)の記載からも明らかである。
(a)甲第5号証、第1頁(BMC社から請求人に宛てた1991年2月18日付のレター)中には、「我々(BMC社)の日本国の親会社である武州養蜂園」と明示されている。この事から明らかなように、BMC社自身、武州養蜂園(被請求人)を自己の親会社と認めかつ主張している。したがって、被請求人は、BMC社のオーナーかつ資本出資者であることは明白である。
(b)前記甲第5号証の第50頁(1993年11月16日付のサウスランドタイム新聞)には、BMC社の代表者の鈴木アキヒコ氏は、サウスランドハニーと共に彼のビジネス(ニュージーランド製品の輸出)を開始した旨が記載されている。つまり、このBMC社は、ニュージーランド製品の輸出を行っている。
(c)甲第5号証第66頁(BMC社がSDC社に宛てた1993年9月27日付けレター)中には、「So Fresh」のアイスクリームを被請求人がテストする旨が記載されており、また同証第92頁(BMC社が作成した「FOODEX91」を成し遂げるためのステップを記載した書面)中に、FOODEX91フェアー開催後のフォローアップを被請求人が行う旨が記載されている。つまり、被請求人とBMC社とは、「アイスクリームのテスト」及び「FOODEX91フェアー開催後のフォローアップ」等で密接に関連している。
なお、「SDC社」とは、請求人の関連会社であるサザーン・デライト・アイスクリーム・カンパニーを略記したものである。SDC社が、請求人の関連会社であるることについては、甲第6号証の「ニュージーランドに在する会社のオフィスデーターベース」中にも、請求人とSDC社とは、その登録したオフィスアドレスが同じで、かつ二人記載された代表者の内の一人が共通していることからも確認することができる。
つまり、被請求人は、実際にBMC社の代理人となっている。
イ そして被請求人が親会社となっているBMC社は、以下に示すように、本件商標の出願時において、請求人の代理人となっている。
つまり、本件商標は、平成5(1993)年8月29日に出願されているが、甲第5号証第89頁のBMC社が請求人に宛てた1993年4月27日付のレターには、SO FRESH製品のパッケージのデザインに関して、オリジナルの「SO FRESH」のロゴは、背景の山の図等と共にそのままにしたい旨が記載されている。加えて、甲第5号証第88頁のBMC社がSDC社に宛てた1993年6月21日付のレターにも、日本からの「SO FRESH」アイスクリームのオーダーを確認して欲しい旨が記載されている。このことから、BMC社は、少なくと本件商標の出願日の約4ヶ月前(1993年4月27日)よりも前から、請求人の(「So Fresh」に関する)製品を取り扱うための代理人となっていることは明らかである。
実際にBMC社は請求人の代理人として、請求人の「So Fresh」商品を我が国で取り扱っている。このことは、甲第5号証中、BMC社宛の商品の送り状(第97頁以降)において、1993年内に3回(第108,110,112,113,115〜123頁)にわたり、「SO FRESH」の商標を付した商品を、SDC社が、BMC社に輸出している事実からも明らかである。
そして、甲第5号証中には、上記の他にも、随所にBMC社が請求人の代理人であったことが明示されている。
以上説明したとおり、本件商標の出願時において、被請求人が親会社となっているBMC社は、請求人の「SO FRESH」ブランド商品に関する販売等の代理人となっている。そして実質的には、このBMC社の業務は、我が国に関しては、その親会社である被請求人が行っているので、被請求人は、本件商標の出願時において、実質的に請求人の代理人となっている。
ウ 更に、被請求人は、正当な理由がないのに、原登録商標の商標権者(請求人)の承諾を得ないで本件登録を出願している。
即ち、請求人は、被請求人に対して、本件商標についての商標権を取得することについて許諾したことはなく、BMC社にさえ、本件商標についての商標権の取得を許諾したことはない。このことは、甲第5号証中第23、24頁(BMC社が請求人に宛てた『ビー・メイト・コーポレイションによる商標「SO FRESH」の独占的使用に関する契約書』)中で、BMC社が「SO FRESH」のブランドを独占的に使用することについて、請求人の許諾を求めていることからも明らかである。
