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Trademark Appeal Case

結合商標の使用と不使用

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2000−30226(T2000−30226/J2)
審判種別取消
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第1434297号商標の指定商品中「被服」については、その登録は取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第1434297号商標(以下、「本件商標」という。)は、「PERMA」の欧文字及び「パーマ」の片仮名文字を二段に書してなり、昭和41年4月21日に登録出願され、第17類「被服、布製身回品」を指定商品として、同55年9月29日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

2 請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ証拠方法として甲第1号証を提出している。

(1)本件商標の使用状況

本件商標は、請求人の調査によると、その指定商品中「被服」につき、本審判請求前3年以内に、日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが使用していない。

上記のとおりであるから、商標法第50条の規定により、前記指定商品についての本件商標の登録の取消は免れない。

(2)答弁に対する弁駁

(ア)被請求人が提出した書証はレンタル業者たる株式会社帝健がサービスマークとして「Perma Uni」または「パーマユニ」を使用しているのであって、これは「Perma Uni」または「パーマユニ」のサービスマークとしての使用であり、本件商標「PERMA」の商品商標としての使用ではない。

(イ)甲第1号証が示すように、使用されている商標は「パーマユニ」または「PERMA UNI」である。これは本件商標「PERMA」の使用とはいえない。登録商標を使用するのであれば、被請求人は「パーマユニ」または「PERMA UNI」として登録すべきであった。「UNI」及び「ユニ」も被請求人の登録商標であるが、乙各号証が示すように「PERMA」または「パーマ」と組み合せて使用したのであれば消費者は「PERMA UNI」、「パーマユニ」のそれぞれが当然一個の商標であると捉えるので本件商標とは別異の商標を形成する。

3 被請求人の答弁

被請求人は、本件審判請求の申立ては成り立たない、審判費用は請求人の負担とするとの審決を求めると答弁し、その理由及び弁駁に対する答弁を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし同第13号証(枝番を含む。)を提出している。

(1)本件商標は、その指定商品であるところの「被服」に属する商品「作業服」(以下、「本商品」または「ユニフォーム」という。)において、被請求人にその使用を許諾された会社により本審判請求前3年より以前から現在に至るまで継続して使用されているので、同上の規定により取消しの対象となるものではない。

(ア)被請求人は株式会社帝健(以下、「通常使用権者」という。)に対し、社内担当現局より平成9年2月5日付通常使用権者との本件商標の使用許諾に関する申込書を受け、商標使用に関する契約書(契約期間平成9年2月1日〜平成12年1月31日)を平成9年3月18日付で締結した(乙第1号証の1、2)。更に通常使用権者より同契約を更新する使用申し込みを平成11年12月7日付で受付け、この契約書は(契約期間平成12年2月1日〜平成14年1月31日)平成11年12月22日付で締結され現在も継続している(乙第2号証の1、2)。

通常使用権者は、本商品の製造者である株式会社チクマ(以下、「本製造者」という。)より本商品を購入しレンタル事業を展開している。

そこで、通常使用権者の本商品のレンタル事業の概要につき以下の通り説明する。

通常使用権者は本商品を本製造者から購入し、本商品の使用者とレンタル契約を取り交わし本商品を契約相手先に納入する。本商品は定期洗濯または汚れたときに随時洗濯して.交換していくという営業形態である。

(イ)通常使用権者は、上記レンタル事業に際し使用者に対する製品紹介としてカタログ(乙第3号証)を製作している。同カタログの表紙には本商品のレンタルユニフォームの総称の商標として本件商標と社会通念上同一の態様の「PermaR(マルアール)」(「R」はいわゆる○の中に「R」を記したマルアールと呼ばれる記号で、「a」の欧文字の右部に小さく付されている 。パソコン上表記できないので便宜上「R(マルアール)」と表記する、以下同じ。)が「UniR(マルアール)」との結合商標の前半構成部分として表示されている。

本件商標と社会通念上同一の態様の「PermaR(マルアール)」及び「パーマR(マルアール)」は本商品において「PermaR(マルアール)UniR(マルアール)」又は「パーマR(マルアール)ユニR(マルアール)」として本商品のレンタルユニフォームの総称名の部分で使用される。実際の取り引きに資する為に乙第3号証のカタログにあるように総称の欧字「PermaR(マルアール)UniR(マルアール)」の「PermaR(マルアール)」の頭文字「P」をすべての品番に付しており、カタログの22頁の下段枠に掲載されているように品番は個別の品のデザイン、性別、アイテムを示している。そして実際の商品の取り引きに際しては品番ごとにサイズ、及び数量が記載された取引書類を用いるのが取引の通例である。

例として、実際に通常使用権者が本製造者に本商品の製造を依頼した平成11年11月18 日付の発注書/受注書を添付する(乙第4号証)。

同号証の品名「P100−MS」「P100一LS」は乙第3号証のカタログの8頁、4頁のパーマツイルに該当するものである。

一方、本商品には品名としての総称の織ネーム(以下「本織ネーム」という。)(乙第5号証)が本製造者により本商品に縫い付けられる。黒色が男性用、赤色が女性用として使用している。本織ネームには上記で説明した本件商標と社会通念上同一の態様の「PermaR(マルアール)」が表示されており、被請求人のハウスマーク「TEIJIN」と社名の「帝人株式会社」が本商品の素材の出所として併記されている。

尚、参考まで本織ネームが本商品に縫い付けられた写真を提示する(乙第6号証)。本織ネームは数回の洗濯にてほつれ、へたりが生じた場合取り替えることがあり、その場合には本織ネーム単体で売買されている。乙第7号証の1、2、3はその本織ネームその他の縫製小物の製造メーカーであるオークラ商事から本製造者宛ての本織ネームに係わる平成11年6月10日付、同年8月11日付、同年11月11日付の請求書である。同請求書には本件商標と社会通念上同一の「パーマ」が表示されている。

(ウ)本商品のレンタル事業において、企業の本商品による職場イメージの変更のためのデザイン変更機会を捕らえて交渉するが、そのサイクルは数年単位が一般的であり、本レンタル契約は4年を単位として交渉し、見積書を使用者に提出する際に同時に乙第3号証のカタログを相手先に提出する。乙第1号証の2の使用許諾契約書期間内にレンタル交渉に用いた平成11年2月19 日付で通常使用権者が使用者に提出した見積書を提出する(乙第8号証)。同号証「2、レンタル条件の素材」の欄に「パーマ」が表示されており、乙第3号証のカタログの4頁、8頁と同じ表示である。

又、レンタル契約に先行して本商品の使用者に対する出荷が生じる場合があり、その出荷依頼書(乙第9号証)を添付する。製造者の製品倉庫が出荷元、乙8号証の見積先が出荷先、その依頼は通常使用権者となっている。出荷はサイズ別に数量を表すため行数が多く3枚組となっているが記載される品名記号にはやはり上記同様に乙3号証の本商品素材の欄に「パーマ」が表示されたものを扱うものである。

さらに本製造者の外注先横手ソーイングより本商品が本製造者の製品倉庫に入庫した時点で、外注先横手ソーイングが本製造者宛発行した請求書平成11年11月27日付を提出する(乙第10号証)。同請求書に記載の品番「P100ーLS」、品番「P100ーMS」は乙第3号証のカタログの4頁、8頁のパーマツイルに該当するものである。

(エ)乙第11号証の1、2は、同第3号証のカタログの増刷に際しての印刷と写真撮影の見積書平成11年12月7日付であり、その後合意に至り撮影と印刷に時間を要した後に平成12年3月28日完成したがカタログを受け取った納品書である(乙第11号証の3)。

(オ)乙第12号証は、本商品の展示会に用いるパネルやパンフレットの制作に係わる株式会社テイビから通常使用権者に宛てた納品書(平成11(1999)年6月4日付)である。同納品書には本件商標と社会通念上同一の態様の「Perma」が表示されている。