また、このように、BMC社が「SO FRESH」のブランドを使用することについて請求人の許諾を求めていることは、このBMC社自身が、許諾を得なければ、本件商標を使用できないことを認識していたものであり、このことは即ち、BMC社自身、本件商標を出願する正当な権利を有していないことを認めているものある。
また、請求人が、日本国における商標「SO FRESH」についての権利の取得を放棄していないことは、前記契約書中でBMC社が「SO FRESH」のブランドを独占的に使用するとの見解を示したことについて、請求人は、甲第5号証第22頁(1994年4月8日付の請求人の社内レター)に「私は、BMC社がアジアに於ける唯一の取引先であると認識している誤りを是正したい。」と見解を示していること、及び第30〜33頁(BMCジャパンが請求人に宛てた1994年1月31日付レター)の第32頁に「先週、あなたがセイヨウフードと、アイスクリームに関する業務契約を締結したことを聞きました。」と記載されているように、請求人自身がこの商標「So Fresh」の使用を我が国で使用するための権限を留保していることからも明らかである。
よって、本件商標は、被請求人が、正当な理由がないのに、登録商標の商標権者(請求人)の承諾を得ないで出願されている。
以上申し述べたとおり、請求人は、自己の「SO FRESH」ブランドの商品を我が国に輸出するために、BMC社を代理人としている。そして、BMC社は、被請求人が、ニュージーランド国の商品(即ち、請求人の商品)を我が国に輸出するためにニュージーランド国に設立した会社である。したがって、このことを考慮すれば、被請求人が実質的に請求人の代理人となっていたことは明らかである。
そして、被請求人は、本件商標を出願することに関して、正当な理由がなく、請求人の承諾を得ないで出願されおり、本件商標は、請求人が、ニュージーランド国において取得した商標と同一又は類似であって、商標の指定商品は、同一又は類似している。
よって、本件商標の登録は、商標法第53条の2の規定により取り消されるべきである。
(1)請求人の商標権について
甲第3号証(ニュージーランド国に於ける公告公報写)及び甲第4号証(ニュージーランド国に於ける登録証明書写)によれば、請求人は、ニュージーランド国法人であって、工業所有権の保護に関するパリ条約の同盟国であるニュージーランド国の特許庁に、別掲(2)に示す構成の商標(以下「原登録商標」という。)を、「アイスクリーム,フローズンノベルティー,氷菓子,本類に含まれる同一商品を製造するための菓子材料及び調理品」を指定商品として、1991年(平成3年)1月25日に登録出願し、1997年(平成9年)3月11日に商標登録を受けている事実が認められる。
そして、前記事実からすると、請求人は、少なくとも原登録商標をニュージーランド国の特許庁に登録出願した平成3年1月25日から原登録商標が平成9年3月11日に登録され、その商標登録が存続している期間、ニュージーランド国において原登録商標に関する権利(商標権に相当するもの)を有しているものとみるのが相当である。
(2)本件商標と原登録商標との類否について
本件商標と原登録商標は、別掲(1)及び(2)に示す構成よりなり、いずれもレタリングした「So Fresh」の欧文字部分が商標要部とみられるものである。そして、この商標要部の外観、「ソーフレッシュ」の称呼及び観念が共通するから、互いに類似する商標といい得るものである。
(3)使用商品(指定商品)の類否について
本件商標の指定商品「菓子及びパン,はちみつ」は、原登録商標の指定商品「アイスクリーム,フローズンノベルティー,氷菓子,本類に含まれる同一商品を製造するための菓子材料及び調理品」と同一又は類似する商品と認めることができる。
(4)代理関係について
甲第5号証によれば、被請求人は、本件商標を登録出願した平成5年8月9日当時、被請求人の子会社といえるBMC社を通じて実質的に請求人の代理人の地位にあったものと認められる。
(5)被請求人は、本件商標を登録出願することについて、正当な理由があるものとすべき証左はなく、また、請求人の承諾を得て本件商標を登録出願したものとも認められない。
(6)したがって、本件商標の登録は、商標法第53条の2の規定により、取り消されるべきである。
審判費用の負担については、商標法第56条第1項、特許法第169条第2項の規定で準用する民事訴訟法第61条の規定を適用して、被請求人が負担すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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