(カ)以上の通り、本件商標については指定商品の一つである「被服」に該当する「作業服」について本件審判請求登録前3年以内より現在に至るまで実際の取引きの場において使用されていることは、添付各号証により明らかであるから、本件商標の登録は商標法第5O条第1項の規定により取消されるべきものではない。

(2)弁駁に対する答弁

(ア)先ず、本件商標が商品ユニフォームに使用されている事実は、被請求人が提出した平成12年7月19日付の答弁書において述べている通りである。

請求人は、株式会社帝健が、本件商標が付されたユニフォームをレンタルしていることを捉えサービスマークの使用であると主張しているが、以下の通り本件商標はユニフォームの商品商標として使用され自他商品識別標識として機能しているものである。

被請求人の乙第3号証である「PermaR(マルアール)UniR(マルアール)」のカタログは、商品のレンタル業者である株式会社帝健が、レンタル対象の商品中のユニフォームについての情報を顧客に提供するためのものである。

ユニフォームのレンタルの事前交渉において、まず顧客は株式会社帝健が提示するユニフォームに関する複数の商品カタログの中から「PermaR(マルアール)UniR(マルアール)」のユニフォームを選び、その中から希望のデザインや性別やアイテムを表す品番/型番を決定するのが通例である。従って当該カタログに表示されている本件商標は、商品商標として同業他社の製造販売するユニフォームとを区別させるよう機能しているものであり自他商品識別機能を十分に発揮しているものである。従って、本件商標の使用は顧客の本商品の選択・採用に資するものとして機能しているものであり、レンタルサービスを識別させる商標として機能しているものではないことから、請求人の「本件商標はサービスマークの使用である」との主張は成り立たないものである。

また、当該カタログに表示されている本件商標がサービスマークの使用ということであれば、例えば乙第8号証のレンタル条件等が当該カタログに記載されていなければならないと解するのが相当である。

さらに、レンタルに供された本商品の製造・販売の商取引において、本件商標が本商品に使用された事実は、前回の答弁書で被請求人が提出した乙各号証からしても明らかである。

(イ)次に、請求人は、「パーマユニ」又は「PERMA UNI」の使用は、本件商標の使用とは言えず、登録商標を使用するのであれば、被請求人は「パーマユニ」又は「PERMA UNI」で登録すべきであったと主張している。これについても被請求人は承服できないので以下の通り答弁する。

「パーマR(マルアール)ユニR(マルアール)」又は「PermaR(マルアール)UniR(マルアール)」は、乙第1号証の1、2で明らかなように、株式会社帝健からの使用許諾の申し入れに基づき、それぞれ独立した商標である「パーマ/PERMA」、「ユニ」及び「UNI」につき、商品(ユニフォーム)についてその使用につき被請求人が許諾をしたものである。それぞれの独立した登録商標についての使用許諾であり、当該カタログの実際の表示も「パーマR(マルアール)ユニR(マルアール)」又は「PermaR(マルアール)UniR(マルアール)」としており、それぞれの商標の存在をR(マルアール)の表示をもって明確に表示し、個別商標の組み合わせにより需要者へのアピール強化を図ったものである。また、「パーマR(マルアール)ユニR(マルアール)」又は「PermaR(マルアール)UniR(マルアール)」の構成よりしても、「パーマ」シリーズの「ユニ」のように認識されるものであり、「パーマ」「PERMA」自体が独立して自他商品の識別機能を発揮しているものであるとするのが相当であることから、本件商標の使用とは言えないとする請求人の主張は成り立たないものである。

このように2以上の登録商標を組み合わせて実際の取引で使用する例は繊維業界において多く見られるものである。その一例として乙第13号証の1、2を提出する。

さらに附言すれば、乙第3号証の「PermaR(マルアール)UniR(マルアール)」のカタログの4頁及び8頁に「ズボン」の商標として本件商標が「パーマR(マルアール)ツイル」として単独で使用されており、この事実からしても請求人の主張は成り立たない。

上述の如く、本件商標は通常使用権者の株式会社帝健によって被服に属する「ユニフオーム」に使用されていたのは明らかであり、商標法第50条の規定に該当しないものである。

4 当審の判断

そこで、検討するに、乙第1、2号証によれば、被請求人は、本件商標の使用について、株式会社帝健と通常使用権の使用許諾を結んでいることが認められる。

そして、被請求人の述べるところによれば、通常使用権者はレンタル事業を展開しておりその概要は、通常使用権者は、本商品を本製造者から購入し、本商品の使用者とレンタル契約を取り交わして本商品を契約相手先に納入し、使用され、また、本商品が定期洗濯または汚れたときに随時洗濯して交換していくという営業形態であるというものである。

してみると、この様な事業形態は、通常、株式会社帝健が他人のために本商品を使用することに提供する便益である、即ち、役務(サービス)の一形態と認められているところであり、また、このレンタル事業に用いられる標章は、他人の役務と識別するためのものであって、他人の商品と識別するためのものとはいえない。

そうすると、上記レンタル事業に使用するとされる乙第3号証のカタログに表示されたユニフォームは、通常使用権者で、レンタル業者である株式会社帝健が、レンタル契約者に使用させるレンタルの対象物としての役務の提供の用に供するものであって、同カタログないしユニフォームに付されている標章は、他人の役務と識別するためのものと認められ、本件指定商品について他人の商品と識別標識するために使用されているものでない。

この点、被請求人は、ユニフォームのレンタルの事前交渉において、まず顧客は株式会社帝健が提示するユニフォームに関する複数の商品カタログの中から「PermaR(マルアール)UniR(マルアール)」のユニフォームを選び、その中から希望のデザインや性別やアイテムを表す品番/型番を決定するのが通例である。従って本件商標の使用は顧客のユニフォーム選択・採用に資するものとして機能しているものであり、自他商品の識別機能を十分に発揮しているものであって、レンタルサービスを識別させる商標として機能しているものではない、と主張するが、カタログに表示されたユニフォームは、役務の提供の用に供するものについて情報の提供をしているのであって、そのことはレンタルサービスを提供する一工程(付随業務)にすぎなく、商品の取引としてのものでない。そうすると同カタログに表示されている標章は、他人の役務と識別するためのものと認められ、商品を識別するために使用されているものでないから、その主張は成り立たない。

また、被請求人は当該カタログに表示されている本件商標がサービスマークの使用ということであれば、例えば乙第8号証のレンタル条件等が当該カタログに記載されていなければならないと解するのが相当であると、主張するが、レンタル交渉において乙第8号証のレンタル条件の見積書が用いられるとすれば、これはレンタル事業の形態をなすものである。

さらに、レンタルに供された本商品の製造・販売の商取引において、本件商標が本商品に使用された事実は、答弁書で被請求人が提出した乙各号証からしても明らかである、と主張する。

しかしながら、ユニフォームの製造依頼に関する、発注書、受注書(乙第4号証)、また、織りネームが取り替えの場合に製造に関する請求書(乙第6号証及び同第7号証)、レンタルに先行してユニフォームの使用者に対する出荷の場合の先行出荷報告書(乙第9号証)、縫製外注先より入庫したユニフォームの請求書(乙第10号証)、カタログ作成の印刷見積書、同納品書(乙第11号証)、展示会用のパネルとパンフレットの納品書(乙第12号証)における本件商標の使用は、あくまでも、それは役務の提供の用に供するものを特定の者に対し製造等依頼していることを示しているに止まるから、それらの請求書等のみをもって本件商標が指定商品に使用されているものとは認めることができない。

以上、被請求人の主張は、いずれも採用できない。

したがって、本件商標は、役務に関する使用であって本件指定商品に使用されているものでないから、使用されている標章の同一性について論ずるまでもなく、本件商標の指定商品の請求に係る商品「被服」についての登録は、商標法第50条の規定により取消すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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